【番外編】ずうずうしい日記 vol.6改めまして、自己紹介
《今日は番外編!》
全10回のずうずうしい日記もいよいよ後半戦。
今回は番外編として、少し自分の話をしてみようと思います…!
《前回記事はこちら》
こんにちは、津田ひかるです。この連載も後半戦に差し掛かってまいりましたが、実はまだきちんと自己紹介をしていない…!
(↑タイトル画像用の自撮り現場を激写される津田。)
自己紹介が苦手で、vol.1のように全員面談ですら自己紹介を避け続けてきたわけですが、クリエイティブに来てから早くも10か月が経とうとしている今、改めてわたし自身のコトや思考を番外編として書いてみようと思います。
津田ひかるを構成する3要素
自己紹介をするにあたり、わたしらしさを表す要素を3つ、抜き出してみました。
①イライラからはじまる
②正攻法はとらない
③無邪気、ではなく無鉄砲
それではひとつずつ、説明しますね。
その1.イライラからはじまる
真面目で心配性な母と、優しくて要領のいい父に一人っ子として育てられたわたしは、自分で言えちゃうくらいには何不自由ない幼少期を過ごしました。欲しがる前に与えられ、なにもかも独り占め。心身ともに常に満たされ、飢餓感を知らぬまま育ったことで、欲や執着があまりないんです。実際、なにかをねだって駄々をこねたことはなかったそう。そんなわたしの原動力になっていたのはいつも、怒りの感情でした。笑
自分が納得できないことを受け流すことができないわたしは、他のひとより、文句がちょーっとだけ、多い。不満を感じると、すぐ口に出してしまうし、売られた喧嘩もことごとく買ってしまう。でもそういう文句やイライラが、いつもわたしの原動力になっていました。
(↑鬼の津田。リンゴ病を発症中。)
中学・高校で弦楽合奏の部活(室内楽といいます)に所属していたときのこと。部員は担当楽器のほかに、学年からひとり学年指揮者を選出し、コンサートを行っていました。
指揮者、というと舞台でかっこよく指揮棒を振っているイメージが強いかもしれませんが、あれは仕事のごく一部。実際は曲のディレクションから練習日程のスケジューリング、マネジメント、実際の指導まで、すべてをほとんどひとりで請け負います。演奏会後にはお客さんからのアンケートによって順位がつけられるというシビアな世界。
学生指揮者は大抵、特にクラシック音楽が好きで好きで仕方ないひとがやる(というかそうでないとできない)のですが、生憎わたしはそうではなかった。それどころか、「指揮者の話ってなんで単調で退屈なんだろう」「ずっと座りっぱなしで眠くなるな」「早く終わればいいのに」とすぐサボろうとする。笑
にも関わらず、同期で手を挙げる人がおらず、譲り合いの押し問答の末、何故かわたしがやることになってしまいました。楽しく演奏できればそれでいい、なテンションで部活に参加していたわたしは、周りの指揮者と比べて知識量の差が歴然。プレッシャーと孤独感で焦る中、同期からの一言に、わたしは火が付きました。
「他にやれるひといないししょうがないじゃん、ひかるでいいと思う。」
「自分でやらないくせに、"で"ってなんだ!」という怒りとともに、「このままじゃ悔しくって終われない、絶対にいい指揮者になってやる」と心に決めました。そしてこの悔しさを卒業まで根に持ち続け、なんとか任期を完走することになります。
(↑指揮者になりたての津田。当時高校1年生。でこが広い。)
文句はビジネスの種になる
その後もずっと、日ごろから小さな怒りや文句を言い、売られた喧嘩を根に持ち続ける性格は変わらない一方で、そんな自分に嫌悪感を抱いていました。嫌なことは適当に受け流して、いいところに目を向けられるようになりたいのに、そうはできない自分の性格の悪さに嫌気がさす感覚。
そんな中受けたスープストックトーキョーの最終面接。
社長の松尾さんから「最近なんでこうなっちゃうの?と思ったことはありますか」と質問されたとき、わたしはここぞとばかりに、日ごろ抱えていた小さな鬱憤を暴露しました。
あ、言い過ぎたかも…と思ったとき
「そういう不平不満がうちではビジネスの種になるから、その目線はそのまま持っていてね」
と言われ、この会社に入ろう、と決めました。自分の性格はなかなか変えられるものではないし、だったらポジティブに生かせる環境に身を置いたほうが幸せかも、と。
(↑最終面接を経て内定直後、猫を被り営業スマイルの津田。)
実際に「なんでこうなっちゃうの?」は社内でもよく使われる言葉で、自分の子供を連れて行きたいと思えるファミレスがないことへの不満から100本のスプーンが生まれ、大事に来ていた服がグラム単位で安く売りさばかれることへのやるせなさからPASS THE BATONは生まれています。わたしのつまらない文句も、N=1としてビジネスになるチャンスが転がっているということです!だからわたしの怒りは、自分のガソリンでもあり、ビジネスの種でもあるのです。
