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風景のレシピ #2“石と流木のある部屋”| nakaban
「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら。
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風景のレシピ#2“石と流木のある部屋”
調理時間:5h
材料:
窓:ひとつ
白い壁:全体に
階段:ひとつ
テーブル:ひとつ
石のコレクション:適宜
流木のコレクション:一束
水の入ったボトル:数本
水槽:ひとつ
薄明かりの空気:適宜
静けさ:全体的に
1.流木の柄のコテを手に取り、四方の壁を塗って部屋をかたち作る。
部屋の中で手を打てば響くような、がらんとした空間。
2.部屋を見渡し、窓をひとつ開ける。
3.階段を作る。
階段の向こうにも光を差す。
窓と階段によって、停滞した時が流れ始めるのを確かめる。
4.窓を開け、部屋の空気と外の空気をよく混ぜる。
5.相応しい場所にテーブルなどの家具を置く。
6.水槽やガラス瓶をテーブルに並べる。
薄暗い室内の中でも水が光を集めて、思いのほか明るい。
7.部屋の所有者のコレクションを配置する。
空間の中心になるものは何か熟考する。
全体を整え、できあがり。
調理のコツ
*石、流木、など自然物と人工物の中間のものは未知の交易圏に属するもの。ゆえに敬意を持って扱う。
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◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com
★「風景のレシピ」マガジンページはこちら
#1 “眠たい海辺の町”
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『窓から見える世界の風』福島あずさ著、nakaban絵(創元社、2018年)
『あの日からの或る日の絵とことば』筒井大介編(創元社、2019年)