![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89865088/rectangle_large_type_2_c94a35ad339ed8d12f141c5db726449a.jpeg?width=1200)
風景のレシピ #22 “知らず知らずの境界にて”| nakaban
「旅と記憶」を主題に絵を描いている画家のnakabanさんが、風景画の制作過程をレシピ化するこころみです。序文はこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1666842010332-n0LttWrMhE.png?width=1200)
風景のレシピ #22 “知らず知らずの境界にて”
調理時間:20時間
材料:
真冬の澄んだ空:全体に
道:一本
石壁:左右に適宜
壁に置くオブジェ:適宜(ここでは果物)
樹木:たくさん
ヤドリギ:適宜
太陽:ひとつ
遠くの門:ひとつ
1.冬の冷たい空気を全体にひろげる。
2.中央に道を通し、遠くに寂しげな門を置く。門の向こうの風景は、想像できない。
3.空の中央あたりにハロを纏った太陽を浮かべ、それを取り囲むように枝を這わせる。
4.枝の根元をしっかりと着地させ、100年ほど熟成させた石壁で囲う。
5.石の上には忘れ物のようにオブジェを置き、木々にはアトランダムにヤドリギを付着させる。それらが知らず知らずのうちに全体の佇まいを整える。
調理のコツ
*誰もがここで立ち止まってしまう風景となるように
![](https://assets.st-note.com/img/1666842355123-seIXeAr8sN.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1666842396329-kVY2DyeyS7.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1666842410905-JFSjT5Oq8D.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1666842687593-snlnDYnqAJ.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1666842437395-b3wViw488K.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1666842706851-jFZM5yzGhw.png?width=1200)
◎プロフィール
nakaban (なかばん)
画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している。
新潮社『とんぼの本』や本屋「Title」のロゴマークを制作。
著作に『ダーラナのひ』(偕成社)『ことばの生まれる景色』(辻山良雄との共著、ナナロク社)『窓から見える世界の風』(福島あずさ著、創元社)など。
好きなことは果樹栽培、ポストカード収集、そしてもちろん絵を描くこと。
本を読むのが遅い。
広島市在住。www.nakaban.com
★「風景のレシピ」マガジンページはこちら
#1 “眠たい海辺の町”
#2 “石と流木のある部屋”
#3 “松林の散歩者”
#4 “夕景・手・オブジェ”
#5 “通り”
#6 “木立と川と蜃気楼の町”
#7 “Symmetria”
#8 “やさしい夕暮れ”
#9 “大きな駅”
#10 “夜想の海”
#11 “橋と暗い渓谷”
#12 “階段”
#13 “霧深き日”
#14 “忘れる広場”
#15 “捨てられたモノ”
#16 “都会の夜明け前(トーキョー風)”
#17 “地図にない場所”
#18 “家具のための野外劇場”
#19 “イタリアかさ松のある町”
#20 “朝焼けの海”
#21 “鳩小屋”