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人文学が企業を変える 文化人類学や哲学が示す新たな可能性

☝️この記事はDiscordコミュニティ「ネクストトレンド・ハンティング」の投稿の引用です。このテーマについて語り合いたい方は、以下のリンクから「ネクストトレンド・ハンティング」にご参加ください。

https://note.com/snowflake_note/n/nfa7117381da3

ニュースのまとめ

文化人類学や哲学といった人文社会系の学問が、企業経営やマーケティングに応用され始めています。サントリーが缶チューハイの消費者調査に参与観察を導入したり、サイバーエージェントが「人文知研究所」を設立したりするなど、従来の方法では見えにくかった消費者の潜在ニーズや市場の大局観を探る取り組みが進んでいます。数値化しにくい学問が、データ時代に新たな視座を提供しています。

ポイント1: 文化人類学がもたらす消費者理解の深化

サントリーの参与観察では、消費者の日常に入り込み、表面的な発言ではなく行動や環境を観察して潜在的なニーズを発見します。修理サービスの満足度調査では「完璧な修理」だけでは消費者の満足を得られないことを突き止めるなど、単純化せず現象の複雑さを受け止める姿勢が重要とされています。こうした手法は、商品やサービスの新たな価値提案に役立ちます。

ポイント2: 哲学が意思決定を支援

サイバーエージェントは哲学的な視点を経営に取り入れるべく「人文知研究所」を設立。専任メンバーが世界史や文化背景を研究し、経営幹部に報告する仕組みを整えました。例えば、賭け事の歴史的背景を調査することで、スポーツベッティングの可能性やリスクを議論する材料を提供しています。こうした視野の広がりは、経営の判断力向上に寄与します。

ポイント3: 新たな哲学が生む社会インフラの価値観

NTTは京都大学と共同で哲学研究所を設立。生成AIや次世代通信基盤「IOWN」の普及を見据え、新たな技術がもたらす社会的な価値観の変化に対応する議論を進めています。「新しいインフラには新しい哲学が必要」という考え方のもと、学術とビジネスを結ぶ場を設けています。これにより、技術の進化を支える倫理や価値観の再構築が進められています。

この事例のマーケティング的な学び

データや数値で捉えきれない人間の感情や行動を掘り下げる手法が、ビジネスに革新をもたらしています。これまでの効率重視の枠組みから脱却し、複雑な現象をありのままに理解しようとする姿勢が、差別化や新市場の開拓につながるでしょう。哲学や文化人類学といった学問が、企業に新たな価値を提供する時代が到来しています。

キーワード解説

「参与観察」
文化人類学のフィールドワーク手法の一つ。研究者が調査対象の環境に入り込み、対象の視点に立って行動や文化を観察する方法です。消費者調査に応用することで、表面的な回答ではなく、潜在的なニーズや行動の背景を掘り下げることが可能になります。


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