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監督と選手との隙間

2020/21シーズンも残り2試合となりました。

と言ってもシーズンスタート予定の時期はロックダウンしたりしなかったりで、結局は3月にシーズンが始まり、今季は半分のみの14試合で終わることになっています。

そして、僕が帯同しているチームの監督はスペインで1番上の指導者ライセンスコースに参加することになり、今月は先週まで僕だけでトレーニングを行うという貴重な期間でした。

シーズン中なのに信頼して任せてくれた監督には感謝ですし、この期間のトレーニングは特に助けてくれた選手たちの存在に僕は本当に恵まれているなと思いました。

そんな中、このチームの活動とここ数週間の自分の振る舞い方を振り返ってみると、『監督』と『コーチ』の役割が違うなとはっきりと感じたのです。あくまでも僕のチームで、ですが。


例えば、

『監督』
この立場の人は、やはりチームの中心かつ先頭に立って、集団を一つにまとめ、全員が向かう先を示す人。リーダーとしての決断力や求心力がとても求められます。

実際にシーズンを通して、試合との向き合い方やチームとしての方針、振る舞い方は、常に先に、そして明確に提示し、要求していました。

『コーチ』
そしてコーチは、その監督と選手の間を繋ぐ接着剤やハシゴのような存在。目立つことはないし、表立って見られることもないけど、いることによって強度が増したり、形がはっきりしたり、流れがスムーズになったり。

役割としては、監督が示す方向と進み方に沿って、出来るだけ邪魔しないようにトレーニングを組んだり、選手たちに働きかけなければいけません。だから監督に共感できるような哲学を持っているか、順応できるような柔軟さが必ず求められると思います。

じゃあ僕自身は実際に何か影響を与えたのか?とか必要不可欠な存在だったのか?と言うとそんなことはないと思うんですけど、ただ努めるべき役割は今書いたことだなと感じて、僕なりに活動してきました。


あくまでこのチームで、今の監督で、なのでまた場所も人も変われば自分の振る舞いも変わるでしょう。

ただ現場に出続けるからこそわかる雰囲気や肌感覚は、ライセンスコースや指導者学校では学べるものではありません。

臨機応変な立ち振る舞いを学んだり、教科書などに絶対載っていないケーススタディを毎日、毎週解いていくのは大きな経験になりました。


このクラブを離れる時に、僕が何か残せるものはないかもしれませんが、僕の中にあるこの経験を活かしながらステップアップしていくことがこの貴重な機会を与えてくれた人たちへの恩返しになるでしょう。

残りの時間もまだまだチームの為にベストを尽くしていきます。

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