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脈をとる

確かなものに
触れたくて
木に触れる

だがひとと違い
木に脈はない

脈うつものがないものに
何故こころを許せるのか

石でも川でも草花もそこに流れる血潮はない

だが何故こうもわたしに
触れる気を起こさせのだろうか

冷たいだけ
冷たいだけ

でもその冷たさの中に
流れる得体の知れない
何かの生命力を確かに感じる時がある

大きな木に手を触れ

脈をとる
脈はない

だが脈々と生き続けている
わたしの生まれるずっと前から

木も石も川も草花もずっとずっとある

あり続けている