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[TechGALAイベント参加レポート]常識破壊-「問い」が切り拓く未来の事業

未来の事業を切り拓くカギは、「問い」を投げかけることから始まります。常識に縛られない思考こそが、革新的なアイデアやビジネスの突破口を生む源泉です。本セッションでは、既存の枠組みを超えた発想がどのように新しい事業の形成を促進し、社会に影響を与えるのかを探ります。参加者と共に、未来の事業を牽引するための「問い」の力を引き出し、その実践方法を共有します。

登壇者

杉江 陸
株式会社Paidy エグゼクティブ・アドバイザー
富士銀行(現みずほFG)、アクセンチュア、GEコンシューマー・ファイナンスを経て、2012年に新生フィナンシャル代表取締役社長兼CEO。2016年からは新生銀行常務も兼任。2017年11月からPaidy代表取締役社長兼CEOに就任、2021年10月にペイパルが3000億円で同社を買収。2021年11月よりペイパル本社VPも務めた。2025年よりPaidyエグゼクティブ・アドバイザー。

小笹 文
合同会社カラフル 代表 / 一般社団法人コミュニティマーケティング推進協会 理事
リクルート、Googleを経て2011年にイベントレジスト株式会社を共同創業。取締役最高業務執行責任者(COO)として、イベント業界向けSaaSの営業およびマーケティング部門、経営管理部門(財務会計、人事労務、法務、総務)を立ち上げ管掌。2019年に日本経済新聞社へ株式譲渡し、2020年に退任後、合同会社カラフル創業。2024年に一般社団法人コミュニティマーケティング推進協会を立ち上げ、理事に就任。複数の上場企業の社外取締役、日本工業大学の非常勤講師を兼任。技術経営修士(専門職)、経営管理修士。

伊藤 羊一
武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 学部長
アントレプレナーシップを抱き、世界をより良いものにするために活動する次世代リーダーを育成するスペシャリスト。2021年に武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)を開設し学部長に就任。2023年6月にスタートアップスタジオ「Musashino Valley」をオープン。「次のステップ」に踏み出そうとするすべての人を支援する。また、ウェイウェイ代表として次世代リーダー開発を行う。代表作「1分で話せ」は65万部超のベストセラーに。

はい、以下のような記事を作成します。まずは前半部分から書いていきます。

はじめに

2025年、ビジネスの世界では「変革」と「イノベーション」が常に求められている。しかし、真の革新はどこから生まれるのか。その答えのひとつが「問い」を投げかけ続けることにある。本セッションでは、Paidyのエグゼクティブ・アドバイザーである杉江陸氏と、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長の伊藤羊一氏が、モデレーターの小笹文氏(合同会社カラフル代表)とともに、常識を破壊し未来を切り拓くための「問い」の力について語り合った。

「問い」の本質

伊藤氏は、日常的に3つの問いを意識していると語る。「なぜ?」「それで?」「そもそも?」という3つの問いだ。「なぜ?」は過去から現在に至る経緯を問い、「それで?」は現在から未来への展開を探る。そして最も重要な「そもそも?」は、既存の前提自体を疑う問いかけとなる。

「頭のいい人は『なぜ』と『それで』までは考えられます。でも『そもそも、これでいいんだっけ?』というところまで考える人は少ない」と伊藤氏は指摘する。この「そもそも」という問いこそが、既存の枠組みを超えた発想を生む源泉となる。

イノベーションの源泉としての観察

杉江氏は、Paidyを創設した背景について興味深い視点を示した。「クレジットカードや代引きが当たり前だと思われていた決済の世界で、本当にそれが最適なのか」という問いから出発したという。

例えば代引きについて、「お客様が商品を受け取る際、代金を用意する必要があり面倒。返品となると更に大変で、企業側も受け取った現金の消し込み作業に追われる。この非効率な仕組みを、何とか変えられないか」。この気づきが、後払い決済という新しいソリューションを生み出すきっかけとなった。

杉江氏は「自分が悩んでいることや引っかかることは、他の人も同じように感じているはず」という視点を持つことの重要性も強調する。観察から得られた違和感を、ビジネスアイデアとして具現化していく。そのためには、常に「なぜ?」という問いを持ち続け、既存の仕組みや慣習に対して批判的な視点を持つことが重要だという。

好奇心と学習の重要性

伊藤氏は、自身の経験を踏まえて好奇心の重要性を語った。「15年前まで私は本当に好奇心がなくて、こういうイベントでも人と会うのが嫌でした」と率直に明かす。しかし、周囲の影響で後天的に好奇心を獲得していったという。

特に印象的だったのは、「すごい」「やばい」と声に出して言うことの効果だ。「声に出すことで好奇心が育つんです。これは茂木健一郎さんのお墨付きです」と伊藤氏は語る。他者の成功や革新的な取り組みに対して素直に感動を表現することが、自身の視野を広げ、新しい発想を生む土壌となるという。

組織におけるイノベーション

新規事業や革新的なアイデアは、単なる義務感からは生まれない。伊藤氏は、組織における変革について「WILL(意志)とCAN(能力)の関係」から説明する。

「最初はMUST(義務)から始まってもいい。MUSTでやっているうちにCANが増えてきて、そこから周りから感謝されるようになる。そうすると次第にWILLが芽生えてくる」と伊藤氏は語る。この過程で重要なのは、失敗を恐れない組織文化の醸成だ。

杉江氏は、組織の多様性についても重要な指摘をする。「Paidyは280人ほどの組織でしたが、同じような人たちばかりが集まっていたら、今のような成長はなかったでしょう」と振り返る。異なる視点や経験を持つメンバーが集まることで、新しいアイデアが生まれ、イノベーションが促進されるという。

実践的なアドバイス

セッションの中で特に印象的だったのは、「80億分の1の視点」という考え方だ。伊藤氏は「私たちが『普通』と思っていることは、実は自分の半径50メートル以内の常識かもしれない」と指摘する。例えば「朝ごはんを食べる」という習慣一つとっても、世界80億人のベースで考えると、必ずしも「普通」とは限らない。

また、「時間がない」という言い訳についても興味深い視点が示された。「歯磨きって時間がないからしないんですか?時間がないからやらないということは、実は優先順位で選択しなかっただけです」と伊藤氏は指摘する。本当にやりたいことには、必ず時間を作れるという示唆だ。

まとめ

本セッションを通じて明らかになったのは、「常識破壊」は目的ではなく、本質的な「問い」を追求した結果として生まれるということだ。杉江氏は「観察することから始まる問いが、イノベーションの源泉となる」と語り、伊藤氏は「『そもそも』という問いを持ち続けることの重要性」を強調した。

また、イノベーションは必ずしも特別な才能や突出したアイデアから生まれるわけではない。日常的な観察と問いかけ、そして圧倒的な当事者意識こそが、真の革新を生み出す源泉となる。

「たくさん対話すること」「心理的安全性を確保すること」という具体的なアドバイスも、組織でイノベーションを起こそうとする人々にとって、重要な示唆となるだろう。

私たちに求められているのは、既存の常識に疑問を投げかけ続けること。そして、その問いから生まれる気づきを、具体的なアクションへと転換していく勇気だ。それこそが、未来の事業を切り拓くための第一歩となる。

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