映画「ショコラ」
ずっと気になってたタイトルの映画を観た。
私はチョコレートが大好きだからチョコレートが出てくるなら観てみたいと思っていたから。
美味しそうなチョコレートの映画を見たら食べたくなると思いチョコクッキーを用意して鑑賞した。
思った以上に面白かったし、自問自答する内容になっていた。
このお話はある親子(ヴィアンヌ)と娘がある村に来るところから始まる。
そしてチョコレート屋を開き町の人に振る舞う。
それだけなのだ。それだけなのに人々の心は癒される。
そして町の人にはそれぞれ囚われた「何か」があり自由な発想に欠けている。
その囚われた「何か」から解放する手段として使われるのがチョコレートと会話だ。
それが人々を癒し、また人々の心を解放した。
人は何かを恐れたり、囚われたりすると心を固く閉ざしてしまい、自分以外を受け入れなくなってしまう。そう教えてくれるようだった。
心を解放した村の人には自然と笑顔が見える。
でも一度解放されたからといって原因が残っていたりそれに立ち向かう勇気がなければ同じことを繰り返してしまう。
それには自身を信じるということも必要だと思った。
何かしらの妨害や周りからの目に振り回されることもある。
それでもただ喜んでもらいたいと思う心を持った主人公に優しく解されてしまう。
心が弾むような出来事や笑顔になれる場所そういうものを大切にしたくなる映画です。
ここからはネタバレが入るので映画を観たい人は映画を観てからどうぞ。
古くからの伝統に守られた町に主人公はやってくる。
ある女性は旦那との関係に悩んでいた。
そして旦那はこんな人と決め付けていた。
ある女性も旦那との関係に悩んでいた。
そして彼女は窃盗をするようになっていた。
旦那が世界の全てと考えるまで追い詰められていた。
そしてある男性はある女性に恋をしていた。
しかし、年齢が高齢者という点と彼女には死別した夫がいた点から声をかけられなかった。
ある女性は娘と孫との関係に悩んでいた。
婿が亡くなってから教育ママになった娘に孫と会わせてもらえなくなった。
ある男の子は母親との関係に悩んでいた。
お父さんが居なくなって厳しくなった母親を喜ばせたいあまりに自分を抑え込んだ。
そして村長も妻に家出され、妻の帰りを待っていた。厳格でしきたりや伝統以外のものを村を守るためと排除しようとした。
そんな、人々を相手の適正に合わせてチョコレートと提案を持ち掛ける。主人公。
そんな主人公も昔のしきたりに囚われた人だった。
作中に「この世で何を拒絶したかではなく何を受け入れたかが重要」というメッセージがある。
それは人種や、考え方の違いや、思いやりの方向性、性格、自分の中での葛藤、周りからの目、親から引き継いだもの、伝統。
様々なものに当てはまりそういうものを沢山抱え込んでいるのが人間だと思う。
何を受け入れるかが重要。
そう、自分を含めて、弱い自分や、グロテスクなものが好きな自分、生き方を決めたい自分、見栄を張る自分、強い脅迫概念に苦しめられる自分、相手の事を理解することと自分自身を理解すること。
どちらもないと会話が成立しない。
この映画を観ているとそう感じた。
ある女性は主人公を信じなかったが、家までは持って帰りたまたま捨て損ねたチョコレートを旦那が食べて旦那の妻に対する情熱を取り戻しおしどり夫婦となる。
ある女性は理解者が出来たことにより家出しDVを受けていたことを告白し、窃盗をやめ主人公と共にチョコレート屋を手伝う。
ある男性は勇気をだして彼女にプレゼントにと渡されたチョコレートを差出人不明で渡す。少しずつ打ち解け二人は結ばれる。
ある女性は主人公に優しく受け止められて心を開き孫との接点を持たせてもらう。持病があり心配していた娘の事を話しそれでも好きに生きたいと願い、誕生日に孫と主人公と村の人に祝われながら亡くなる。
ある男の子はお婆さんとの密会をしつつ、母親を悲しませないように努力する。楽しい時間を持つことで表情が明るくなり自分の意見も言うようになる。
村長はチョコレート屋を悪魔の使いと村中にふれまわり営業妨害をするが、失敗し、チョコレートがどんなものか気になって主人公の店に入り貪り食べる、そして次の日彼女に謝り和解する。
そして主人公はある男と巡り合い恋に落ちるが彼は自由人で事件が起きてこの町を離れると言う。
彼は一緒に来て欲しいと願うが断り彼は村を出ていき主人公はそこにとどまる。
がしきたりにより出ていかなければという脅迫概念に囚われ主人公は村を出る決心をし、娘を連れていこうとすると拒否され言うことを聞くようにと娘に辛くあたる。主人公が大切にしていた伝統工芸を娘が意図せず割ることによりこだわっていた囚われていたものから解放される。
そして自分の生き方は選べると教えてくれたでしょう?と彼女の店に来た全員が引き止める。
彼女はなぜ?そのしきたりにこだっていたのかも分からなくなりその場所にとどまる。
1年後に村を出ていった彼が戻ってきて村の皆もチョコレート屋に通ってくれていてハッピーエンド。
最後に生き方は変えられる、選ぶのはあなた次第。
そう言われてるようだった。
何も知らずに偏見で人を見るのか会話して相手を知るのか、自分の殻を破る勇気を持たせてくれる作品でした。