「先生の学校」を始めて8年。事業化して4年。そして、ここから始まる0年。
「いつもお世話になっています」「いつもありがとうござます!」「初めまして」の皆さまも、この記事に興味を持っていただき、ありがとうございます!この記事の目的は簡潔にお伝えすると、「新しいプロジェクトの準備を始めています。一緒にプロジェクトをつくる仲間を募集します。」そんな内容です。
申し遅れましたが、教育メディアコミュニティ「先生の学校」を運営しています株式会社スマイルバトンの三原菜央と申します。「先生の学校」の詳細は後掲するとして、実はこの「先生の学校」を始めて今日(2024年9月24日)で8年が経ちました。記念すべき一歩を踏み出した2016年9月24日の写真が、サムネイル写真(一番上に表示している写真)です。
8年前、まさか「先生の学校」を8年も続けているとは思っていなかったし、勇気を振りしぼって始めた一歩で、自分の人生がこれほどまでに豊かになるとは思ってもいませんでした。だからこそ、「一歩からしか始まらない。一歩を踏み出すのは怖いけど、踏み出したら景色は必ず変わる。」そう感じています。
一歩からしか始まらないことを知っているからこそ、8年の時を経て、今日からまた新しい一歩を踏み出します。もしこの記事を読んで、興味を持ってくださった方、ぜひご連絡をいただけたらうれしいです。
(とっても長い記事になってしまいましたが、お付き合いいただけましたら幸いです)
「しっぱい」だらけの2016年9月24日
まず初めに、8年前に始めた「先生の学校」について紹介をさせてください。
「先生の学校」は、2016年9月に毎月のイベント開催から始まりました。あくまで私のライフワークとして小さく始めたため、任意団体としてのスタートでした。
8年前の今日である2016年9月24日には、記念すべき1回目のイベントを開催。ゲストにキングコング西野亮廣さんやフリーアナウンサーの長谷川豊さん、小劇場界で有名な女性ユニットgmn5さんをお招きし、半年間の準備期間を経て満を持しての開催でした。
しかし結果は、大しっぱい!
無名の団体にも関わらず500人規模の会場を選択し、死に物狂いで集客して約160人の参加者。今振り返ると、160人でもよく頑張って集めたと思いますが、500人の会場に160人というのは会場の半分以上が空いてしまうわけです。
急遽可動する前方の椅子を取っ払ってスカスカ感を解消しようと試みましたが、逆に舞台とお客様の距離が遠くなってしまい、ゲストの方はきっと話しづらかっただろうなと思います。実際に、西野さんからはそのようなフィードバックをいただきました。
何よりも堪えたのは、参加者からのアンケートでした。もちろん好意的なアンケートもありましたが、中には「このイベントがなぜ先生の役に立つのか分からない」という声も。このときは集客数にばかり気を取られて、来てくださったお客様に最大限のおもてなしをするという気持ちを見失っていたのだと思います。
でもこの「しっぱい」があったからこそ、「先生の学校をなぜやるのか、誰を幸せにするためのプロジェクトなのか」に立ち戻ることができ、その後は身の丈に合うサイズ感で、目的を見失わず前に進み続けることができました。
「失敗は、成功のもと」なんて言いますが、「失敗のない成功なんてない」と私は思っています。「失敗は必ずある」そんな心持ちでいた方が気が楽だし、失敗からの学びや気付きこそが宝物だと思うので、失敗したら宝物が手に入る!くらいの気持ちで、一歩踏み出すのが大事なんじゃないかなと思っています。
「失敗」という漢字、イメチェンしたいですね。失う・敗けるではなく、概念が覆る宝物をくれる転機だと私は思っています。
小さな意思表示から4年
1回目は大しっぱいで終わった「先生の学校」でしたが、その後は30名規模のイベントを毎月開催し、1年後には50名以上の方が毎回参加してくださるようになりました。
会社に勤めながら運営していたので、開催頻度は月に1回で精一杯でしたが、それでも年間12回のイベントを通して、たくさんの素敵な先生たち、教育を大切に思う大人たちに出会うことができました。
今でこそ、株式会社という器で「先生の学校」を事業として運営していますが、始まりは本当に小さな一歩。私にとっては、世の中に対する「はじめての意思表示」でした。この活動を小さく積み重ねていく日々の中で、あるとき、ソーシャルビジネスしかやらない株式会社ボーダレス・ジャパン(以下、ボーダレス)に出会います。
2018年の年末に、たまたま見たTwitterで見つけたボーダレス・ジャパン代表のたぐっさん(田口一成さん)の記事。その記事を読んで衝撃を受けた私は、すぐにボーダレスに問い合わせをし、トントン拍子に業務委託の広報担当者として関わるようになりました。
社会起業家が集まるボーダレスの存在は、資本主義のシステムによって引き起きている多種多様な課題に違和感を抱いていた私にとっては希望でした。実際にボーダレスは、荒削りだけどいい人しかいなくて、とにかく良心にまっすぐ生きることができる不思議なコミュニティです。
そんなボーダレスとの出会いをきっかけに、2020年3月に「先生の学校」をただイベントを開催する団体から、メディアコミュニティへとリモデルし、事業化しました。
現在は、日本を中心に世界中の教育現場や先生の熱のある取り組みを取材し、記事や動画に編集してお届けするメディアの役割と、全国の思いのある先生方をつなぐコミュニティの役割を担う、教育メディアコミュニティを運営しています。
メディアとコミュニティ、両輪をスピードと愛を持って循環させることが先生のエンパワーメントにつながり、そして子どもたちのエンパワーメントにつながると考えています。
何のために起業するの?
