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あなたのお金は誰かの借金

中小企業の社長たちと仲よくなって、聞いてみるとすっごく儲けている会社でも借金は、必ずと言ってあるということ。

返さなくていいという助成金や補助金などでも、税金なのだから、借金という見方もできる。

家計であれ、個人経営であれ、結局お金をグルグル回さなければ、破綻してしまうということ。

最近何となく感じていた、これが自転車操業というやつ?
稼ぐために借金(助成金や補助金も含む)して資産をつくり、その利子(税金)を支払う、とんでもない事が起こらない限り、今の生活が安定的に向上するとは思えない。

自転車の乗り方が上手か下手かくらいの差じゃないの・・・
と漠然と思っていた。

でないと、日本で貧困に苦しんでる人たちがとても増えてるという事実は、説明できない気がする。


経済学の本なんて私に読めるのか?
と思いながら、手に取ったのは、新聞の本の紹介記事がきっかけで図書館にリクエストしていたのが、回ってきた。

著者は怒っている

トルコの国立アンカラ社会学科大学の大学院教授、公共貨幣フォーラム代表理事である山口薫氏と日本未来研究センター研究員、公共貨幣フォーラム理事の山口陽恵(やまぐちようけい)氏による共著

まちがったシステムの経済学に則り、日本という国の経営が借金まぐれになり、世界的にも正しいと思われている経営理論が無視され、消されてきたことに、大きな怒りを持っていることが、行間にあふれている。

債務貨幣システムという考えを元に構造改革された結果、猛烈な貸し出しで大量のマネーがあふれ、政府担当者が保身に走ることでバブルを誇張。
融資によりお金が増えていることに誰も気づかない、気づかないふりをした結果、バブルがはじける。
それでもそのシステムを変更することなく、借金地獄へ・・

なぜか、賢い人たちは、その頭脳を社会のために使うことなく、保身に使い
いや、社会に使おうとした人たちは、消されていったということも事実。

それらのことに、とにかく著者は怒っている。

難しいことはわからないけどまとめてみた

貨幣というものの歴史から現代

お金という概念は、太古の昔からあったが、最初は、物々交換が始まりだろう。
人間は、協力して生きていかなければならない単独では弱い動物だということで、食材と労働力、水と道具などの交換で生活を成り立たせていただろう。

そのうち交換するモノの価値がつりあっていない、という問題が出てくるようになると一定のものと交換するようになる。

金(ゴールド)だ

金(ゴールド)を取引する仲介商(銀行)は、金を預かり、その預かり証として銀行券を発行するようになる、これが貨幣になっていくのだが・・・

預かっている金(ゴールド)以上の銀行券を利子付で発行するようになる。
つまり、ありもしない金(ゴールド)を生みだすことをやり出す。
銀行券(貨幣)だけがやり取りされるようになり、金(ゴールド)がなくても信用取引として成立する。

それでも金(ゴールド)と交換を欲した時に銀行が、それを持っていないと困るので、銀行同士で融通しあうようになっていき、中心になった銀行が、中央銀行としてベースマネーを保有、管理するようになる。
(ニクソンショックで金と銀行券を交換できなくなり、貨幣として独立した存在になる)

銀行は中央銀行のベースマネーという後ろ盾を信頼し、ストックのないお金でも貸し出し、利子を得る。
つまり、無からお金を生み出すことができるようになった

各民間銀行は、時代劇の越後屋よろしく、無いお金を貸付、利子を得る不良所得を得るようになり、貸したお金を預金させ、ベースになるお金を創りだしていく。

中央銀行の成り立ちを知っているひとってどれだけいるのかな?
中学校で習った時は、確か政府の機関のひとつのように習ったようにおもうけど、この成り立ちだと、イチ民間銀行やん。

失われた30年って

最近ちょくちょく、出てくる「失われた30年」。先月亡くなった森永卓郎さんの「ザイム真理教」(未読)などでも「失われた30年」について書かれているようだし、何かと話題になっている。

