スイカ美術展 パレスチナ・ガザの生成AIとNFT
『国際協力とアート・デザイン展』で展示していたガザのアーティストDiaa君の作品と、AIを使って作った作品が、京都のHRD Fine Artで行われている『スイカ美術展』に展示されることになりました。
『スイカ美術展』という可愛い名前の展覧会ですが、パレスチナの国旗カラーをコンセプトに、パレスチナ・ガザへの人道支援チャリティを目的とした展覧会です。
ことの始まりは、2023年10月にパレスチナ・ガザで紛争が起きたことだった。オンラインで知り合ったガザ在住のDiaa君。彼の絵画を暗号通貨で購入したことだった。
詳しくはこちら『ガザの若きアーティストの作品を買ってみた。』
絵を買うことが寄付につながる。そんな仕組みを作ってみたかった。しかし、空爆の中で逃げ惑うDiaa君とのやりとりも長期になっていく。
継続的な支援を求めるDiaa君。つまり、お金の無心。
支援をしたくても、私にも限界がある。
思わず、Diaa君とのやり取りから目を背けたくなる。
そこで思ったのが、『魚を与えるのではなく釣り方を教えよ』
Diaa君に、NFTで自分の作品を売ることを教えてみることにした。
NFT(Non-Fungible Token)とは、日本語で「非代替性トークン」と訳されるデジタル資産。ブロックチェーン上に発行された唯一無二のデジタルデータ。ガザの戦火の中から、作品を売ったらまさに唯一無二!?
とはいえ、Diaa君もかろうじてスマホはできているものの、戦火の中。リアルだろうが、デジタルであろうが作品を描いている余裕はない。
そこで、生成AI(人工知能)に元画像を読み込ませて、一瞬で多数の似た画像を生成してみることにした。AIとはいえ、元画像の権利はDiaa君ものも。
生成したAIは偶然性で構築されたとはいえ、なかなか皮肉なものも現れた。羽の生えたサボテンだった絵は、まるで平和の象徴の鳩のように変換されたり、まるで札束が降ってきたような絵まで現れた。
(AIは何でも知っているのかもしれない。。。)
そんな感じで、AIで生成した多数の画像からDiaa君に選んでもらう。そして、暗号通貨のウォレットを作ってもらい(これが結構面倒。。。)、自分で宣伝して、自分で売る。それこそが、アーティストだ。
とはいえ、全然売れない。。。(こちらがNFTの販売サイトOpenSea)
NHKやドイツのメディアにも結構出ていると言っていたDiaa君。アートを売るとなると、一筋縄では行かない。その上、NFTブームも過ぎ去って、Web3がイマイチ浸透していないのは否めない。。。
そこで、我々ソーシャルコンパスが開催した『国際協力とアートデザイン展』に展示することにした。原画はもちろん、まだガザの中。そして、AIで生成したものも、もちろんデジタルデータしかない。そこで、デジタルプリント。原画の絵1枚とAI作品9枚。
その展示を知ってくれた元JICA協力隊でヨルダンの隊員だった平木美奈子さんが、『スイカ美術展』について教えてくださり、展示までご尽力してくださった。
正直、ガザのDiaa君について書いたnoteや活動の反応は冷ややかだった…気がする。ガザに関しては、アンタッチャブル。
中東情勢もわからない奴が、何やってるんだよ。。。そんな声さえ聞こえてくるように感じてしまった。
アートで国際協力。。。綺麗ことで、偽善的。ぶっちゃけ、サブい。
そんなことは、なんとなく分かっている。
とはいえ、Diaa君の作品を通じた輪は、ちょっとずつだけど広がってきている気がする。
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