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ガザの若きアーティストの作品を買ってみた。

現在、パレスチナのガザ地区Rimalに住んでいるアーティストDiya君こと、Diaa al-Din Madiの作品を購入した。

支払いは暗号通貨のUSDT。現地でキャッシュに替えてくれる人がいて無事に受け取ったようだ。作品は、いつか戦況が落ち着いたら取りに行くので、それまで預かってもらう約束だ。

10月7日、ハマスによる攻撃が始まった。

妻のおかげで、エジプトのJICAやNGO関係者、それも教育やアート系の方々とたくさんお会いできた。そこから広がり、オンラインでヨルダンとも繋がせてもらう。

話題は『アート×国際協力』だ。

そんな中、ヨルダンで活動するNPO『 国境なき子どもたち』の松永晴子さんから、ガザに住んでいる若きアーティストDiya君について教えてもらった。
ガザ地区Rimalに住む、パレスチナ人のまだ20歳の若者だ。(現在は南部へ避難中)

事前に見せてもらっていたDiya君の作品

Diya君のFacebookにはメッセージがこう書かれている。

مرحبا
أنا ضياء الدين ماضي
فنان تشكيلي من غزة ، عمري 20 سنه ، أسكن في حي الرمال أدرس هندسه ديكور داخلي في قسم الهندسه المعماريه والفنون بالكليه الجامعيه للعلوم التطبيقية هذه السنه سوف أكون خريج إذا بقيت على قيد الحياة بسبب القصف المستمر على قطاع غزة الذي يستهدف المدنيين وهذه اخر سنه لي في الجامعه خرجنا من بيتنا بسبب القصف وتهديد بيوت المنطقة و جيران بالقصف وتدمير منازلهم الآن غزة تعاني معاناة قاسيه جدآ وكارثة انسانيه لم نشهد مثل هذه المعاناة من قبل ، يتم قصف مناطق كامله وتدميرها فوق رؤوس ساكنيها دون سابق إنذار وارتكاب المجازر في المدنيين الأبرياء ،لا يوجد كهرباء ولا وقود ولا مياه ولا دواء بالمعنى الحرفي مقومات الحياة استنزفت ويتم قصف المنازل دون سابق إنذار وقتل من بها من المدنيين خسرت أناس لي منهم فنانه تشكيليه صديقه مقربه واخت لي عمرها 20 سنه تدرس في جامعه الاقصى اسمها أسماء كان عيد مولدها قبل شهور وتحب الرسم وتشارك في معارض فنيه وتعرض أعمالها الفنية في معارض محليه وقبل أيام تم قصف منزلهم ليلاً دون تحذيرهم واستشهدت هيا وعائلتها وأعمالها الفنيه جميعاً ، بالمعنى الحرفي العائلات المدنيه تمسح من السجل المدني جراء قصف المدنيين الأبرياء ، ويتم قصف سيارات الإسعاف التي تنقل المصابين والشهداء ومدارس الاونروا التي تأوي الآلاف من العائلات والأطفال والنساء ، يوجد عائلات مشرده في مدراس الأونروا تجاوز عددها أكثر من 300 ألف مدني في مدارس الأونروا ،ومنها من لم يتمكن من الحصول على مكان بسبب الآلاف العائلات النازحين من بيوتهم جراء القصف تم استهداف وقتل اكثر من 900 طفل جراء القصف على المدنين تحدثت مع اصدقائي في دول الأوروبية ووصفت لهم ما يحصل في قطاع غزة اعربو عن اسفهم لما يحصل في غزة والآن هم يوصلون رساله لمسؤولين في دول الأوروبية للوقوف ودعم الفلسطينين ومنهم أصدقائي اليابانين عبروا عن استيائهم للقصف العنيف الذي يستهدف المدنيين والأطفال حتى عند خروجهم من بيوتهم. وارسلو لي تظاهرات التي تحصل في طوكيو والوقفات التي تدين جرائم الاحتلال في غزة ولمنع الحصار نشكر وقوفهم الدائم بجانبنا ونشكر الدول التي تعمل على ذلك نحن الآن لا يوجد أمان لدينا في أي وقت وزمان يمكن أن يتم استهداف أي مدني بريئ في قطاع غزة نحن الآن على قيد الحياة لكن بعد لحظات أو غداً لا نعرف إذا بقينا أحياء لأننا الآن نعتبر في عداد الشهداء لذلك أتمنى أن تسامحوني.
ضياء الدين ماضي
17/10/2023

