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人数が揃うっていいもんだな
弱小中学サッカー部の顧問をして10年目。
3年生10人。2年生3人。
おそらく来シーズンは単独チームを組めないだろう。
と思っていたら、なんと令和5年度に新入部員が14名も!!
人数が少ないと、待ち時間がないので、短い時間でトレーニングの強度を上げることは可能なのですが、最大で6対6のゲームまで。
11対11のフォーメーショントレーニングができませんでした。
「うわあ、久しぶりの11対11だ!」
と思わず呟いた3年生。
いやいや、お前達は11対11のトレーニングしたことないよ(あれは、9対9だよ)
実に4年ぶりです!!
フルに集まっても、10人ちょっと。
この人数に慣れていたので、30名近く集まると、ものすごい人数に感じてしまいます(笑)
でも、活気って、やっぱり人数も関係あるものなのですね。
ずらっと並ぶ一年生がいると、2、3年生の動きもキビキビとします。
1年生の半分は素人なのですが、なかなか筋のいい子が多く、全員2、3年生に混じって同じメニューを元気にプレイしています。
そして、ついに4年ぶりのフォーメーショントレーニング。
レギュラー予想のメンバーを攻撃陣と守備陣に分け、空いているところに1年生を入れるチーム分けは私の方で行いました。
「何?どういうこと?」
初めてのフォーメーショントレーニングで戸惑う2、3年生の姿が逆に新鮮んでした。
そうか、この子たちは、11対11の紅白戦をしたことがなかったんだな
互いに向かい合わせに立たせ、ポジョンを確認します。
オフェンスチームは1−4−3−3、ディフェンスチームは1−4−4−2の布陣。
とりあえず、やらせてみます。
2、3年生に混じっても1年生は意外とフィットしています。
1年生がすごいのか、2、3年生のレベルが低いのか(笑)
まあ、そこら辺のところは、皆様のご想像におまかせしますが、
色々とやりたいことがあるなあ。
彼らのゲームを見ながらそんな思いが湧いてきました。
と同時に何とも言えない幸せな気持ちになりました。
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コロナで中体連が中止になった無念の年。
部活動ができず、オンラインでトレーニングをした日々。
同じメンバーでのマンネリ化した緩い練習を一喝したことも度々ありました。
それでも、彼らと私はサッカーで繋がり、サッカーを通じてコミュニケーションを紡いできました。
部員数も少なく、競争のない環境は、どうしてもぬるま湯になってしまいがちでした。
以前の私なら、叱咤叱咤叱咤!
だったと思います(笑)
しかし、コロナを挟んだこの3年間は、気がつけば、じっくりと子供達を観察する指導に変わっていった3年間でもありました。
彼らはどんな景色を描いてプレイをしているのか?
そんな彼らの心情を想像しながら、声をかける。
表面に現れる行動には何らかの意味がある。
そう思うと、危険なシーン以外は、腹の立つことも少なくなりました。
「どうした?」
「どうしたい?」
「それで良いのか?(良いと思っていないのは本人が一番わかっている)
そんな問いかけの言葉が増えました。
小手先ではどうにもならないほどのチーム力なので、逆に開き直れた部分もあります。
この子達が自立し、サッカーを生涯楽しめるためにどんな力を身につけてやれば良いか?
そんな未来を描きながら、コーチングをするようになりました。
気がつけば、あれこれと細かく言っていた時よりも、やってほしいことが普通にできるようになっていました。
以前は、言われた時は、意識してやるけど、言われないとすぐに元に戻ってしまう。
そんな感じでした。
ところが、今は、
「そこのスペースを感じて走り込め!」
「そのスペースを絞って消せ!」
など、ゲーム中にコーチングをし、やりたいことを互いに伝え合うようになってきました。
さらに、1年生には、
「いいぞ!ナイス!」
と常に声をかけるA。
Aは、うまくいかなくなるとやる気をなくし、
「どうした?」
と一番声をかけてきた子供です。(ついこの間の春休みの時も、何度か『しっかりやれ!』と喝を入れています笑笑)
そんな彼が、一番声を出し、後輩を励ましている。
しかも、彼のコーチングの言葉は私の言い方にそっくりで。
選手は指導者の鏡とはこのことか!
選手を見れば、そのチームがどんな指導を受けてきたか一目瞭然。
自分の立ち振る舞いは、子供達に大きな影響を与えているのだなと、身の引き締まる思いをしています。
と、同時に、若かりし頃は、子供達の言動や振る舞いに、カッとし、
「帰れ!」
とか
「もう知らんわ!」
とかパワハラまがいの指導していたなと恥ずかしくなりました。
自分の感情に反応し、子供の心の隠れた本音をじっくりと観察しきれていなかったのだと思います。
あの頃の自分なら、今のチームの監督を辞める!と言っていたかもしれません(笑笑)
実際、心の中で、
「ああ、もうやってられないな。練習は解散だな」
と呟いたことも、数えきれないほどありました。
でも、もう一人の『そい』が問うのです。
それで、自体は改善されるのか?
「もちろん改善されません」
ではどうしたら良い?
「投げ出さずに、やるしかありません」
なら、つべこべ言わず、やりなさい
結局は問いかけるしかないんです。
「お前達はそれでいいのか?」と。
魂から魂へ、本気で問うのです。
そうしたやりとりは、少なくともマイナスにはなっていないかな。
そんな手応えを感じています。
今日も練習の序盤から明らかに手を抜いている3年生Bにたまらず声をかけました。
どこか悪いところでもあるのか?
「いいえ」
じゃあ、ちゃんとやれ。サッカーになってないぞ
そう言って、その後のプレイを観察。
時々、具体的に期待しているプレイを伝えると、そのプレイを再現しようと動きがよくなる。
先ほどのやる気のなさの原因はわからないけど、やる気は残っているみたい。
11対11の時にはBに2人の1年生をマンマークでつかせると、俄然張り切って攻守に渡って動き回っています。
やれるなら最初からやれよな(苦笑)
そう呟きながら、
昔なら
帰れ!
と一喝し
「ああ、帰る!」
みたいな険悪な雰囲気で何一つ改善されずにトレーニングを終え、場合によっては、保護者からクレームが入って、さらにめんどくさいことになってたりしだろうな。
そんなことを思いながら、11対11のゲームを眺めていました。
さあ、明日は、1年対2、3年生の制限ゲームをやろうかな。
そんなことを考えられのも、たくさんの新入生が入ってくれたおかげです。
どんな化学反応が起こるか楽しみです!
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