最近の淑女のトレンドの一つに「ヌン活(アフタヌーンティー)」がある。
茶葉が高価な輸入品だった時代も、喫茶はステータスとして「お茶を飲むシーン」が多く描かれた。
『名画のティータイム 拡大でみる60の紅茶文化事典』(Cha Tea 紅茶教室著)では、「紅茶占い」や「ティードレス」といったお茶にまつわるモチーフから西洋の喫茶文化史を覗いている。
女主人の必須アイテム、シュガートング
19世紀イギリスの「ヌン活」の絵である。
女性が持った「シュガートング」に注目してほしい。
当時、砂糖は高級品であり、誰もが気軽に味わえるものではなかった。
「シュガートング」をはじめとする茶道具も貴重なものだった。
19世紀には「角砂糖」が発明される。
砂糖で財を成したテートは、様々な美術品を集め、公開した。
さて、冒頭の絵画の二人はなぜ、室内にもかかわらず、帽子と手袋というスタイルでお茶を飲んでいるのだろう?
答えは本書を読んでいただきたい。ティータイムのエチケットも解説されている。全体図+拡大図で、茶道具のディテールまで楽しめる内容である。
ページ紹介
刊行記念オンライントークイベントのお知らせ
●概要説明(講師より)
名画のなかに描かれる茶道具は、アンティーク品として現在まで継承されているものも多くあります。ティーカップの前身ティーボウル、日本の建水にヒントを得たスロップボウル、宝石のように美しいティースプーン。本書『名画のティータイム』を軸に西洋喫茶を代表する茶道具を解説していきます。ご自宅で美味しい紅茶を楽しめるような淹れ方のコツもお伝えします。
●概要
日時:2023年1月18日(水) 13:30~15:00
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<本書の著者情報>
Cha Tea 紅茶教室(チャティーこうちゃきょうしつ)
二〇〇二年開校。東京西日暮里の代表講師の英国住宅を開放してレッスンを開催している。美術展示監修、ドラマや映画の台本監修をはじめ、ティールームオーナー、紅茶講師なども養成。
二〇二一年、西日暮里に紅茶・英国菓子の専門店をオープン。著書に『図説 英国紅茶の歴史』『図説 英国ティーカップの歴史』『図説 ヴィクトリア朝の暮らし』『図説 英国 美しい陶磁器の世界』(ともに河出書房新社)、監修に『紅茶のすべてがわかる事典』(ナツメ社)など。
文責:創元社プリンセス部 @sogensha_pri