入社4日目で退職。episode5
22歳 春
2年間必死に勉強し
バイトに明け暮れた製菓学校生活も終わり。
前回の記事はこちらから↓
卒業の日。
恩師のM先生の泣きながらのお言葉は今も忘れられない。
『道具のせいにするな。
環境のせいにするな。
オーブンのせいにするな。
自分を信じて前へ前へ!』
それから。
結局、学校の卒業までお世話になったケーキバイキングのお店。
お世話になった料理長からも頂いたお言葉がある。
『お菓子でお届けしたいものは何ですか?常に考えて進んでね。』
今でも立ち止まった時、迷いそうになった時。
私の背中を押してくれるお言葉です。
それから
就職
一度、講師で学校に教えに来てくれたシェフがいて。
その時話されたお話にひどく感動しそのシェフのお店、ガッチガチのケーキ店で働くことになった。
学校も、恩師の先生も喜んでくれていた。
今は焼き菓子屋そぼくな。というめちゃくちゃニッチな菓子屋をしているけれど、その当時は【ケーキ屋さん】で働く事が私の夢だった。ただただケーキと言うものが好きで。憧れのシェフの元で働けるなんて!と生まれ育った大阪を離れ初めての一人暮らしに心踊らされた春。
お給料は月16万。ケーキ屋さん新卒ではめちゃくちゃいい方で。ここから学費の6万を引いて家賃の6万を引く、、ギリギリやけれど生きていける!頑張ろう!!と即決で入社しました。
引っ越しした次の日から働いた。
朝5時から24時過ぎまで。
ブラックと言われるのかもしれないけれど、
【働く】という事自体は好きだったしバイトと学校の掛け持ちで体力もあったので苦ではなく。
なんせ好きなことを仕事にできた訳で嬉しい方が勝っていた。
先輩方も同じ時間で働いていた。先輩はとてもとても優しかった。
けれど、、、
何故かシェフは毎日お昼ごろに出勤し先輩に文句の嵐。
そして長時間労働でやっぱり寝坊しちゃう先輩や寝不足でミスをしてしまう先輩がいた。
絶対に悪気はない。
なのに、仕事終わりの夜中から毎日始まる
シェフの先輩方に対する攻め。言葉の暴力。それをみんなで聞かされる。連体責任だから。とかなんとか。。
そして、衝撃だったのは
朝早くに来て作ったケーキ達。
やっぱり、閉店までにきれいさっぱりには無くなることはなくって。
10数個、時間と心を込めて出来たケーキたちがゴミ箱に無表情で作業の一つとしてパティシエ達に捨てられていく。。(持ち帰りは出来ない)
寝る時間を削って誰かの笑顔を浮かべながら
ケーキをたくさん焼き、並べる。
なぜか馬頭されながら。
そして余ったらそのケーキたちは容赦なく捨てられる。
、、、。
シェフ。。
講師に来てくれた時と全然違うやん!!
言ってることとやってること!
と、半分裏切られたような気持ちになったことは事実。
でも。それよりも。
ただただ素直に
『なんか違う。』
『何のためにこの時間がある?』
『この在り方、誰得?シェフ?お客さん?』
『ケーキはモノなのか?』
『ケーキってなんだ?』
『何のために焼くんだ?』
『店って何なんだ????』
『従業員はモノか?』
たくさんの疑問が私の中に溢れた。
今思えば経営者の視点もあるから心や感情だけではなく『売り物』としてある程度『モノ』として売っていくことは確かに絶対いる視点で。
それでも。
今も昔も変わらず菓子に対しての考えが私にはあった。
『菓子はその関わる人、すべてが幸せになる為にあるものだ』
これは
作り手も。
買い手も。
食べ手も。
そして素材たちも。
作り出された菓子達の人生(菓子生?)も。
この働き方だと全てが幸せになれない仕組み。
WINとLOSEがめちゃくちゃはっきりしている。
ぺぇぺぇの新卒者がお給料を頂けることは有難いけれど
でもだからって。
違うな!と思ったことは違う!
22歳の新卒の経営もしたことない甘甘の若者がめちゃくちゃ
めちゃくちゃ、めちゃくちゃ!!偉そうなことはもちろん承知です。
生意気すぎです。
それでも。
その当時、怖いもの知らずの私は
シェフに偉そうに仕事終わり。
震えながらそのまま考えを伝えました。
シェフに考えを伝えた後、『お前は甘い。修行時代はなんでも言う事聞くべきだ。』と数時間ほど説教され。
なぜか若かりし頃のシェフの作品を見させられ自慢され『お前にはパティシェは無理だ』と馬頭され、終わりました。
入社4日目で退職しました。
もちろん、甘々な部分もあると思います。
がむしゃらに働いてつかみ取る、栄光もあると思います。
けれど
大切にしている考えが
店と
働く個人が
違っていて。
歩みよる気もなければ去るべきだ。
お互い辛いだけだ。
と
早々に辞めちゃいました。
完全に黒歴史です。
甘々です。
全然知らない土地に引っ越ししてきたのに仕事も辞めちゃって。
でも家賃も学費の借金も払い続けなきゃいけないのです。
働かなきゃいけないのに
感情ですべて辞めちゃった甘々な22歳です。
でも。
それでも。
菓子と菓子屋に対しての想い。
『菓子はその関わる人(素材)、すべてが幸せになる為にあるものだ』
という考えが
生意気にも譲れなくってその場所(違う考え)に
染まることがどうしても出来なかった、22歳の春。
当たり前なんよ。
その店のオーナーがお金を出して責任を取り、作った店で働くんやからそのオーナーの意思で雇われが動くことは正しいことなんやと思う。
でも、それが出来ないから去った。
学校だけ卒業し、
ケーキ屋で就職も出来たのに。
何もかも、自分で手放し。
これから何もない!!
あるのは想いだけ。
残ったのは借金だけのヤバい女22歳。
今日はここまで!
今日も私の腹立つくらいアホアホ甘々な記事を最後まで読んでくれてありがとう!(T-T)
世の中にはこんなにどーしようもなく、甘々で
道端にある壁に
イノシシのようにそのまま体当たりしてく変な奴もいる事。
それでもなんか、ブレずに生きちゃっている事(笑)
誰かの希望に少しでもなって頂けたらなぁ。なんて思ったりします(ならんか^^;)
そして、まだ、、まーだ続くよ!イノシシのような出来事が。
それでも。
自分の中で確立されたロジックで。
お菓子を焼き届けることはできるんよ。
もちろん、この先出会った人たちや、お客さんのおかげであるのは確かやけれども!
もう少し
このアホアホな
#焼き菓子屋そぼくな 。の足跡にお付き合いくださいませ^^;
本当に読んでくれてありがとう!!
焼き菓子屋 そぼくな。
ゆ季