風景のレシピ #32 “海への坂道”| nakaban 2 創元社note部 2022年12月29日 09:08 「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら。風景のレシピ 32 “海への坂道”調理時間:4時間 材料:霧:全体的に坂道:一本建物:数軒草地:適宜波の音:適宜街灯:一灯1.静かな朝に霧を流し込み、よく広げる。 目線を下方に向けて、下り坂になるように坂道を敷く。坂道はところどころ横道を分岐させ、階段状になっている場所もある。2.時折届いて来る波の音を聴きながら、さびれた建物を数軒建てる。3.風景の中に、僅かな光を得るために、一部の建物を石灰で化粧する。4.建物や道を草で縁取る。空き地には草をこんもりと茂らせる。草地は塩分を含む霧に長年晒され、硬くこわばっている。5.仕上げに街灯を一灯建て、夜のこの風景を想像してみる。調理のコツ*旅の初日のように霧の粒子が見えるよう海岸の石が使われたセメント道街灯は電球が切れていたできあがり。クリックすると拡大して見られます。◎プロフィールnakaban (なかばん)画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。本を読むのが遅い。広島市在住。www.nakaban.com★「風景のレシピ」マガジンページはこちら ダウンロード copy #絵 #創作 #レシピ #風景 #建築 #画家 #鑑賞 #風景画 #創元社 #nakaban #風景のレシピ 2