実は、起業することを決めたときから「私は何のために起業するのだろう?」という自問自答が始まりました。
もともと2016年に「先生の学校」を始めたときは、「先生と子ども、両者の人生を豊かにする」をビジョンに掲げていました。このビジョンは今も変わりません。でも、「何のために起業するのか」については、さらにその上段の概念を明らかにする必要があるように思いました。
半年間思い悩む中で、ふとこんなことを思いました。今までお金も時間も自分のために使い続けてきたけれど、自分のために人生を使うのは終わりでいい。自分の欲は果てしないけれど、私という器には十分に水が注がれ、もう溢れている。これからは、次の時代・次の次の時代を生きる子どもたちのために、持てる時間を使いたいと。
不登校が30万人、自殺者が年500人と、子どもたちから聞こえてくるSOSに対して、自分ができることをしたいと思ったとき、そもそも子どもたちが抱える生きづらさは、子どもたちに原因があって引き起きているのか?という問いが生まれてきました。これは誰もがNOと答えるはずです。
私は今、5歳と2歳の息子の親をさせてもらっていますが、2人を見ていると子どもは生まれながらにしてアクティブラーナーだな〜と思うのです。
何事にも全力!遊びから学んでいく天才!成長スピードに驚くばかりです。そんなキラキラな彼らが、仮に無気力状態になってしまうことがあるとすれば、それはやはり彼らのせいではないと思うのです。
子どもたちを取り巻く環境や制度をつくっているのは大人たち。未来のそばにいる大人たちの生きづらさの問題を解決していくことが、遠回りに見えて根本的な解決につながっていくのではないか。そう信じて、特に子どもたちのセカンドプレイスを支える先生が、自分らしく、ごきげんに働き続けられる環境を作りたい。それが「先生の学校」の出発点だったんだと振り返りました。
起業したいと思うに至った自分の願いが明らかになったことで、会社の屋号は、私の意思や決意を形にしたいと思い、株式会社スマイルバトン(Smilebaton Inc.)と名づけました。
次の世代にバトンを手渡すとき、バトンを受け取る子どもたちが、思わず笑顔になる。スマイルバトンは、次の世代や、次の次の世代が、受け取って思わず笑顔になってしまう社会づくりをするための会社です。
ここから始まる0年のこと
さて、ここからが本題です。(本題までが長くて、すいません🙏)
ここまで記述した通り、子どもたちが思わず笑顔になる社会づくりを目指してこれまで「先生の学校」に8年間取り組んできました。
正直私は飽き性な性格です。だからこそ、無理せずじっくり飽きることなくここまで続けてこられた「先生の学校」という活動が、いかに自分のコアと深い繋がりがあるかを感じずにはいられません。
「先生の学校」を教育メディアコミュニティと表現していますが、取り組んでいることは未来のそばにいる大人たちのまなざし(認知)を緩め、広げ、深める取り組みです。目の前の子どもたちに対する見方・考え方が変われば、かける言葉が変わる、サポートが変わるなど、行動が変わっていくと考えているからです。
一方で、「今」苦しんでいる子どもたちに対して、その状況を知っているにも関わらず何も行動を起こさないのは知った責任を果たしていないのではないかと考えるようになりました。「今」を生きる子どもたちは、「未来の大人たち」です。どうしても未来の教育に対する議論が活発になってしまいますが、「今」より尊いことってあるのだろか…と思うようになりました。
「今」を生きる子どもたちを笑顔にできないで、「未来」を考えるってなんだろう?モヤモヤが止まらなくなり、「今」を生きる子どもたちが幸せな子ども時代を生きられる選択肢づくりをすることに決めました。
具体的には、特定非営利法人スマイルバトンを立ち上げます(いわゆるNPOと呼ばれる法人格をつくります)。現在、書類が受理され申請中。10月末には認証が受けられる予定です。素敵な仲間たちが理事や監事を引き受けてくださいました(その紹介は、また後日このnoteでお話させてください)。
そして、2025年4月より岐阜市にて不登校児童を対象とした無償のフリースクールを開設する予定です。
このプロジェクトでは、「地域の子どもたちを地域で支える・応援する」という新しい教育支援モデルの構築を目指します。具体的には、地域の企業さんと手を取り合い、企業さんからいただく寄付によって、子どもたちが無償で通えるフリースクールの運営を実現していきます。
