世のデザイナーに介護業界の課題を知ってほしい
こんにちは。株式会社エス・エム・エスのプロダクトデザイナー、戒能 孝祐(かいのう たかひろ)です。介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」のUIデザインを担当しています。
私はこのカイポケのnoteを読まれる方々が、介護業界が今どんな課題を抱えているのか、ピンときているかな?という疑問があります。
普段ニュースなどで高齢化社会などと取り上げられていますが、20〜30代でこれを自分ごとだと意識している人はどのくらいいるでしょう。
かく言う私も、エス・エム・エスの採用面接で初めてこの課題について聞くまで、深く意識してはいませんでした。
ですので今回は、介護業界が抱えている問題をデザイナーの目線でお話したいと思います。
16年後、3人に1人が高齢者になる
現在日本では、急速な少子高齢化と人口減少が同時進行しています。
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によると2040年には高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は35%、2060年には37・9%になると予測されています。
つまり、日本は16年後には3人に1人が「65歳以上の高齢者」となり、その後も増え続けると予測されている状態なのです。
介護サービスの質と量を保つことが難しくなる
では高齢者が増えると、介護業界はどうなるでしょう?
厚生労働省の「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると、高齢化で介護職員のニーズは高まっていき、介護職員数は増えていく見通しになっています。
しかし、高齢者の増加に対しては介護事業者自体が不足していきます。介護職員の不足数は2025年に22万人、2040年には65万人となり、介護職員の3倍以上の人数が足りなくなる見通しです。
このままでは、現在の介護サービスの質・量を保つことは困難になり、今のように充実した介護サービスを受けることはできなくなります。
2040年というと、今から16年後。ちょうど私の両親は70代の後半に差し掛かり、早ければ介護サービスを利用しているかもしれません。
そんなときに充分な介護サービスが受けられない、となったら?
このまま何も変わらなければ、そうなる状況が差し迫っています。
現場の負担を軽くするプロダクト
そんな課題を解決するためにカイポケは以下に取り組んでいます。
介護業界にはまだまだアナログなプロセスが多く、資料を紙で管理している事業所も少なくありません。
計画表の作成や、シフト調整、請求業務などの膨大な事務作業を処理することにケアマネジャーや介護職員は時間を割かれています。
カイポケは、アナログなプロセスをデジタル・クラウド化し、テクノロジーによって効率化することで事務作業時間を短縮し、本質の「介護ケア業務」により時間をかけられるようにすることで、介護サービスの価値を向上させることを追求しています。
リリースから18年を迎え、カイポケの会員数は順調に増加しており、2024年4月1日時点で50,400事業所となりました。
「カイポケ」 フルリニューアルプロジェクト
そして、カイポケは2021年から、継続的な事業成長とサービスの安定性やプロダクトの優位性を高めることを目的としたフルリニューアルプロジェクトを推進しています。
私達プロダクトデザイナーもこのプロジェクトチームに参加しています。
より良いプロダクトを目指して、価値検証、フロー検討、情報設計、画面設計、ユーザーテスト、ブランディングなど、さまざまな施策にデザイナーが関わっています。
まだリニューアルに関して詳細な情報はお伝えできないのですが、ゆくゆくはこの公式noteから詳細を発信していく予定です!
それまで、いましばらくお待ちください。
まとめ
日本は2040年には3人に1人が高齢者になると予測されている
介護職員の不足数が今の3倍になる
介護職員が不足すると介護サービスの「質と量」は低下してしまう
カイポケはデジタルで事務作業を効率化することによって介護サービスの本質的な価値を高めることを追求している
より良いプロダクトを目指しフルリニューアルのプロジェクトが進行中
最後に
これを読んだ方々に「こんな領域でデザインしている人たちがいるんだ」と思ってもらえればとても嬉しいです。
介護業界には、デザインの手が殆ど入っていない場面が多いです。
介護職員の方々は苦しい状態で日々の業務を行っており、そこにはデザインによって解決できることがたくさんあると感じています。
介護職員の方々の働き方が変わり、少しでも楽になる、やりたいことができるようなプロダクトにしたいと思っています。