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読書会についてカジュアルに考える
家庭のことはほっぽらかして(!)、あれこれの趣味は嗜んでいる私ですが、そのなかでも読書――とりわけ本格ミステリは筋金入りの愛好家であると自負しています。そんな私なのですが、こと読書会についてはまだ経験が浅く、昨年からしばしば参加するようになりました。
という前置きから始めて本投稿のタイトルに繋げます。
読書会についてカジュアルに考える――いや、人はなぜ読書会に行くのか、のほうが良かっただろうか。うーん。まとまらないまま書き出してみます。
まず初めに、読書というのは基本的に孤独な行為です。例外があるとすれば朗読会や、幼児への読み聞かせくらいでしょうか。本来的にコミュニケーションの伴いにくい、あるいは必要とせずとも自己完結する行為なのです。
ほんとうでしょうか。
――いや! そもそもこの考えが恐らく間違っているのだと思いました。私(たち)は先入観を正さないといけないかもしれません。
古よりインプットとアウトプットはワンセットなのです。
野球好きな人が庭の素振りやバッティングセンター通いだけで満足できますか?
ゴルフ好きな人が庭の素振りや打ちっぱなし通いだけで満足できますか?
読書もそれと同じです。なんら変わりません。人間が人間である以上、どのような題材であれ、突き詰めると最後はアウトプットの場を――その題材を媒介にした人間同士のコミュニケーションを希求するのです。
その点、読書会は恐らくまだ単純に認知度が低いのだろうと思います。(私調べ)
たとえば。ビジネスの場で知り合ったふたりがお互いゴルフ好きだと判明して意気投合したとしましょう。
「へえ! 山田さん、ゴルフ好きなんですね。是非、今度一緒にコースまわりませんか? いいゴルフ場が私の地元にあるんですよ」
なんて会話で盛り上がることは珍しくないと思います。
・ゴルフ好き → コースまわりませんか?
・野球好き → 球場に試合観に行きませんか?
・音楽好き → ライブに行きませんか?
これらと同じで、読書好きが出会ったときも、
「へえ! 山田さん、読書好きなんですね。是非、今度一緒に読書会行きませんか? 雰囲気のいい読書会を知ってるんですよ、私」
・読書好き → 読書会に行きませんか?
こんな会話が自然に発生するくらい、読書会というものがカジュアルな存在であって良いのではと私は思っています。市民権を得るというやつですね。
ところで、森博嗣さんのデビュー作「すべてがFになる」において、ある人物の印象的なセリフがあります。「(人間同士の)物質的なアクセスはなくなりますか?」という問いかけに対するものです。
「そうね、おそらく、宝石のように贅沢品になるでしょう。他人と実際に握手をすることでさえ、特別なことになる。人と人が触れ合うような機会は、贅沢品です。エネルギィ的な問題から、そうならざるをえない。人類の将来に残されているエネルギィは非常に限られていますからね。人間も電子の世界に入らざるをえません。地球環境を守りたいのなら、人は移動すべきではありません。私のように部屋に閉じ籠もるべきですね。
本書は1996年の刊行です。新型コロナの流行に伴う自宅待機命令の折に、このセリフが現状の予言であったとして読み返した人もいたようです。
物理的な接触は今後貴重なものになっていく。反対にネット上でのコミュニケーションは相対的に容易。時代の大きな流れとしては、確かにそうなっていきそうです。
私はここにもうひとつ別の切り口を見たいです。同好の士(趣味仲間)との出会いという切り口です。これもネット上に限れば昔より断然に容易になっていますが、さて、リアルな空間の場合はどうでしょうか?
私が子供の頃は、趣味や流行が画一的でした。みんな同じ物を好み、同じことをしていました。現代は違います。趣味も流行も多様化の一途をたどっていて、同世代であっても好みまで一致しているとはまったく限りません。
同好の士が、リアルな空間に集える場というのは、私たちが思う以上に既に貴重であり、これからますます貴重になっていくのでしょう。そんなふうに思うわけです。
であれば、今、目の前にそれがあって、実際、気になっているのであれば無為にしたくないと考えるのは自然ではないでしょうか。私が読書会への参加を始めた動機のひとつでもあります。
私は本が、読書が好きなので、どうしても肩入れしてしまいますが、本好きにとって読書会というものがもっともっとカジュアルになればいいなと思います。ゴルフ好き同士がコースを一緒にまわるように。野球好き同士が球場に試合観戦に行くように。音楽好き同士が一緒にライブに行くように。
好きなことをアウトプットする。
好きなことでコミュニケーションする。
きっと楽しいはずですよね。
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以下は、私が時々お邪魔している読書会の周年イベントのお知らせです。
7周年って凄いですね。
彩ふ読書会 主催
《大阪》6/30(日)
“「わたしの推し本 神7」推し本披露会SP”
7周年イベント
あなたの人生を彩った7冊を教えてください!
ということで、関心のあるかたは是非!