ごきげんよう。霜村夕季です。
先日、こちらの記事を書きました。
村上春樹さんの『ノルウェイの森』。
村上さんの作品の特徴のひとつとして、
文学•音楽作品や作家、アーティストが作中に多く登場することが挙げられます。
それこそ、小説作品にも関わらず、
ブックガイドやミュージックガイドとしても楽しめてしまうほど。
今回は、この『ノルウェイの森』に登場した文学作品について、まとめてみることにしました。
そんな方はぜひ参考にしてみてください。
『ノルウェイの森』に登場する文学作品
1:エレクトラ(エウリピデス)
主人公と緑が、喫茶店で出会うシーンですね。
2人は同じ演劇史の講義を取っていたのでした。
2:ケンタウロス(アップダイク)
こちらの作品は、現在入手困難なようです。。。
図書館などで探してみましょう!
3:グレート•ギャツビー(フィッツジェラルド)
間違いなく、村上さん一推しである作品。
ご自身も訳本を出されてますしね。
4. ロード・ジム(コンラッド)
他にも、コンラッドの小説について永沢さんと話す描写もあります。
5. 戦争と平和(トルストイ)
緑の実家の小林書店の話の際に登場しました。
昔ながらの、こぢんまりした町の本屋さんって感じのお店のようですね。
ここで出てきた、他の2冊もご紹介します。
6. 性的人間(大江健三郎)
7. ライ麦畑でつかまえて(サリンジャー)
8. 魔の山(トーマス•マン)
早朝の歌舞伎町の喫茶店で、見知らぬ女の子たちと相席する場面。
このあと、直子のいる施設にもこの本を持って行って続きを読んでいたりと、ちょくちょく登場します。
9. 資本論(マルクス)
ワタナベと緑の会話。
ものすごく共感できてしまった。。。笑
10.八月の光(フォークナー)
緑の父を思いながら過ごす場面。
11.車輪の下(ヘッセ)
真夜中の緑の実家、小林書店にて。
『こんな機会さえなければ読み返すことはなかった』作品として登場します。
表現として引用される作品
1.千夜一夜物語
レイコさんの阿美寮への入所のいきさつを語る場面。
シエラザードは千夜一夜物語の残虐な王の妻ですね。
こういった、単語レベルの引用が散りばめられています。
2. 金槐和歌集(源実朝)
この「山が崩れてー』の表現が、
掉尾の「山はさけ 海はあせなむ 世なりとも 君にふた心 わがあらめやも」の引用といわれています。
これに気づいた人も博学だなぁ。
3. ちびくろサンボ(バンナーマン)
色々あった後に、緑にやっと想いを伝えられた場面。
童話からの引用はめずらしく、可愛らしい。
この絵本の”虎のバター”がなんとも美味しそうなんですよね。
ブックガイドとしてのポテンシャルが高すぎる『ノルウェイの森』
ホントはね、この記事で、作中に名前が登場する作家の紹介もしたかったんですよ。
けど、それは別で記事にします!
なぜなら、
文学作品だけでもボリューム充分だから。
いや、多すぎるやろ。笑
これ以上項目増やしたら、記事読みにくいですよね笑
作中できちんとタイトルが出てくる作品だけで11もあるんですよ。
…ほんとかな?私、見落としてないかな?
引用だけ登場するようなものなんて、ちょっと拾いきれないと思う。
これ載ってないっていうのがあれば教えてください。。。
これだけ出てくれば、この作品は小説としてだけでなく、ブックガイドとしても充実してると思うんです。
その作品たちが何かしら魅力的なのだと、作中で匂わせてくれているわけですし。
村上春樹さん、作家としてはもちろんだけど、読書家としても凄いなぁ。
こんな幅広く色んな作品に触れ、尚且つそれを自分の作品の中に活かすなんて、なかなかできる技じゃないです。
『ノルウェイの森』一冊読むだけで、他の多くの作品との出会いも広がる。
これも、村上春樹作品の魅力のひとつですね。
むしろ私には、これが最大の魅力かもしれません。
最後までご覧いただき、ありがとうございました♪
スキ・コメント・フォローなど頂けますと、とっても嬉しいです!励みになります!
今後とも“読みがいのある”“役にたつ”情報を発信してまいりますので、これからもどうぞ応援よろしくお願いいたします♫