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察することの大切さ

先日テレビを見ていて、取材されているある職業のプロの人の言葉に、なるほど!と納得しました。その人は、仕事の上で一番大事なことは「察することだと思う」と。

どのような職業でも、お客様との関係、上司部下の関係など、良好な人間関係を築くことが重要です。相手に対して、「相手はどう思っているのだろうか」「こう言ったらどう感じるだろうか」「どのように説明したら納得してもらえるだろうか」など、相手の気持ちや考えを察することが、仕事をうまく進めるためには必要です。「配慮する」「考慮する」という言葉がありますが、「察すること」というのは非常に分かりやすい言葉です。

しかし世の中には、「察することのできる人」「察することのできない人」がいます。相手の気持ちや考えを察することのできる人は、一般的にコミュニケーション能力が高く、相手の話を傾聴し、その内容をよく理解して、分かりやすく説明することができます。そのため良好な人間関係を築くことができ、社内外から信頼されて仕事がスムーズに進みます。
逆に察することのできない人は、相手の気持ちや都合を考えることなく、何でも自分の都合を優先して考える自己中心的な人です。一般的にはプライドが高くて上から目線で相手に接する人が多く、自分の考えが常に正しいと思っています。そのため反論されると感情的になり、相手の気持ちを考えることもなく、お客様と口論してしまうことさえあります。

特に今の経営者や管理職には、昭和時代の管理監督型マネジメントではなく、コミュニケーション型のマネジメントが求められています。「察すること」ができるかどうかが、チームをまとめるための重要な能力の一つになります。自分では意識していなくても、いまだに管理監督型マネジメントになっている上司が結構います。またお客様から見ても、自分の気持ちを察してもらえることが信頼につながり、その人の評価につながります。

では、察することが苦手な人はどうしたらよいのでしょうか?
まずは、相手の話を決して途中でさえぎるようなことはしないで、最後までよく聴くこと。そしてその内容を正しく理解して、相手の考えや気持ちがどうなのかをよく考える習慣をつけることです。また、自分の発言に対して「相手がどう思うか」「どう思ったか」を常に意識して想像することです。

そしてもっと大事なことは、自分自身の言動を謙虚に反省し、自己中心的な思考から相手の立場で考えるように、自分自身が変わっていくことです。ところが、察することのできない人は自分が常に正しいと思っているため、概して反省することが苦手で、自分が変わるべきであるとは考えません。でもそのまま変わらなければ、仕事はうまく行っているように思えてもそれは表面的なことで、将来は寂しい人生を送ることになります。実際にそういう人を何人か知っています。

仕事柄、マネジメントやコミュニケーションについて助言する機会がありますが、ときどきそういう人に出会います。自己中心的な「察することのできない人」は、他人のアドバイスを一応聞きますが、自分が常に正しいと思っているので、結局言動は何も変わりません。何度かお話しても全然変わる気のない人に対しては、残念ながら時間のムダになるので、私もその後はアドバイスしません。

職場の部下や後輩には、そういう人を反面教師として「察することのできる」ビジネスパーソンになり、楽しく仕事の成果を上げていくことを期待しています。もっと具体的な話を知りたい方は、直接ご連絡いただければ実例をご紹介します。

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