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ボーダレスジャパン田口一成さん著 『9割の社会問題はビジネスで解決できる』を読んでみた
ボーダレスジャパン代表の田口一成さんの著書『9割の社会問題はビジネスで解決できる』を読んだ。
本書では、『ソーシャルビジネス』と普通のビジネスの違い、そしてボーダレスジャパンの仕組みの詳細が説明されている。社会起業家育成、ビジネス創出・サポート・独り立ち、そして給与の価格設定(最低)、資本構成、企業文化、等々。まさに『ソーシャルビジネス』の教科書だ。
どれも、既存の資本主義の仕組みをハックしたような斬新なアイデア。特に『恩送り』の仕組みは、お金の概念をひっくり返して、これからの生きる価値の再定義しているのではないか。
『ソーシャルビジネス』という言葉を知ったのは、カンボジアに住み出して3年ほど経った時だった。ネットで見つけたボーダーレスジャパンの田口さんの記事にとても興味を惹かれたのだ。1980年生まれの同い年。
社会貢献をしながら、収益性も求める。
そんなことができるのだろうか?
やはり根はビジネスマンで、社会貢献はブランディングじゃないのか?
それとも本気で社会貢献を考えて、ビジネスを通して世界を変えようとしているのだろうか?
すでに業界からも注目されている田口さんと実際に会ってみたくなった。直接会えば、『ソーシャルビジネス』の本質がわかるような気がしたのだ。
2016年4月。日本へ一時帰国した際に、何のゆかりもない福岡へ向かった。
唯一の知り合いは、前職時代からお世話になっている井上和久さんだけだ。
井上さんは『ブロックチェーン×エンターテインメント』に特化したコンテンツを制作・配信する会社グッドラックスリーの代表。今年に入ってNFTアートとか、Dappとか盛り上がっているが、2016年当時から目をつけていたやり手な経営者だ。同じ1980年生まれだが、めちゃくちゃ尊敬する友人のひとり。
そんな井上さんといっしょに、ボーダレスジャパンのオフィスにお邪魔させて貰った。
井上さんと田口さんは同じ福岡の1980年生まれの経営者ということで、元々お知り合い。そんな縁で、私も無理矢理紹介して貰った形だ。
田口さんの私への最初の一言は
「僕は正直、忙しくて友だち以外とは会わないようにしている。」
忙しい中に申し訳ないなと思ったのだが、つづけて
「だから、友人になろう。友だちだから、ヒデくんと呼ぶよ。だから僕のことをたぐっちゃんと呼んでくれ。」
もう、いきなり心を掴む一言だ。正直、この一言で完全にファンになってしまった。
そのあとも忙しい中、オフィスを案内して色々説明してくれた。
細かい話だが商品発送用の封筒も、環境に配慮してわざわざコストをかけてでもゴミが出ないものに代えていた。そして地域の障害者の方々も積極的に雇用して、彼らの働きやすい仕組みにとても気を使っていた。その当時のオフィスは、駅からも遠く不便な場所にあったのだが、車を使った通勤を排気ガスを考えて禁止する。社長自ら、自転車通勤。
本当に些細なところまで、社会のことを考えて気を使っていたのが印象的だった。
より詳しい活動は著書を読んで頂ければわかるが、ボーダレスジャパンは本物の『ソーシャルビジネス』をやっていた。
つまり、たぐっちゃんは、本気で社会貢献を考えていて、ビジネスを通して世界を変えようとしている人だったのだ。
その後、私は『社会貢献×アート・デザイン』をコンセプトにソーシャルコンパスを立ち上げた。正直、たぐっちゃんからの影響は多大に受けている。
しかしながら、今回著作を読んで感じたことは、ビジネスにおいてまだまだ遠く及ばないということだ。特にソーシャルコンセプトのシビアな構築の仕方は、耳が痛いところも多買った。ソーシャルコンパスも、再度ボーダレスジャパンから学び取って、色々パクっていけたらと思う。
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