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#8 大人の自由研究|楽しいことを一緒にやろう

「スナックテレカン」は、北海道と京都に住むミニマム経営者の宿木雪樹(@yuki_yadorigi)と瀬良万葉(@seramayo)が、業務終わりにお酒を飲みながらZoomでしゃべるだけの番組です。

「どんなこと話してるの?」という方に向け、このnoteではPodcastの内容の一部をテキストにまとめています。今回のテーマは「大人の自由研究」。一部抜粋なので、おもしろそうと思ったらPodcastで聴いてみてください!

サンタ・ヘレナ・アルパカ・シャルドネ・セミヨン

瀬良:宿木さんの会社(宿木屋)では、クライアントワーク以外にもチームの皆さんといろいろなことに取り組まれているんですよね?

宿木:はい。うちは文章という商品を売っている会社で、ふだんは「取引先のクライアントのニーズに合わせてこういった文章が必要だよね、だからこういう取材をしよう、こういう執筆をしよう」という感じで、チームで分担して納品する文章を作成しています。

でも、文章というものはもっと幅広くて、誰かのニーズに応じて書く文章のほかに、自分が書きたいと思って書く文章、経験したことを書く文章もあります。私は一緒に仕事をしている仲間の、ふだんの仕事では扱えない文章にもすごく価値があると思っているんです。それで、今年は宿木屋のメンバーと一緒にZINEを作ってみようと思いました。

瀬良:いいですよね、そんな社長、なかなかいないですよ。

宿木:大人になると、お金や家族のために働くというように「何々のために何々をする」が固まっていくと思うんですが、私はその枠を取り払った活動を人生の中においておきたいと常々思っていて。それを「大人の自由研究」と呼んでいるのですが、ZINEづくりもその一環です。

瀬良:「大人の自由研究」、いいですね。その概念はいつごろ宿木さんの中に芽生えたんですか。

宿木:フリーランスになる前に勤めていた会社を辞めたときかもしれないですね。当時は起きている時間のほとんどすべてをその会社に費やしている状態で、その生活を積み重ねていくと自分がなくなっていくというか、その先に何の展望もないことに不安を感じたんです。

休んだり遊んだりしてみましたが、どうやら私はとくに目的もなく遊ぶことに時間を使ってもあまり満たされないタイプらしいと気づきました。なにかテーマがを決めて、仕事と同じぐらいの熱量を注いでるんだけれどもそれは仕事じゃない、というのが好きなんですよ。

瀬良:わかる気がします。宿木さんは熱量を注ぐのが得意なんでしょうね。仕事を頑張ったら趣味は軽くやりたいタイプの人もいると思いますが、宿木さんは何をやっても熱量を注いでしまうんじゃないですか?

宿木:そうだと思います。すごくはっきりしていて、自分が関わるなら熱量を注ぐ、逆に注げないんだったら一切関わりたくないんですよ。

瀬良:わかる…! それで苦しむこともあるけれど、そうせずにいられない。でも、それ(大人の自由研究)を会社でやっているのが偉いなと思います。前に会社勤めで疲弊したと仰っていたので、自分が会社を経営する立場になったら、仕事とは切り離して完全に趣味としてやることもできるじゃないですか。なのに、会社のメンバーと一緒にやろうというのがすごい。

宿木:人によって考え方は違うけれど、私は「仕事」と「趣味」といういう分け方があまり好きじゃないんだと思います。1日は24時間しかないから、楽しく働くのが一番いいのでは、と。「仕事は仕事、趣味は趣味」と分けてそれぞれに時間を捻出しようとするよりも、趣味のように働いて仕事のように遊ぶほうが時間をいっぱい使えるじゃん!と思っています。

瀬良:そうですね。

宿木:だから、会社のメンバーと一緒に大人の自由研究をやっているのかなと思います。私がこんな小さな会社で何かをしたところで、それが大きなムーブメントになることはないでしょう。でも、そんなことをしている会社はおもしろいと思うし、誰かがそれを見ていいなと感じて、同じようなことをやったら、ちょっとずつ広まるかもしれませんよね。

いま仕事でいっぱいいっぱいで、好きなことが全然できていないな…って人が、「そっか、仕事の中に趣味を入れちゃばいいんだ!」と考えて、すこし生きやすくなったらうれしいなあ、なんて思います。

瀬良:そうですね。仕事で出会った人だからといって、狭義の「仕事仲間」の枠に入れちゃうのはもったいないですもんね。

宿木:そうそう。私は宿木屋メンバーのライターさんを、同じ仕事をする人としてすごく優秀であると評価していますが、それだけでなく、人としても素敵だと思っていて、大好きなんです。だから、「一緒に何か楽しいことをやろう!」と誘った感じですね。

瀬良:いいですね。私も現状、そう思える人とだけ仕事ができていて、ありがたい状態です。でも、どこまでこの感じでいけるんだろうって不安になることもあります。事業が成長したとき、みんな悩むのかな。採用って難しいんだろうなって思いますよね。

宿木:そうですね。今のメンバーは業務委託で、正社員の採用はまだしたことがないのですが、一緒に働く人を見つけるのってやっぱり難しいですよ。いい人には、そう簡単に巡り合えませんから。

瀬良:そうですよね。だからこそ、今を大事にしないとな……。

宿木めっちゃメンヘラみたいなこと言いますけど、私、いいと思った人は絶対手放しません。全力で大事にします。

瀬良:わかる。この人!と思ったら、めっちゃ大事にしますよね。そして、そういう人を困らせないためにちゃんと経営を安定させようみたいな思考になるんです。

宿木:私たちが建てた屋台骨が崩れたらすべてが崩れますからね。

瀬良:そうそう。それがフリーランス時代とは違うところだなと思います。

宿木:もし、その屋台を支えている骨が「お金を稼ごう」「有名になろう」だったら、私はこんなに頑張れなかったけれど、今一緒に働いてる人たちと楽しいことをやり続けるためだったら、いくらでも頑張れちゃいます

瀬良:めっちゃわかるな。そうなんですよね。

宿木:だからこそ、ZINEをいいものにしたいと思っています。瀬良さんにもデザインや製本の部分でご協力いただけて、うれしいです。

瀬良:これを聞いた人たち、「このふたり、いろいろ一緒にやってんな」って思うでしょうね(笑)。

宿木:大人の自由研究枠のこと、およそ一緒にやってるような状況になりつつあります。さっき、私は宿木屋で一緒にやっている人たちが大好きだって言いましたが、瀬良さんのことも本当に好きだからね。

瀬良:告白されちゃいました(照)。

宿木:瀬良さんと知り合って話をするようになって、「これやらない?」「いいね、やろう!」みたいな会話ができる相手がいるのって、こんなにも幸せなんだなって実感しています。

瀬良:私も同じことを思っています。たいていの人は「いいですね」とは言ってくれますが、「やろうよ」とは言わないので。私たちは、いい意味でも悪い意味でも行動しちゃうから、話がとんとん拍子に進むんですよね。

宿木:そうなんですよ。目先の収益云々がなくても本気でできるし、楽しいという気持ちをベースにできるから話がすごく早いんですよね。

瀬良:うれしいな。

宿木:私もです、本当に。

全編はPodcastにて

今回のエピソードは「#8 大人の自由研究」からの抜粋です。実際のPodcastでは、文章づくりはチーム競技、生搾りジュース的ZINEとは、という話もしているので、ぜひ続きを聴いてみてください。

ご感想やリクエストがあれば、このnoteへのコメントか、Podcast「スナックテレカン」へのお便り受付フォームまでお気軽にどうぞ。

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