岐阜市で立ち上げる第1号のフリースクールを1つのモデルとして、あらゆるナレッジをオープンソースにし、他の地域で取り組みたいと考えている方のサポート、ファンドレイジング(資金調達)も支援していきます。
今回のプロジェクトにおいては、
子どもたちの「声」を大切にすること
「無償」のフリースクールであること
オンラインではなく「リアルの場」であること
「地域とのつながり」を大切にすること
地域の文脈と、集う子どもたちやスタッフの声を軸にした「学習体験」を設計すること
全国どこでも始められるよう、ナレッジは全て「オープンソース」にすること
などにこだわっていきます。
「地域の子どもたちを地域で支える・応援する」というのは、費用面のことだけを指しているわけではなく、地域のおもしろい大人たち・想いを持った大人たちとの出会いやつながりが、子どもたちにポジティブな依存先を増やしていくことにつながると考えています。寄付を一方的にいただく関係ではなく、「共につくる」関係を目指していきます。
私は、今でこそ生まれ育った岐阜市のことが大好きです。でも実は、Uターンするまで、もう絶対に岐阜に住むことはないと思っていたほど、岐阜への愛着みたいなものがありませんでした。もちろん人並みに岐阜での思い出はあるけれど、「ここが私の大切な場所」という感覚がありませんでした。
この地元愛・地域愛は、どのように育まれるものなのでしょうか。一つの仮説は、小中高校生の段階で、家族・学校の先生だけでなく、多様な地域の大人に出会うことなのではないか、ということです。ナナメの関係性を作っていくことが、一つの解になるのではないかと考えています。
もっともっと新しいプロジェクトへの思いを語りたいのですが、すでに5,000文字を超え、読むのがしんどくなってきた方もいると思います。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
今後、なぜ無償のフリースクールを立ち上げるという選択をしたのか、立ち上げまでの道のりなどを、このnoteで発信していきます。もしよろしければフォローいただけたらうれしいです!
一緒につくる人、この指とまれ!
ここまで記事を読んでくださり、ありがとうございます!ここからは、「一緒につくりたい」「力になりたい」と思われた方のみお読みいただけたらと思います。
先日、NPOの申請の過程で大変お世話になった担当者の方から、「市役所の方たちにあなたたちの申請内容を共有したら、『無償のフリースクールというコンセプトは素敵だけど、そんなことできたらいいよね…』という話になったのよ」という共有を受けました。そのとき、悲しみと怒りと悔しさが入り混じる複雑な気持ちに一瞬なりましたが、「絶対に実現しよう!」という決意が固まりました。
また先日、ある地元の銀行の役職者の方とお話した際にも、不登校が増えていることをご存知ではなく、「地域の子どもたちを地域で支える・応援する」モデルは、未認知の打破から始めないといけないなと身が引き締まる思いでした。
本来、子どもたちには学ぶ権利があり、大人には子どもたちが学ぶ場を整える義務があります。だから、今のままでいいわけがない。このプロジェクトの進む道はいろいろ険しいこともありそうですが、たくさんのしっぱいをしながら実現していきたいと思っています。
来年4月の開校に向け、ファンドレイジングに精通している方、デザイナーやライター、動画編集者、カリキュラムや授業設計など、プロボノ(スキルのボランティア)でサポートいただける方を募集します。そのほか、寄付だけでなくコラボレーションなど、ぜひうちの企業と!という企業担当者の方と繋がりたいです。
また、LINEオープンチャットにて日々の活動の様子をリアルタイムに発信していきます。今後、常勤スタッフ募集など採用情報も発信予定です。ぜひ、思いを共にできる皆さまと出会えたらと思っております。
こちらの申し込みフォームよりご連絡いただけましたら幸いです。
https://forms.gle/iJDY64D4Ey4sbye57
2024年9月24日 三原 菜央
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