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『反応しない練習』

家庭医ギータです。

今回は仏教ネタです。
といっても、仏教の考え方をベースに書かれ、ベストセラーとなっている書籍を取り上げるだけです。

中田敦彦さんのYoutube大学でも取り上げていました。

中田さんの番組は分かりやすくてついつい観てしまいますね。
読んでからコチラを観ると、プチ読書会をした気分になっておトクです。

1) 著者はどんな人か❓

社会活動に関わるお坊さんが書いています。以下、略歴です。

草薙/龍瞬
僧侶、興道の里代表。1969年、奈良県生まれ。中学中退後、16歳で家出・上京。放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。政策シンクタンクなどで働きながら「生き方」を探究しつづけ、インド仏教指導僧・佐々井秀嶺師のもとで得度出家。ミャンマー国立仏教大学、タイの僧院に留学。現在、インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしている

著者が師事した佐々井秀嶺師は仏教界では超有名な、すごいお方です。

2) どんなポイントが響いたか

40歳にもなって……という言い方はあまりよくありませんが、
特に疲れていると、ギータは周囲に過敏に反応します。

「え? これって私、責められてるの?」
「あれ? もしかしてこの人、怒ってる?」
「やべ! またトンチンカンなことを言ってしまったか?」

まれに当たっていることもありますが、
ほとんど全て、ギータの思い込みのはずです。
(相手に確認できないので、本当のこともあるかもですが…)

以下、本書の目次です。

第1章 反応する前に「まず、理解する」
第2章 良し悪しを「判断」しない
第3章 マイナスの感情で「損しない」
第4章 他人の目から「自由になる」
第5章 「正しく」競争する
最終章 考える「基準」を持つ

胡散臭いと思った方もいるかもしれません。しかし、中身は真っ当なエクササイズ本です。認知行動療法に似た、具体的な手法が書かれています。

冒頭のメッセージは「反応せずに、まず理解する」です。これが悩みを解決する秘訣だと言います。

その際に「心の状態をみる」ことでムダな反応をしなくなります。

では、どのようにして心の状態をみるのか。具体的には3つの方法です。

①ココロの状態を言葉で確認する
②カラダの感覚を意識する
③アタマの中を分類する

すぐに身につけることはできませんが、実際やってみるとなかなか有効です。

ギータのイメージはこんな感じです。

周囲からなんらかのアクションがこちらにきます。
これまでは生身で受け止めていた衝撃
(「またディスられた❗」とか「怒らせてしまった❗」という勘違い、妄想)を

衝立(ついたて)を相手と自分の間に挟み込んで、
ショックを吸収して受け止める感覚。
衝立があるため、ショックは少しやわらぎ、
かつ、冷静に、事実を認識することができる。

ギータ的によくあるのは、SNSなどで、仕事やプライベートの内容を職場の同僚とやり取りするときに、興に乗って投稿した文章がだれからも反応を得られず落ち込む、ということがよくあります(生きるって大変ですね…)。

そもそも投稿しなければいいのですが、そうして心にさざ波が立ったから投稿したようなちょっとした挑戦がないと、人生は味気ないものです。

ここで、「反応せずに理解する」です。

「レスポンスがないのは、自分が嫌われているわけではなく、ただ皆いそがしくて反応がなかっただけだろう。もっと言うと、疲れているから、ネガティブに考えてしまうだけなので、早く寝よう」

と切り替えられるわけです(実際、顰蹙を買っている可能性は残ります)。

3) 自由な心を取り戻す3つのエクササイズ

さて、さらに一歩進んで、どんな時も自分(相手)を否定しないためのエクササイズが紹介されています。

① 一歩、一歩と外を歩く
② 広い世界を見渡す
③ 「わたしはわたしを肯定する」

上記を実践するための具体的な説明が書かれていて、すぐにできそうなことばかりでした。ぜひ本を読んでみてください。

もう一点だけ、こちらの文章は自分的に最も響きました。

「日頃、ネガティブな判断が心に湧いてきたら、そこで「ゲームオーバー」だと考えましょう。その先に待っているのは、自己否定という暗い妄想です。……(中略)……いさぎよく「感覚」の世界へ、心の別の領域へ、意識を向け換えようと考えるのです。そして、外にでるのです」(p79)

ネガティブな判断が心に湧いたら「ゲームオーバー」はいいですね。
これは明日から使えそうです。

4) まとめ

いつも思うことですが、「心の持ちよう」を指南してくれるこうした書籍は、すでに無意識でできている人には全くピンとこないのだろうなと、周囲のメンタル・タフネス野郎たちをみているとつくづく思いますね。

ここでも判断が入っています。自分ができることをやるだけですね。

ギータの闘いはつづく。

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