在宅・緩和ケア医タギー@沖縄本島中部地区

仏教雑誌の記者を経て、いまは沖縄で家庭医・総合診療医をしています。中部地区のプライマリ・ケアを一兵卒として支えます! 総合診療・家庭医療×在宅医療×緩和ケア 元・仏教系雑誌記者

在宅・緩和ケア医タギー@沖縄本島中部地区

仏教雑誌の記者を経て、いまは沖縄で家庭医・総合診療医をしています。中部地区のプライマリ・ケアを一兵卒として支えます! 総合診療・家庭医療×在宅医療×緩和ケア 元・仏教系雑誌記者

最近の記事

母の命日に後ろめたい感情になるのはなぜか?

今日は母の命日です。 亡くなったのは2010年3月3日だったので、14年が経ちました。 最近では、在宅医療関連の発表の場で、「在宅医療に関わるモチベーション」の1つとして、母を在宅で看取ったことを挙げているのですが、本来は、「自宅で看取った!」と、ある意味では誇らしげに他人様に言うのは憚られるような、後ろめたい気持ちがあります。 今日はその後ろめたい気持ちに向き合ってみたいと思います。 北海道で二度目の学生生活を満喫していた29歳のギータ 遡ると、2009年10月から

    • がん緩和ケアにおける古典的な論文を読む

      家庭医ギータです。 連続記録が途絶えても、しれっと再開します。倒れても立ち上がるのみです。 1) 本日の論文今日はがん患者さんとのコミュニケーションでよく使われるコミュニケーション・スキルである“NURSE”を取り上げた論文を読みました。というのも、こちらの技法について、新しいチームメイトたちにお伝えするミッションをいただいたためです。 2) “NURSE”とは?“NURSE”とは患者さんの感情表出を促進する技法です。5つの言葉の頭文字を取っています N (Namin

      • 『在宅ひとり死のススメ』のレビュー欄がスゴいことに…

        家庭医ギータです。 今日はサラッと書籍紹介です。「タイトル+著者+新書」の合わせ技で即買いした本でした。 1) この本を読んだギータの立ち位置ギータの主戦場は目下、病棟です。そこで入院患者さんを診つつ、週1回、訪問診療もやっています。昨年は訪問診療が中心でした。これまでに、この本に取り上げられるような「認知症と診断された、独り暮らしの高齢者」もたくさん診てきました。 一方、入院患者さんの中にも、「今回の入院を機に自宅での独り暮らしが難しくなりました」と周囲に判断されて、

        • エンド・オブ・ライフ ケアにおいて倫理的に考慮すること(1)

          家庭医ギータです。 在宅専門医試験、あっという間の30分でした。無事に通過していることを祈るのみです。 1) 本日の論文今日はこちらの論文を読みました。 緩和ケアのセッティングでは、毎日、倫理的に悩ましい問題に直面します。明快な答えがない中で、関わる人ができるだけ納得できるように話し合う必要があります。 なかでも、急な経過で病状が悪化してしまい、本人は意思表示ができず、家族に意思決定支援を行うケースは悩ましいです。臨床倫理の原則について触れられているので、理解を深めた

          ヘルスケア「プロバイダー」の呼称問題

          家庭医ギータです。 連日投稿すると決めてから今日で14日目です。日を跨いでしまったり、質は限りなく低かったりするものの、とにかく続けています。 1) 連続投稿を始めてから起きた変化は?noteに毎日、投稿すると自分で決めてから1日の過ごし方が変化しました。 「今日は何を書こうかな」と考えながら、身に起こる出来事を知覚し、 「この出来事(学び)をどう表現するか?」と頭の中で考えるようになりました。これまで、日々の出来事を漠然と受け止めていたんだな〜、と気づきました。 2

          ヘルスケア「プロバイダー」の呼称問題

          『内定者への手紙ー「仕事が遅い人」とよばれないための、10のチェックリスト』

          家庭医ギータです。 最近、書店に行くと「○○歳までに○○をしろ!」というタイトルの書籍が並んでいるのをよく見かけます。「20代のうちに○○」とか「30代までに○○」が多く、40歳になった自分はターゲットから外されてしまいました。 今回の本もタイトル的にはターゲットから外れていますが、現在のチームのボスから教えてもらって即ポチって読みました(「タイムマネジメントに改善の余地あり」という文脈でしたが…)。 タイトル通り、北野さんが自社の内定者たちを想定して書いた仕事術の本で

          『内定者への手紙ー「仕事が遅い人」とよばれないための、10のチェックリスト』

          腸閉塞の患者さんにレントゲン・フォローは必要か?

          家庭医ギータです。 今日は「現場で感じた疑問をしらべてみたシリーズ」です(第1回目)。 1) 疑問の背景は?腸閉塞の入院患者さんに対してフォローアップのためのレントゲンをオーダーしたけれど、「それって必要かな?」とチームのボスに突っ込まれ、さらに文献のありかまで提示していただきました。共有します。 2) 参考文献は?参考にしたのはおなじみのUpToDate®で、主に以下のエントリーです。 UpToDate® ”Management of small bowel obst

          腸閉塞の患者さんにレントゲン・フォローは必要か?

