見出し画像

風景のレシピ #34 “本に囲まれて”| nakaban

「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら



風景のレシピ #34 “本に囲まれて”

調理時間:9時間
 
材料: 
部屋:ひとつ
本:たくさん
チェスト:ひとつ
書棚:壁の一面分
フルーツ:適宜
領収書などの紙片:適宜
ソファ:一脚
ファブリック:一枚
猫:一匹
ストーブの熱:全体的に


1.ある建物の目立たない一角に仕切られた空間。そのような小部屋を用意する。部屋をストーブの熱でやさしく温める。


2.ソファやチェストなどの家具を並べる。本を積む。書棚にも本を詰める。


3.紙片を並べ、果物を置き、ソファにファブリックを被せる。


4.猫を寝かせる。


5.仕上げに猫の毛を床に振りかける。
      さまざまな色を持つ本をあれこれ並べ替えて、できあがり。


調理のコツ
*猫の見る夢を覗き込むように


領収書やメモ、切符など
丸い石のような猫
本と食べ忘れた果物
できあがり。クリックすると拡大して見られます。


◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com

★「風景のレシピ」マガジンページはこちら