20231110「ひかりの言葉」
反射するものを
具に見て
それは何かなのだろうが
言えない言葉の弱さで
すぐに零れてしまう
包まれつつあっても
まだわたしの嫌々を
開け放つ時ではないかもと
言い訳を重ね
積まれた薄弱から
ひとつを抜く
それが流離うのなら
どこまでも導かれて
何でもない光景を
その眼に留めておこう
発酵する合図で
一斉に反応する準備を
各々が今かと待っている
既に手のひらは開かれている
集めたひかりを凝集させ
編集されたそれと
細かさまで数値化されたそれでも
誰かの想像だとするなら
それも自然の何かだろう
自称の感情は一時的だとしても
記録される所業の澱
または抽出された檻の空隙
濾過された各人を通り
受け渡される価値の模様
折り重なる朦朧の行く末
関係ない出来事さえ
零れる知らせの真贋を
確かめることもなく
読まれもしない行列を
ただ眺めるばかり
熱くなった板の発光で
違う側面を照らせば
あなたは何を見るのだろう
見知らぬ誰かが見出して
わたしは気づくのだろう
知らされた通知は
誰かの誘い
揺られつつ元に戻ろうと
振り子を前後左右させ
重力はその命運を軽々と着地させる
もうひとつのカメラを宿し
記憶の地層にも住所があてがわれる
その参照札を検索して
事件化の裏表まで見ておこう
真偽は不確かだけれども
覆る可能性の解釈の幅
ゆったりとしつつ
刻々と流れるそれは最新順に並べられ
見逃す羅列として
既に世界にばら撒かれている
幸不幸の連続の中で
もうひとつのひかりの言葉を見ている
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