初心忘るべからず
おしゃべりを止める
人がゾーンに入っている時に何が起こっているかというと、自分の内側でのおしゃべりが止まります。
思考が止まって、心の中が静かな感じがします。
しかし、思考を止めろと言われても、なかなできないもの。
詳しく見ていきましょう。
人間の内側は、絶えず妄想が湧いてくる
人間の内側では、絶えず、思考やイメージが、ポコポコと、湧いては消え、湧いては消え、しています。
「なんかお腹空いてきたな。今日の晩ごはん、何食べようかな」
「あ、そういえば隣の〇〇さんが、新しくできたトンカツ屋美味しいって言ってたな」
「〇〇さん、今日機嫌悪かったな。なんかあったのかな?」
「(機嫌悪いといえば)部長って、今日出張だったな」
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こんな感じで、私たちの内側では、いろんな思考やイメージが、勝手にポコポコ湧いてきてます。
私たちは、「自分が考えている」と思っていますが、思考は、勝手に湧いてくるのです。
それは、空に、自然と雲が湧いてくるように。
それを、雑念と呼んだり、心理学では自動思考と言ったり、禅では妄想と言ったりします。
内側ではなく、何かに集中してみる
この、頭の中の、勝手に湧き出てくるおしゃべりを止めるというのは、結構難しいものです。
え?簡単にできる?
では、今、思考を止めてみてください。
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1分も経たずに、なんか出てきませんでした?
結構むずかしいでしょ?
思考を止めるには、いい入り口があります。
何かに集中するのです。
初心は理想の集中状態
初心者は誰でも、メンタルは一流
例えば、あなたが子供の頃、
野球やサッカーなどのスポーツを始めた時。
ピアノを習い始めた時。
新しいゲームを始めた時。
社会人になって、新しい仕事をやり始めた時。
あなたは何をどうするのか、必死に理解しようとしてたのではないでしょうか?
先生や先輩が、教えてくれること、見せてくれる見本を、100%の全集中で、一生懸命覚えようとしていたのではないでしょうか?
100%の全集中で、必死になって覚えようとする、理解しようとしている時、頭の中でおしゃべりできません。
100%ですから。
茶道の稽古でも、初心者の方は、茶室への入り方、立ち方、歩き方、座り方、礼の仕方、お茶のいただき方、全てが初めてのことですので、とても集中されています。
そして「時間があっという間に過ぎていた」とか「頭がスッキリして気持ちいい」という体験を語られます。
残念なことに、初心は続かない
そう、初心者の時に、ゾーンに近い経験をしている人は多いのです。
しかし、何事も慣れてくると、また、頭の中のおしゃべりは始まってしまいます。
そんなに集中しなくても、こなせるようになってくるからです。
野球なんかだと、気になる子が見にきてたりして、そっちに意識がいってても、バットを振れちゃうんです。
「いいとこ見せたいな」とか思ってても、バット振れちゃうようになるのです。
ただし、気になる子に70%、ボールに30%の集中なので、パフォーマンス落ちちゃうんですよね。
100%ボールに集中してた方が、当然ながら、ヒットを打てる可能性上がります。
そして、100%何かに集中している時に、ゾーンの扉は開かれるのです。
初心者は開いている
初心者の時、私たちはそのことに対しての知識を持っていません。
茶道を始める時に、茶道の知識を既に持ってる人に、今のところ会ったことはありません。
もし、YouTubeですんごい勉強してきたというなら、もう初心者じゃないです。
初心者の時、人は教えられることが、正しいのか間違っているのか、好きか嫌いかなどの判断をしません。
知識や経験がないので、判断のしようがありません。
教えられたことを、なんの判断もせず、ただやってみる。
この、なんの判断も挟まないという状態もまた、思考が止まっている状態です。
私たちは、いつでも起きている出来事や物に対して、判断をしています。
「晴れている」→「気分がいいな」
「雨が降っている」→「気分が悪いな」
「大谷翔平がホームランを打った」→「同じ日本人として嬉しいな」
「大谷翔平がホームランを打った」→「それに比べて、俺なんか・・・」
「スマホが机の上にある」→「それは私のスマホだ」
それは、もう、自分でも気づかないうちに、一瞬にして判断がやってきます。
初心者は、そういう判断を挟みません。
初心者は、経験に対して完全に開かれている状態なのです。
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