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生き方に迷う人に本当に読んでほしい本

住野よるによる「腹を割ったら血が出るだけさ」という小説を読み終わって本当に私に刺さったのでこの本の感想をただ書き連ねていこうと思う。
ネタバレを含むので興味が湧いたら↓すぐ買って読んでほしい。

この本の感想は読後の感情が一番物語を表せると思うので深夜読んで寝ずに書いたBookmeterから引っ張ってきた感想をそのまま載せようと思う。

私はこの本を読み終わってから寝ずにこの感想を書いているし、他の人の感想も一切見ていない。自分がこの本を読んで素直に感じた思いを大切にしたいと思ったからだ。
登場人物(あえて登場人物とする)茜は、小説「少女のマーチ」の中の少女に自分を投影している。皮肉にも私も茜に自分を投影してしまった。
彼女は何をするにも「愛されたい」という気持ちから外面を「愛されやすい膜」で覆って生活している自分を嫌っていた。これは私以外の人もそうなのかは神のみぞ知るが(程度の差はあれ全人類が持っていると信じたい、少なくともこの小説を書いた住野よる先生はこの気持ちをわかってくれるだろうということを知れて私はうれしかった)私は小説内の彼女ほどではないが常に「周りから見える自分」を意識して「自分の理想とする自分」を演出している。
目上の人に対しては「気安く少し無礼ではあるが親しみやすい後輩」を演じているし、高校のときの自分は「他人の目を気にしない性格」を演じていた(これは私が他人の目を気にしない自分を理想としていたからである実際にしているのは最も他人の目を気にした行動であるのは最も辛いところだ)。
こういった「素顔の自分」で常にいられない、外面の膜を介してでしかコミュニケーションができない自分が本当に嫌いだった。だから茜が全く私に思えたのだ(「愛されたい」と「理想の自分」の差はあれ)。
だから本書の半分くらいのページを捲ったあたりまでの茜の心の模様を子細詳らかに書かれている箇所は本当に読むのが辛かった。自分のことを暴かれたような気がしたからだ。
茜が自殺しようとするところなんかは茜の気持ちが痛いほどわかって泣いて読んでいた。(腹を殴るシーンは脳裏に映像が浮かぶほどである)
終わり方は非常に納得行くものだった。「外の膜」も「素顔の自分」も同じ自分であって痛みを分け合って生きていくしかないんだ。というのは私の「理想の自分を演じる自分」と「素顔の自分」もどっちも自分の一部なんだという一つの解が得られたし、単純にストーリーとしても好みの終わり方だった(月並みな表現になってしまって不服だが、ハッピーエンドとバッドエンドの中間が好きだ)。
樹里亜の物語も面白かった。アイドルマスターシャイニーカラーズの緋田美琴に少し似ていて(性格も境遇も)そこも少し重ねて読んでしまった。
茜、樹里亜、竜彬の物語がうまく交差してまとまっていたのはストーリーとして面白く、これが青春群像劇なんだ。ということを本当に感じた。
住野よる先生は本当に心の機敏や矛盾する気持ちなどの表現するのが難しい感情の動きをストーリーに載せて描写するのがうまいとキミスイから追い続けて思う。
総評としてはこの小説はかなり私の心の奥底に刺さったので、この小説に出会えたことに本当に感謝している。
かなりの駄文で長文になってしまったが、ここまで読んでくれてありがとう。少しでも共感してくれた人がいたら嬉しく思う。

他の人の感想を読んでみると年齢層が高くなっていくにつれあまり茜に感情移入できなかった人が多いようだ。
10代特有の感情の動きを描写してるのだから年齢によってかなり評価が分かれる小説だと思う。私はまだ若者のうちに入る年齢だから刺さったのだろうと思う。10年後、再読してみてどう評価が変わるか楽しみだ。


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