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アミュレット・ホテル(レビュー/読書感想文)
アミュレット・ホテル(方丈貴恵)を読みました。昨年の本格ミステリベスト10(原書房)ランクイン作品です。
方丈貴恵さんの作品は今のところ単行本はすべて読了しています。竜泉家の一族シリーズの中だと、2022年の「名探偵に甘美なる死を」が個人的ベストです。VR空間を舞台にしたミステリーとして私の知る限り最も秀逸な仕掛けが光る一作でした。
さて、「アミュレット・ホテル」です。
殺し屋、詐欺師、窃盗グループの皆様……
犯罪者御用達ホテルにようこそ
アミュレット・ホテルは2つのルールさえ守っていただければ、どんなサービスでもご提供いたします。偽造パスポートでも、グレネードランチャーでも、ルームサービスでお申し付けください。ただし、ルールを破った方には、それ相応の対価を支払っていただきます。警察に通報したりはいたしません。我がホテル探偵は優秀ですから。秘密裏にきっちり処理させていただきます。 ホテル支配人
犯罪者御用達のホテルで起こる四つの事件を描く連作短編集です。
竜泉家の一族シリーズが少なからず特殊設定ルールが持ち込まれているのに対して、本作は舞台となるホテルの非現実的な設定はさておき、起こる事件やその解明は(基本的に)リアリティに即したものです。
そのうえで各話とも非常に技巧に富んだクオリティの高い作品に仕上がっています。本作は、文章も方丈さんの従来作と比べてライトノベルに寄せられた感もありスイスイと読めてしまいます。
質の高い短編ミステリーを気軽にたくさん味わいたい人にオススメです。
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