国を超えて
先日久々にアフリカ人経営の商店へ行ってきた。
というのも、ここにはアフリカンファブリックが売られているから。
時々、気に入った柄があればその布で納品用の巾着バッグを作ったり、バッグの内装に使ったりしている。今年の夏、日本に帰国したさいアフリカンファブリックを使用したバッグなんかも日本では流行しているのか?pop-upストアなども見かけた。
そういえば、Diorのマリア・グラツィア・キウリによる2020 クルーズ コレクションではアフリカンワックスで有名なUniwax(ユニワックス)社の工場とコラボした、マラケシュでのショーが最高に素晴らしかったなぁ・・・と思い出した。
雑然と天井にぶら下げられた色とりどり、ダイナミックなデザインの布がズラリと並ぶ。その下にはアフリカ人たちが愛用しているであろう日用品や食品が並らんでいた。店内も独特な雰囲気と香りが漂う。日本ではなかなか味わえない雰囲気。
こういったお店は、イタリアの中央駅付近などに集結している気がする、多分。
パレルモでは、旧市街の中央駅手前、割と観光スポットエリア(バッラロ市場界隈など)に集まっている。カオスではあるがパレルモの文化もうかがえる面白い地域(スリ等にはご注意)だと思う。
店番をしているアフリカ人女性はなんとも無表情で低トーンで接客(さほど相手にもしてくれない)してくれるのだが、この温度差と、おとづれるお客はだいたいがアフリカ人であるから、その中に一人日本人が混じってる絵面もなんだか笑えた。
アフリカンファブリックは、元気になるような配色と柄である。
店の奥にあった布の山から何点か気になる柄を取り出す。
プライスは30ユーロ〜120ユーロで、はじめからカット(6ヤード)された状態で売られていて、ビニール加工されたものや刺繍が入っているものなども。
今回目に止まったのは、幾何学模様が新鮮な6mを仕入れた。
子供がいるからか?カラーがNintendo Switchのようだなぁと思ってしまったが、私にはできないデザインと配色。他のアフリカンらしい大地を思わせるデザインと色とは大幅に違って、一目惚れである。
また、このアフリカンファブリックは現代アフリカの象徴のようにも思われているが、実はアフリカ大陸以外からもたらされたというし、歴史を紐解いていくと、インドネシアやオランダといった国も関係していてルーツも面白い。
今回仕入れた柄から見て、伝統的なバティック(ろうけつ染)ではなく、ファンシーファブリック(アフリカ諸国の独立以降に広まった比較的新しいプリント法)と呼ばれるものであると推測するが、ろうけつ染の多くの色を重ね鮮やかなデザインとは反対に1〜2色ほどのシンプルな色使いもあえて良いと思う。
個性の強い大胆な柄は、一見使いにくそうでもあるけれど、思いがけなくいい仕上がりになると予想する。私の好きなドットにストライプが混ざったこの生地は、縦と横で使い分けても良い。
袋(巾着バッグ)へと変身!
なかなか良いんじゃない?!と自画自賛。
納品用に付けている巾着は簡単な作りではあるが、カゴバックのインナーバッグとしても使っていただきたい。
イタリアの素材、アフリカとオランダ、そしてそれを日本人の私がカタチにして、日本や他の国に住む方々の元へ送り出す。
想像するだけでも、ワクワクする。こうして私のモノ作りはずっとずっと続けていける。
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