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好きな本 光の帝国 ~常野物語

せっかくnoteなんだから自分の好きな本も紹介したい。なんて大それたことを思い始めた。

断捨離を進めているので手元に残している本は少ない。私の手元に置いておきたい本の一部を気まぐれで載せていきたい。

「光の帝国」 恩田陸


光の帝国

ファンタジー好きな私のど真ん中に刺さった本。

恩田陸さんの本はこれをきっかけに「蒲公英草紙」「エンド・ゲーム」「ネバーランド」「六番目の小夜子」「ライオンハート」「夜のピクニック」「私の家では何も起こらない」「三月は深き紅の淵を」「蛇行する川のほとり」「ネクロポリス」などなど割と読んでいる。

「蜂蜜と遠雷」はなぜか手が伸びなくてまだ読んでいないがいずれ読むだろう。

さて、ファンタジーといえば冒険であり、王国であり、魔法や妖精が出てくる物語である。私は作り込まれた異世界の話が大好きだ。

大好きな作品は栗本薫さんのグイン・サーガだ。その昔、私が10代後半から20代にかけ、確か100巻を超えて集めていた記憶。栗本先生が逝去され完結しなかったが他の作家さんか完結させた模様。最後らへんはまだ読んでないまま。
私の中でファンタジーとは壮大すぎる超大作だった。

に対して、恩田陸先生の常野物語は全3巻。 こじんまりしている。


集英社より拝借

「光の帝国」は10篇からなる短編集だが私の好きな王国や魔法や妖精はいない。
日本の日常生活にファンタジーが潜んでいた。いや、日常がファンタジーはよくある世界観だが、あまりにも自然に引き込まれた。

「常野(とこの)」と呼ばれる不思議な能力を持つ人々の物語。これを購入したのは息子が産まれたくらいの年だからもう20年以上前になる。今も本屋によってはおすすめ本の棚に並んでいることもある。特に最初の話しである「大きな引き出し」は膨大な書物を暗記する力をもつ家族の話しだ。短編だが「常野(とこの)」とはどういった力を持つ人々のことなのかがよくわかる。

何回読んでも新鮮さは色褪せず、同じところでじんわり涙が溢れる作品。
号泣ではなく、じんわり。
これは地味に体を蝕む。わけのわからない郷愁が襲ってくる。行ったことのない東北の原風景が漠然と浮かび、遠野が鮮やかに蘇る。でも申し訳ないが私は東北に行ったことないし遠野を知らない。けれど遠野への懐かしさで胸がいっぱい…いや、なんのリフレインですか。

イメージの話ですまない。叶うならいつか遠野を訪れたい。

私があの世にまで持っていきたい本なので、「棺桶に入れてくれリスト」に追加しようと思う。





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