バブル直前、結婚して3年、車の販売をしていた元ダンは、景気よく、建売ながら一軒家を購入、その1年後くらいから、どんどんバブル景気になっていく、1500万くらいで25年ローンの家が、査定8000万とか。

元ダンはウリ高給料だったから、給料が増えてうれしかったんでしょうね、週替わりに車を乗り換えていた。今思い出すと、財政システム破綻の歩みを家庭版でやってた感じ。

入ってくるお金が増えても、使うお金がもっと増えていくわけだから、ふたりめの子どもが生まれたところだったのに、全然良い思い出がない。
「俺が稼いだ金」は俺が好きに使い、家庭のお金は増えることなく、不足はパートなどで賄っていた。
こう書いてるとホント、DVだよ

3人目が生まれたころは、バブルも崩壊、家庭も崩壊で、世間知らずの私が良くやってきたとホント思う。

失われた30年は、うちの子ども達が生まれ育ってきた30年にまるっきりかぶさる。バブルでいいときもあったはずなのに、ちっとも思い出せない。
私にとっては、カラダもこころもボロボロって感じで、もっと子どもにい愛情かけれる余裕ある母でいたかったなって思う。

越後屋お前も悪だのう

この本によると(2018年データ)公共貨幣とは、現在4.8兆円 硬貨だけが政府貨幣として存在している
お金の残り1421兆円つまり全お金の99.7%が債務貨幣、誰かの借金である

誰かとは、家計であり、企業であり、政府の借金ということで、無いお金を中央銀行が貸し出すことで、創造して、借金地獄に落とし込んでいる。

世界のどの国もこのシステムに疑問を持ち、この中央銀行を国有化にしようとプランが発表されたりするが、なぜか主要な会議では無視し、削除されてきたらしい。

自由市場主義と相反するこのシステムは、隠蔽している、中央銀行が政府から独立している民間銀行で、(株式上場もしている)
お金を内生的に創造されて、利付で貸出されているということ。

まさに、時代劇の悪代官に重い菓子折りを送り、貧乏人に金を貸して、娘を抵当に取り上げるという、悪の商人を彷彿させる。

どこかの国の植民地になり奴隷になるのか

この間違ったシステムをこのまま進めていくと、政府の借金はどんどん増え、所得格差は拡大していく
債務貨幣を発行しつづけることで、企業や家計、政府はいづれデフォルトする。

つまり債務不履行 倒産に追い込まれる

そして、今政府が借金している相手は、銀行及び日本銀行、銀行以外の国内貸し手(保険、証券投資、年金など)、海外の貸し手
となっているが、海外の貸し手がじわじわ増えてきている。

そして、日本銀行をはじめ銀行の株主(実際ここの利益になる)は、国内株主だけとは限らない。国際株主なのだから。

国の財政が破綻してしまうと、どこかの国の属国となることになるだろう
2000年ものあいだ、どの国にも侵略されたことのない唯一の日本が本当に危ういのだと感じた。

著者が提案しているシステムは、『政府は自国建ての公共貨幣を発行できる
とし
1:国会の監督下に「公共貨幣委員会」を設置、日本銀行を統合
2:決済性預金に対する決定準備率100%
3:物価安定のために「公共貨幣」がマネーストックを調節

とあり、移行のための登山ルートも示し、公共貨幣でできることを出している。
国民の財基礎体力を回復し、体力強化に非正規社員を正規社員、最低賃金、長期人間力向上、(奨学金など)健康文化的生活保証 子育て世帯 社会福祉、予防医療、などを上げている

素人の私の頭で理解したことを、本の抜粋を使ってまとめてみた。同志社大で教鞭をふるっているときに、この考えを伝えて退職させられたというエピソードものっていた。異国の地で日本の経済のことを案じる著者に賛同するひとが、増えてほしいと素直に思った。

税理士さんに、「借金するのも信用のうち」と言われたことがあるが、気づかないうちに、誰かの借金でせいかつし、年間8万円もの利子を国民は払っているという事実から、
息子が、給料が上がっても税金が増えて、手取りとしては減っているってこれどうよ?と腐していたことに納得した。

#読書感想文
#公共貨幣入門
#経済学
#豊かになれない訳

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