介護業界での採用活動では"QCD"が最も大切ではないか?!
ご存知の方も多いと思いますが「QCD」とは以下の頭文字をとったもので、製造業などで用いられることが多いフレームワークです。
・Quality(品質)
・Cost(費用)
・Delivery(納期)
この「QCD」の考え方は、介護業界の採用活動において最も重要である、と言っても過言ではないのでは?と個人的に思っています。
◆採用活動におけるQCDとは?
<Quality(品質)>
介護業界での実務経験、保有資格、年代、転職回数、個人の人柄や思想、理念共感度の高さなど
<Cost(費用)>
1人当たりの採用予算
<Delivery(納期)>
いつまでに、何人採用したいのか?
◆なぜQCDが重要だと思うのか?
介護業界で人材採用に携わっている方々を見ていると「安く、良い人材を、大量かつ簡単に採用できる方法」を模索している人が多いように感じます。
もう少し具体的に言うと次のようなご相談を頂くことが少なくないです。
↓
「20~30代の介護福祉士、転職歴は0~2回程度で、できれば独身で夜勤シフトなどにも対応できて、1ヶ月以内に入職してくれて、すぐに辞めそうじゃない人を、半年で10名ほど採用したい。でも採用予算はかけられないので、できれば1人あたり数万円まで・・・」
正直、このようなご相談を頂いたとしても丁重にお断りせざるを得ません。それはなぜか?
QCDは常にトレードオフ。何か1つを優先させると、他の2つについては優先順位を下げないといけないから、です。
QCDそれぞれの優先順位を上げた場合の採用方針については、このあと詳しく記していきます。
◆Qを優先させる場合(Quality:品質)
「若年層の介護福祉士を採用したい」
「非常勤ではなく夜勤もできる常勤を採用したい」
「将来リーダーや管理職を任せられる人材を採用したい」など
このように、いわゆる「良い人を採用したい」と思うと、安く採用する事&大人数を採用することは諦めないといけません。
「良い人材を安く大量に採用すること」が出来るのは、例えば現在どこに行っても品薄で入荷待ちの大人気の"ニンテンドースイッチ"で人気の任天堂さんなどの世間一般として誰もが名前を知っているブランド力のある企業です。こういった企業の場合は、多くの就職希望の学生が自社ホームページからエントリーしてくるので、1人あたりの採用コストが安く、大量に採用でき、多くのエントリー者から選べるのでいわゆる良い人材が採用できる可能性が高いです。
◆Cを優先させる場合(Cost:費用)
「なるべく安く採用したい」
と考えるのであれば、いわゆる良い人材(≒即戦力)を大量に採用することは諦めないといけません。したがって「育成視点をもって少人数採用」という採用戦略になります。
コストをかけないと広報活動ができず、多くの転職希望者に御社が採用している事を認知してもらえません。また近隣に1人あたりの採用予算を150~200万円ぐらいかけている採用競合の介護施設がもしあったら・・・と考えてみて下さい。その介護施設はありとあらゆる方法を駆使して、良い人材を採用しようとします。もしかしたら、就職祝い金のようなものを用意するかもしれません。
◆Dを優先させる場合(Delivery:納期)
大量の人材を短納期で採用したのであれば、ハイスペックな良い人材を安く採用することは諦めないといけないので、とるべき採用戦略は「高単価で競合他社が狙わない人材を育成視点を持って採用する」です。
普段は1人あたりの採用コストが30~40万円だったとしても・・・
例1)●年●月までに10名採用しないと人員基準を割ってしまって、大きく減算になってしまう。
例2)急に5名退職してしまった。来月までに5名採用しないと稼働率をさげないといけないので、大きく減収になってしまう。
このような場合は、採用単価を1.5~2倍程度に増やしてでも、短納期で人材獲得をすべきだと思います。
◆まとめ
要は「募集背景に応じてQCDの優先順位付けをすること」が大事だと考えています。
・そんなに急いで採用する必要がないなら、Quality or Cost重視
・急いで採用しないといけないなら、Delivery重視
介護業界は労働集約型ビジネス。
スタッフがいないとご利用者様に満足して頂けるサービス提供が出来ませんし、介護報酬も得ることができません。
そして、人が辞めない職場はありません。
介護業界において、人の採用は常に必要です。
QCDの考え方が少しでも広まれば幸いです。
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