わたしは20歳。ビジュアルアーティストで、ガザのAl Rimalに住んでいます。
大学の建築・芸術学部で勉強をしています。今現在続いている市民を狙ったガザへの爆撃が続く中、もし生き延びられることができたなら、今年、大学を卒業します。この1年は大学生活最後の年です。

家と、近所の家々への爆撃、その爆撃の恐怖から逃れるため、家を離れました。今、ガザはひどく、ひどく傷んでいます。すべての地域は爆撃を受け、家屋の頭上を警告なしに飛び交うミサイルのために建物は崩れ、罪のない市民は虐殺されています。

電気がありません。燃料も水も医薬品も、文字通りまったくありません。生活に必要なものは使い果たされました。予告なしに家は爆撃を受け、市民は殺されます。

私はアーティストの仲の良い友人を亡くしました。アスマという20歳のAl-Aqsa大学で絵画を勉強していました。数ヶ月前に20歳になったばかりでした。彼女は、絵を描くことを愛し、絵を描き続けていました。彼女の絵は地元での展覧会で展示されていました。数日前の夜、予告なく家は爆撃を受け、彼女の家族と彼女の絵はともに、犠牲となりました。罪のない市民への爆撃の結果、文字通り、この家族は市民登録から消されたのです。

犠牲となった人々、傷ついた人々を運ぶ救急車両は爆撃されます。何千人もの市民のシェルターとなり、家族、子どもたちや女性のいるUNRWA(UNパレスティナ難民救済機関)の学校も爆撃されています。UNRWAの学校にいるのは逃げ場を失った人々です。爆撃により自分達の家を置いて逃げなくてはならず、行き場のない人々を含む、30万を超える市民がUNRWAの学校にはいます。

900人以上のこどもたちが爆撃の犠牲になって亡くなっています、

ガザで何が起こっているのか、をわたしは、ヨーロッパの国々の友人たちに話しました。

そして、ガザで起きていることへの悲しみについて、自分達の家を残してきた子どもたちや市民を暴力的に爆撃することへ不満を表す日本の友人たちについても。

彼らは今、パレスティナの側に立つよう、ヨーロッパの国々の政府機関にメッセージを伝えています。

東京で行われている、ガザの占領を非難する抗議運動をする人々の様子が送られてきています。

ガザでの包囲を止めるために、私たちの側に立って働きかけてくれている国々と人々に感謝しています。

わたしたちにはまったく、安全はありません。いつ何時も、どこにいても、罪のない市民であっても、ガザにいる限り標的にされうるのです。

今はまだ、わたしたちは生きています。けれども、わたしたちは犠牲になるものだとされているから、次の瞬間に、もしくは明日、わたしたちがまだ生きているのかわかりません。

2023年10月17日

正直、このメッセージを読んで、何を思えば良いのか?何をすれば良いのか?

10月21日、そう思ったが『国際協力×アート』で何かできないかと思い、松永さんにお願いして彼とメッセンジャーを繋いでもらった。

正直いうと、事前に見せてもらっていた絵もあまり魅力的だと思わなかった。まだまだ荒削りな、正直、まだまだ画家見習い。

メッセンジャーで、お互い自己紹介をやり取りを始めた。。。。しかし、彼にとっては貴重なネット回線、携帯の充電。そして、大切な彼の時間。。。。

やり取りしていて、だんだん怖くなってきた。

一体、自分に何ができるんだろうか?

彼の絵を見て、私は何ができるのか?

