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ATC Journal

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龍谷大学社会学部・椿原ゼミによる読書案内とエッセイ。
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#黒人

無意識のバイアス―人はなぜ人種差別をするのか― ジェニファー・エバーハート

私たちは無意識に人を見た目で判断する。皆さんはバイアスという言葉を聞いたことがあるだろうか。それは、物事を判断する際に偏見や先入観が先立ってしまうことである。この本は筆者が実際にアメリカで経験したことや調査データをもとに差別とバイアスの関係性を書いた本である。全10章で構成されている。本文では興味深いと思った章を厳選して紹介していきたい。尚、本文中に「黒人」という表現を用いるが差別的意味合いではなく、「白人」と「黒人」の二項対立を深めるために用いるので悪しからず。 初めに興味

アメリカ黒人史ー奴隷制からBLM運動までー

【紹介文献】アメリカ黒人史ー奴隷制からBLM運動までー ジェームズ・Mバーダマン 著 / 森本豊富 訳 黒人が奴隷として歴史に登場するようになったのは約400年前に遡る。その黒人史を扱ったのがこの一冊であり、ヨーロッパの植民地に奴隷として導入されるようになった初期の事柄から、近年のBLM運動(Black Lives Matter)以降の内容まで扱っている。また、黒人が「ジム・クロウ法」によってせべつされるようになった経緯が簡潔に記されており、アメリカ合衆国の黒人事情を初めて