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講演記録:大切なことは絵本が教えてくれる



講演概要

(札幌市)厚別区PTA連合会 会長・副会長会にて講演。(2024年2月16日)
学種関係なく区のPTA会員さんはどなたでも参加いただけるという開かれた会。
小さなお子さんだけではなく、中・高生、大人にも絵本を楽しんで欲しいと常日頃思っていますので嬉しい機会でした。

タイトル【大切なことは「絵本」が教えてくれる】
主催:厚別区PTA連合会 会長・副会長会
日時:2024年2月16日(金)18時~19時

このような告知をしていただきました。

講演内容

今回は保護者の方向け講演。お子さんの年齢は小・中学生が主でしたので、絵本読み聞かせ入門というより、保護者の方にまず絵本の価値や可能性に気づいていただき、帰りには「楽しかった♪」「絵本読み聞かせしてみような」「絵本買ってみようかな」なんて思っていただくことを目指して内容を決めました。

現在の絵本事情あれこれ(前半)

前半は下記のような内容を、江別蔦屋書店での経験などもまじえてお話。
思春期にさしかかる子どもから、大人も興味を持っていただけるようなおすすめの絵本もご紹介。

・現在の出版物のマーケットについて
・なぜ今絵本や児童書が売り上げを伸ばしているのか
・絵本は今の時代と社会を映す鏡
・様々なジャンルの絵本紹介

絵本体験(後半)『ひみつのビクビク ME and my FEAR』

後半はレクチャーより体験を!ということで、絵本読み聞かせと絵本を真ん中にした対話会を体験していただきました。

使った絵本はこちら ひみつのビクビクME and my FEAR
フランチェスカ・サンナ:作 なかがわちひろ:訳
出版社:あかつき
◉アムネスティ・インターナショナル英国支部推薦図書。
◉全国学校図書館協議会(SLA)絵本委員会2020「えほん50」リスト選定。

フランチェスカ・サンナさんの絵も素敵

あらすじ
ちいさなビクビクはわたしだけのひみつのともだち。ビクビクはいつもそばにいて、わたしをまもってくれる。だから、わたしはほんとうには、こわいめにあわないし、ちょっとずつぼうけんをして、つよくなれる。でも、このくににひっこしてきたら、ビクビクはきゅうにおおきくなった……。
どんどん大きくなったビクビクは、女の子の睡眠や食事、学校での毎日を邪魔するようになりました。でも、一人の男の子と一緒に過ごすことで少しずつ変わっていく女の子の学校生活。みんな、自分のビクビクを持っていることに気づくのです。

あかつきHPより

この絵本は子どもも大人も共感できる内容。誰しも何歳になっても「ビクビク」不安に思ったり、おそれたりすることってあると思うのです。
時にはそんな風に「ビクビク」する自分を隠したかったり、恥ずかしく思うかもしれません。
けれどこの絵本を読むとスッと気持ちが楽になって「あるよね!こういうこと!不安になったりおそれたりすることって恥ずかしいことなんかじゃないよね」って受け入れていける気がするのです。

この絵本を読み聞かせした後、テーブルごとに感想や、「自分のビクビク体験」などをシェアしあいました。

『ひみつのビクビク』シェア内容

感じたこと、心にうかんだことなど
・転校を体験したことがある自分自身や、子どもの姿を重ね合わせて見た。
・環境によって不安の大きさが変わることがよくわかったので(「ビクビク」がビジュアル化されている)子どもが不安に思っていると感じたら焦らず寄り添いたいと思った。

「ビクビク体験」にはこんなお話もありました。
・老化。何ってことはないけれど、年もとってきていろんなことが漠然と不安。
・塾代、教育費。これからいくらくらいかかるだろうと思うと不安。

その他
普段読み聞かせ活動をしているが、やはり読んでもらう体験は大切だと感じた。

 思わず私も「わかる!私も同じ!」と思うことがたくさん。子育て中の親同士深く共感しました。
このシェアタイムはとても盛り上がり、参加されているみなさんもとても楽しんでいただけたことが後ほどご紹介する感想からもわかりました。
みなさんの前でシェアしてもいいよという方何名かに全体にシェアもしていただきました。

みなさん真剣に聞いていただき感謝です。

そしてこの絵本の「すごいところ」を通して、良い絵本、優れている絵本の特徴をお伝え。

講演の時よりちょっと進化させてみた。

実際に体験していただいた絵本の中から優れた点を伝えた方が、説明するより断然伝わりやすいと思うのでこのような流れにしてみました。

最後の1冊『もしかしたら maybe』

最後は時間が足りなくなってきていたのですが、ご紹介したかったこちらの絵本でしめました。
いつも子どもたちのため、家族のためにがんばっている、お父さん、お母さんを励ましたい。子どもたちはもちろんのこと、お父さん、お母さん、私たちにもまだまだたくさんの可能性があるのですよ~と伝えたいと思い、私自身大好きなこの絵本にしました。
これは江別蔦屋書店で、接客しておすすめした方は100%購入していただいたという私の中のミラクルな絵本。特に女性にとても共感されます。

『もしかしたら maybe』
~わたしたちがもっている どこまでもかぎりない 可能性の物語~
作:コビ・ヤマダ 画:ガブリエラ・バロウチ 訳:前田まゆみ

繊細で美しい絵も魅力のひとつです。

心にしみる美しい絵本『もしかしたら maybe』 翻訳・前田まゆみさんによる全文読み聞かせ動画 (youtube.com)
こちらで訳された前田まゆみさんによる読み聞かせが公開されています。

「なぜ じぶんが ここにいるか かんがえてみたことが ある?」

『もしかしたら』より引用

ドキッとするこの本質的な問いからはじまるこの絵本。忙しい日々をお過ごしの方も自分自身を労いながら自分のための時間を絵本を読みながらお過ごしください。
私はお友達へのプレセントにも使っています。

終わりに

 今回お声がけいただきましてお世話になりました厚別区PTA連合会湯浅会長、わざわざいらしてくださった白石区PTA連合会安藤会長、そして、忌憚のないフィードバックをいただきたく、信頼、尊敬できる友人であり、仕事でもお世話になっているフードプランナーの森平和歌子さんにも来ていただきました。いつもありがとうございます。

卒園児のお母さんや、以前講演を聞きましたという方にも会えました。
ご参加いただきましたみなさまありがとうございました。

プロジェクターに投影、読み聞かせした絵本は出版社の許諾を得て行っています。許諾いただきましたこと、心から感謝です。

いただいたご感想などについてはこちらに書きました。

講演記録:ご感想編『大切なことは「絵本」が教えてくれる』|佐賀のり子 絵本探求家の自由研究 学校法人理事長 (note.com)


記念撮影 湯浅会長、安藤会長、私、森平和歌子さん


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