          SNSのためのアイコンを作ってみました

          家庭医ギータです。 今日は自分の顔写真を元にアイコン作ったら思いの外、楽しかった、という話。アイコンそのままに、脱力系の話題です。 1) アイコンを作るまでの経緯ギータはある医療的ミッションを担うチームの一員です。チームのために粉骨砕身、働かねばなりません(こういうと嫌々に聞こえるかも知れませんが、チーム活動は大好きです)。 目下、組織の広報活動のためのプロジェクトに関わっています。 主にブログなどを使って、組織の活動をアピールし、さらに同志を集めようという試みです。

          SNSのためのアイコンを作ってみました

          在宅医療の要(かなめ)・訪問看護師さん

          家庭医ギータです。 今日は在宅医療の要(かなめ)となる訪問看護師さんのお話です。 ギータは現在、病院を主戦場としつつも、週1回で訪問診療に関わっています。昨年1年間は沖縄で訪問診療をメインとしていました(訪問診療の合間に食べる沖縄そばが最高でした)。 訪問診療中は、1日の大半を訪問看護師さんと行動します(医療機関によっては、事務の方が同行したり、医師1人で行くこともあります)。 患者さんの自宅や施設での診療はもちろん、その移動の車内など、長い時間をご一緒します。 い

          在宅医療の要(かなめ)・訪問看護師さん

          『反応しない練習』

          家庭医ギータです。 今回は仏教ネタです。 といっても、仏教の考え方をベースに書かれ、ベストセラーとなっている書籍を取り上げるだけです。 中田敦彦さんのYoutube大学でも取り上げていました。 中田さんの番組は分かりやすくてついつい観てしまいますね。 読んでからコチラを観ると、プチ読書会をした気分になっておトクです。 1) 著者はどんな人か❓社会活動に関わるお坊さんが書いています。以下、略歴です。 草薙/龍瞬 僧侶、興道の里代表。1969年、奈良県生まれ。中学中退後

          「訪問診療」と「往診」の違い

          家庭医ギータです。 今日は在宅医療の話題です。 1週間後に「在宅医療専門医」という資格を取るための筆記試験があります。このご時世なので、web開催です。 という訳で、資格と在宅の話題を取り上げてみます。 1) ギータ持っている資格は?私たち、医師は何らかの専門医を取得して学会などからお墨付きをもらった上で診療を行っています。 後期研修の同期だった、超優秀なY君は「俺には資格なんて必要ない」と言って実際、資格は何も持っていませんでしたが、超レアケースです (彼は実際、

          『1兆ドルコーチ』

          家庭医ギータです。今日も読書ネタです。 ある読書会でこちらを読みました。 自分の普段の選球眼では見送ってしまう本だったのですが とてもいい出会いとなりました。 文章が読みやすく、教訓的なエピソードも抵抗なく受け入れられます。 ギータが抽出したポイントは3つです。 1) 相手を大事にしていると感じさせることが重要マンガ編集者の佐渡島さんがyoutubeで感想を述べています。 相手に礼儀正しく接することが「丁寧なコミュニケーション」と勘違いしがちですが、「コミュニケーシ

          医師の服装は患者に影響を与えるか?

          家庭医ギータです。 今日は「医師の服装」についてです。 0) ギータの格好は?研修医の肩書きがとれ、 スタッフとして働きはじめてから ギータはYシャツにスラックス姿で診療しています。 というのも、前の職場のボスから 「訪問診療では患者さんのお宅にお邪魔するので  失礼のない格好をしましょうね」 と言われたことがきっかけでした。 真夏の沖縄でシャツにスラックス姿だと暑くて耐えられないだろうと 当初は気が滅入りましたが、すぐに慣れてしまいました。 今ではシャツ姿でない

          医師の服装は患者に影響を与えるか?

          【緩和ケア】悪性消化管閉塞(MBO)

          家庭医ギータです。 今日は緩和ケアの勉強です。 緩和ケアの外来を任されて感じたのは、 一般的なプライマリ・ケアの急患外来と 緩和ケア外来に通院中の患者さんが予約外で受診された場合とで 鑑別疾患が全く違う ということです(当たり前ですが……)。 例えば、 「おなかが痛い」 「頭が痛い」 「背中が痛い」 といって臨時受診した患者さんの場合です。 プライマリ・ケアの外来では まず重篤な疾患を見逃さないようにしつつも、 頻度の高い一般的な疾患であることがやはり多いです

          患者-医師関係をグッと縮める3つの小ネタ

          家庭医ギータです。虚空に向かって書き続けます。 今日は臨床のちょっとしたTips、とも言えない小ネタです。 「困っている患者さんと、いかに"よりよいコミュニケーション"をとるか」 をテーマに、毎日体調を整え、メンタルを鍛え、家族との生活も犠牲にして修業に励んでいるわけですが…… ちょっとした工夫で随分と患者さんとの距離を縮められることがあります。今日はそうしたテクニックのご紹介です。 0) 「コミュニケーションって難しい…」と思ったエピソード先日、訪問診療の場面で患者さ

          患者-医師関係をグッと縮める3つの小ネタ

          『米国緩和ケア医に学ぶ医療コミュニケーションの極意』

          家庭医ギータです。note3日目にしてようやく本業の「緩和ケア」ネタです。 緩和ケアに関わらず、患者さんとコミュニケーションをとる全ての医師にとっての必読書です。 ギータは毎日のようにこの本を開いています(毎日ではありません)。 1) なぜこの本を選んだのか?緩和ケアが中心の仕事に就いてから、すぐに気づくことがありました。 「緩和ケアを学ぶことを、コミュニケーションを学ぶこと」 ということです(当たり前かもしれません)。 緩和ケアと聞いてイメージするのは、 モルヒ

          『米国緩和ケア医に学ぶ医療コミュニケーションの極意』