彼と私が知り合って、何の意味があるんだろうか?

何もできないんじゃないのか?

やりとりしていて、返信が止まると怖くなる。。。。もしかしたら、あちらで何かあったんじゃないか。。。

そんなやりとりしていてると、こんな作品も見せらった。

『Trying to Achieve a dream』Diaa al-Din Madi作

赤い背景に、羽の生えたサボテン。
そして、傍には置いてかれたスーツケース。

作者のDiya君曰く、海外に不法移民して未来を切り開こうとする大勢のパレスチナの若者たちがれて死に、バッグはその場に置かれたままになっているようだ。

後を追う者たちが求めて死ぬのを待っている。

タイトルは『Trying to Achieve a dream』。
つまり『夢の実現に向けて』。

正直、魅力的だと思った。とっさに、買いたいとお願いする。
考えようによっちゃあ、ノリと勢い。

でも本当に、この作品が好きだったのだ。

作品購入の値段は、$1500。完全に彼の言い値。

最初は彼から「$500くらい??」とメッセージが来て、私が「あなたが自分で決めて。。。」を3回くらい繰り返して決まった。

そして、作品の保管代として+$500。保管料は、実際に私がガザに行った際に支払う予定だ。

それまでは燃やさず、守り抜け!
と約束した。

実はあまり高額で買い取ると、調子に乗ってしまい彼のためにならない、という意見もあった。確かに、理解できる。

とはいえ、本人がテンション上がる額で買い取って、元気出して生き延びなきゃ、意味ないじゃないかと思っている。

Diya君近影。ガザ南部のラファ交差点に通じるサラ・アル・ディン通りというところらしい。

さて、そこからが大変だった。

買うといったはいいが、どうやってお金を払っていいのかわからない。
毎日、二人でチャット。

どうお金を振り込めばいいかを二人で調べる。Western Unionで行けるんじゃないかとの情報を得るが、銀行自体が動いていないらしい。

支援も封鎖されて、インフラも止まっているガザ。

お金に意味があるのかと不思議に思ってたら、逆らしい。Diya君曰く、お金がないと生き抜くことができないようだ。水や食料は手に入りにくいが、お金がなければ話にならない。そんな状況。

私も日中は仕事。すぐさま、返信できない時間も多い。ところが、Diya君からは毎日かなりの量の連絡が来る。

返信するだけで、いっぱいいっぱい。

しかし、彼の積極性とコミュニケーション能力は、アーティストとして大勢する能力につながるかもしれない。

何よりも、彼にとっては生死に関わることなのだ。

色々調べていくと、暗号通貨ティザーUSDTで送金すれば現地でキャッシュに交換する人(業者?)がいるという。

久々に暗号通貨のウォレットを開いたので、身分証明の提出や手続きが必要で時間がかかった。

彼とやりとりを始めて5日後。
無事、送金完了。

しかし彼が無事お金を受け取った夜、彼のいた場所が爆撃される。

死に損なったと連絡が来た。
ネットが遮断されていたらしく、送金してから丸一日以上経っていた。

しかし、彼は手に入れたお金で、周りの女性や子どもに水や食料を渡すことができたらしい。

実際、私は芸術の可能性を通して人々を助けることになるとは想像していなかった。
あなたを通して買った水をどれだけの人が飲んだと思いますか?この笑顔は一生忘れない。(DeepLで直訳)

まだ、ガザの状況は絶望的だ。
彼から、まだ連絡は来ている。

まだちゃんと生きているのだ。
どうしていけば良いのだろうか?

アートには力があると信じたい。
彼からもらったメッセージ「実際、私は芸術の可能性を通して人々を助けることになるとは想像していなかった。あなたを通して買った水をどれだけの人が飲んだと思いますか?この笑顔は一生忘れない。」という言葉に、ほんの小さな可能性を感じている。

とりあえず、いつかガザに作品を取りに行った際はアニメーションのワークショップをやることは約束した。

つづく


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