杜 千尋

進行性難病の十年選手です。脚が効かず、眠られず、排便も大仕事の毎日に、自虐の度を深めています。今は〈崖っぷちの亡霊〉をアイドルネームとしています。いろいろ書きます。自分が介護されているのでそんなことも書いています。病のため、持続力がないので辛いところです。

杜 千尋

進行性難病の十年選手です。脚が効かず、眠られず、排便も大仕事の毎日に、自虐の度を深めています。今は〈崖っぷちの亡霊〉をアイドルネームとしています。いろいろ書きます。自分が介護されているのでそんなことも書いています。病のため、持続力がないので辛いところです。

最近の記事

『ローストチキン』を和風にアレンジして実食!|#実食してみた|#青ブラ文学部

    元気ィ? おもしろいコトがあったんで、ひっさしぶりのメールや。ローストチキン、ウチ大嫌いや。気色悪くて叶わん。赤ちゃんがおむつ取り替えるみたいな、カフカ『変身』の甲虫の腹の輪みたいで、やらしい。  鶏がまるで食べられへんのとは違う。カツかて、すき焼かて 、よぅ食べる。ローストチキンだけはあかん。こう見えてウチ、お食事も雰囲気ファーストや。ワインにケーキっていうイメージ、よぉ合わん。和風好みよって。 ちと、やばいかも。オトンの影響受けてるのかもわからへん。  一昨日もな

    • 『女の子だって、男子を食べたい時がある』ショートStory |

           正直に言います。わたしは、これまでに一度だけ、男の子を食べてみたい、と感じたことがあります。 いつの頃のことだったのか。あの頃はこんなことを考えると頭の芯が痛いくらい熱くなったのを憶えています。かき氷をロにしときみたいに。    中学を卒業してすぐの頃、桜の花が甘く匂っている時季でした。     ある男子か家に遊びに来たのです。彼とは違う高校に進学していました。ふつうなら、もう会うことはないでしょう。自転車に乗って、女の子の家を訪ねるという彼の行動を想像すると、

      • 不眠症浮袋【毎週ショートショートnote】 

         晩秋の黄昏、神奈川県警鎌倉警察署の取調 室ーー。 4坪の室内中央にスチー ルデスクがあり、山野刑事(四十六歳)は椅子に浅く腰かけ、のけぞるように脚を伸ばしていた。殺人事件容疑者・吉宗卓郎(四十四歳・工務店営業部長)を取り調べている。高橋刑事(三十歳)が隅の小テーブルで調書を記入していた。  吉宗は、実に姿勢がいい。一方の眼を吊りあげ、怒りと苛立ちを隠そうともしない。  「なん人も手にかけて、貴様には人間の心がないのか」山野が唾を大量に飛ばした。 「私は医療行為をしたまでのこ

        • ❘『週刊分春』記者10名が体を張って治験取材!|#毎週ショートショートnote| 裏お題:不眠症浮袋|

          不眠症にも効く蒲団・枕メーカー東川が新発見・発明をした『睡眠GOOD 浮袋』が東京・愛知・京都・鹿児島で話題となっている。「 swimmingと睡眠具は比例する」睡眠量が足りていれば十分泳げるし、逆も真なり。この発表に対しWHOが反論を唱えたから、騒動になった。 「日本のダジャレに過ぎない。世界は認可することはない」そこで我が『週刊分春』は記者10名(男女各5人)に治験取材を課した。結果、何と7名が不眠症を解消した。勢いづいた日本の新し物好きな人たちは、約65%の男女が浮袋

        • 『ローストチキン』を和風にアレンジして実食!|#実食してみた|#青ブラ文学部

        • 『女の子だって、男子を食べたい時がある』ショートStory |

        • 不眠症浮袋【毎週ショートショートnote】 

        • ❘『週刊分春』記者10名が体を張って治験取材!|#毎週ショートショートnote| 裏お題:不眠症浮袋|

          ❘題名:変なオマケ|#毎週ショートショートnote| #無人島生活福袋

           俺は、流行り物に弱い。近頃「無人島生活」がブームと聞いて飛びついた。ネットで「無人島生活福袋-1袋で無人島ライフを満喫」を購入。新発売プレミアムとして2名様に、今人気の無人島に無料ご招待「ヒロジの厳選アイテム10」  小笠原諸島南端の無人島 で1週間の独り生活が始まった。「何もかも自由だ。太陽、海、魚、みんな友だち」俺は樹を折って釣り竿にし福袋から釣針を出して魚を釣った。【火起こし手帖】を読み拾った木片で火を起こし焼いて食った。大自然のなかでの魚は旨い。食いすぎて下痢。〈正

