見出し画像

こうして伝統は受け継がれて行く、話。

2021年になりましたね。とにかくコロナ禍で大変だった2020年でしたが、年末は比較的いつも通りに過ごせた気がします。

母の初挑戦

そんな時、母がとある事に初挑戦をしました。

中身汁作りです。

父方の祖母が元気だった頃は毎年大晦日に中身汁を作ってくれていたのですが、母は実家でそう言う習慣がなかった事もあって手伝いすらしなかったらしいのです。

祖母の時代は、具である豚の腸を市場で買って来て臭みを取り(メリケン粉をまぶして揉んで湯がいてメリケン粉をまぶして揉んで……の繰り返し)、鰹節をたっぷり入れた出汁で煮込み、と大変だったそう。
ただ、今は下処理をしっかりして茹でたものがスーパーで手に入るそうです。
加えて、母はスマホで中身汁の作り方も検索出来ます。臭み取りの作業の動画を見つけて「すごいよ〜、洋服を洗うみたいに揉んでてから!」と言っていました。
便利な世の中になったものです。

私達家族の薄れつつある記憶と、インターネット上の知識を参考に、母は初めての中身汁を作りました。

伝統は時を超えて

母の作った中身汁は、少々具が固かった以外は問題なく美味しかったです。何故かアレンジとしてカステラかまぼこ(見た目がカステラに似ている黄色のかまぼこ)が入っていましたが、私は好きなのでOK。

祖母が亡くなってから10年近く経とうとしていますが、大晦日に中身汁と言う伝統は我が家に甦ったわけです。

昔は家で飼っていた豚を潰して食べていたので、中身汁も年に1回2回食べられるかどうかのご馳走だったのだと思います。先人達の、大切な家畜だった豚を隅々まで美味しく食べようと言う工夫は本当にすごい。

私達は伝統料理を通じて、祖母と、もっと上のウヤファーフジ(御先祖様)と繋がっているのでしょう。


※ヘッダー画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借り致しました。ありがとうございました。

ちょこっとでも気紛れにでも、サポートしてくだされば励みになります。頂いたお気持ちは今のところ、首里城復元への募金に役立てたいと思います。