          ❘題名:変なオマケ|#毎週ショートショートnote| #無人島生活福袋

          #毎週ショートショートnote|#裏お題【缶蹴り恋愛逃走中】|6大学対抗!  サッカーン(缶)おもしろラブゲーム

          芸能活動を休止していた漫才アーティスト松木仁三さんの復帰が決定。『渋谷自販機・缶蹴り恋愛逃走中 ・タウン カラン  コロン』。報道が得意の私、武籐由紀子が久々にバラエティを担当。6大学対抗! サッカーン(缶)おもしろラブゲームです。まず各大学の男子女子学生7名ずつが1チームに。レズビアン、 ゲイのカップルもOK。渋谷の街中の自販機を占拠し、炭酸ドリンク350ml缶を引きずり出す。2缶以上を蹴って、宮下公園にゴールさせる。いろいろな反則があり、マッチャンが追いかけてきますから他

          #毎週ショートショートnote|#裏お題【缶蹴り恋愛逃走中】|6大学対抗!  サッカーン(缶)おもしろラブゲーム

          『霧の事件簿』|#しろくま文芸部|お遊び企画「霧の朝」から始まる表現

          霧の事件簿 霧の朝、白樺の林にたたずむ私がいて、何の不思議があろう。ここは、 霧降の高原、女を追ってここまでやって来た。半年前、長野県諏訪市の 霧ケ峰において発生した殺人事件が、私の人生の歯車を急カーブさせ、 規律正しく日々を営んできた私の行動を今まで想像もしなかった方へ 切り変えてしまった。現場は崖の上で、76歳の老紳士が転落したのだ。 桐の樹が崖の手前10mにあり、根元に老人の鞄と靴が置かれていた。 気流が渓流の方から立ち昇り、ひんやりとした。正直にお話ししよう。 霧ケ

          『霧の事件簿』|#しろくま文芸部|お遊び企画「霧の朝」から始まる表現

          #毎週ショートショートnote |お題『長距離恋愛販売中』|

            あまり悩まないで買っちゃたよ。俺、小岩だけど、彩ちゃんは兵庫。まあ、そこそこコスパのいい長距離恋愛だと思ったのさ。価格は言ったらヤバイことになるらしい。  SNSで見つけて、動画で〝容姿チェック〟して、中間辺りの名古屋の駅近のホテルでトライアルデート。23歳で、あのちゃん似。生で見たらよけい好きになった。コーヒー飲みながらいろんな話をした。両親が離婚したので、いくつも親戚の家に世話になったので、定期的に御遣い物をしている。  彼女のお兄さんが現れて「この紙袋を親せきに届け

          #毎週ショートショートnote |お題『長距離恋愛販売中』|

          【20文字小説】|題名:『初めての男』

          『初めての男』 初めての男が教えた人の世の哀と禍禍しさ。

          【20文字小説】|題名:『初めての男』

          【20文字小説】【題名:男の純情】

          『男の純情』 別れた女を追った。 我が純情は渡せないと。

          【20文字小説】【題名:男の純情】

          【20文字小説】【題名:軋まぬ愛】

          『軋まぬ愛』 軋まぬ愛あればこそ 今の幸ありと妻が言う。

          【20文字小説】【題名:軋まぬ愛】

          〈20文字小説〉 |題名『ヤバイト』

          『ヤバイト』  老人に殴打され、時給千円は逆差別でしょ。

          〈20文字小説〉 |題名『ヤバイト』

          【20文字小説】|題名『ピンク案件』

          『ピンク案件』 白昼赤子誘拐は可憐桃頬に騙された犯行だ。

          【20文字小説】|題名『ピンク案件』

          【20文字小説】|題名:『明智小五郎からのファイナル・クエスチョン』

          『明智小五郎からのファイナル・クエスチョン』 自殺と自分殺害の違いを証明できたのかね?

          【20文字小説】|題名:『明智小五郎からのファイナル・クエスチョン』

          『きしむ恋』#青ブラ文学部 ♯軋む恋

          「あなたの恋愛も、つらいでしょうね」  お友だちは同情してくれる。そうなの、本当に情けない。 「会いたいのに行けない。ただ待つだけ。恋心はジリジリ燃えてくるというのに」 「まさに軋んでいるとしかいいようのない恋ね」 「神様が決めたこととはいえ、哀しくて」  導爆線のプラスチックを唇に咥えたが、身のよじられるような憤りと鬱屈のやり場はどこにもなかった。アヘンのもととなる芥子を栽培していたアフガニスタンの荒涼とした大地で、わたしは今、1千万ともいわれる仲間とともに、恋に軋みながら

          『きしむ恋』#青ブラ文学部 ♯軋む恋

          【20文字小説】【題名:愛に拙いあなたが好きでした。愛を超えて。】

          【題名:愛に拙いあなたが好きでした。愛を超えて。】 好きだが愛せない。僕の素の愛し方だった。

          【20文字小説】【題名:愛に拙いあなたが好きでした。愛を超えて。】