その2.正攻法はとらない
…とは言え今から音楽的な知識を入れたとしても、他の指揮者に追いつけないし、そもそも勉強するのはめんどくさい。悩んだ末わたしは"たのしい練習時間をつくることだけに集中しよう"と考えました。練習に積極的とは言えなかったわたしが、起きていたいと思える時間をつくってみよう、その結果音楽のクオリティが低くても、それは妥協しようと開き直ったんです。
わたしは練習のたびにいくつかの無駄話を用意していきました。合奏の冒頭や休憩明け、みんなの集中力が切れてきたな~というタイミングで津田が無駄話をする。ダダ滑りすることもありましたが、大抵はみんな笑って聞いてくれていて。いつしか携帯のメモ機能はわたしのネタ帳になりました。
他にも立って練習してみたり、楽器で弾かずみんなで歌ってみたり、曲のイメージから連想ゲームをしてみたり。そのうち部員はわたしの練習時間を楽しみだと言ってくれるようになりました。これでわたしの目標は達成したはずだったのですが、その後結果的に曲のクオリティも上がり始めたんです。
練習に対しての関与が上がり、自然と練習の質が上がる。上手く弾けるとより楽しいと実感して、主体的にクオリティをあげようとする。結果わたしに足りない音楽的な知識や考察も、部員側から集まってくるようになりました。
(↑引退公演の津田。とみんな。ステージではいつもアンパンマンの靴下でゲン担ぎ。)
わたしが思っていたよりもモチベーションが音楽に向いていない部員は多かったんですよね。クラシック音楽を好きでしょうがないひとは指揮者をはじめとするごく一部のひとで、わたしのようになんとなく楽しければいいや~なモチベーションのひとは実は他にたくさんいた。(口には出さないだけで。)そういう部員のモチベーション向上が、結果的に曲のクオリティにも大きく影響する要因だったということです。
スマイルズのクリエイティブでは基本、真っ向勝負は挑みません。ひねくれものばっかり。笑 技術一本!で勝負したら他に負けてしまうからです。いろんなものとかけ合わせたり、論点をすり替えたり。そうやって価値基準を変換して、ユニークネスを生むのが常套手段。(姑息とも思えるけど)今考えればわたしは、そういう点でスマイルズっぽいやりかたをこの時既にやっていたのかもしれません。
その3.無邪気、ではなく無鉄砲
先日、広報のハナツミさんからこう言われました。
「津田ちゃんって、無邪気ではなくて、無鉄砲だよね。」
キモトさん(vol.3で登場)が"無邪気"だとよく形容されるのに対し
津田は"無鉄砲"なのだそうです。
【無鉄砲】
是非や結果を考えずにむやみに行動すること。また、そのさまや、そのような人。むこうみず。「―な計画」
なるほど、言われてみればそうかもしれない。
我が家はいわゆる転勤族で、わたしも幼い頃から引っ越しや転校を繰り返してきました。パキスタンにいたかと思えば、突然帰国し、次はベトナム。自分ではコントロールし得ない、大きな環境の変化が前提にある生活でした。
でもわたしは毎回、その変化が楽しくて仕方なかったのを覚えています。今の環境から離れる寂しさや不安より、新しい場所への高揚感が常に圧勝。「繰り返し転校させて大丈夫かしら…」と心配する母をよそに、「世界中に友達できちゃうー!」と大はしゃぎ。未知なる環境へ飛び込むことはわたしにとって、同じ場所に留まるよりも自然なことで、だから今でもついついエイヤー!したくなっちゃうみたいです。迷ったら、よくわからないほうを選びたい。
(↑異国の地で、キリンに餌をやる津田。当時3歳。)
"やったことない"を繰り返す
わたしには「やりたいこと」はありません。どうしても手に入れたい!みたいな執着も、こうでなきゃいけない!という制約も、このひとみたいになってやる!という嫉妬も、ない。どんな場所でも、自分なりのたのしみかたを見つけられる自信があるから、どんな選択肢もそれぞれいいな、と思っています。だから、ポジティブに「なんでもいい」んです。
と同時にわたしは、「やったことない」をやり続けることで自分の価値をつくりたいと思っています。スペシャリストにはなれないかもしれないけど、いつかそれがわたしの武器になっていく気がしていて。
ノザキさんがよく言う
「やったことないことも、一度やればやったことのあることになる。それを続けていけば大抵のことは"やったことあるし、できる"と言える状態になる。」
という話も、先日とある会社の社長さんから出た
「やったことないことをやるスキル、っていうのが重要。やったことのないことでも、それを実現するために必要な要素に分解し、組み立てられる思考があれば、どんなことでも大抵やれると思う」
という話も、まさにそうだなあと。
"やったことないことやる力"をメキメキつけ、足りないリソースは都度持ち込むことで、"なんでもできちゃう力"に進化させたい。
(↑採用のイベントに合わせて、段ボールでガチャガチャを制作した津田。とSSTの先輩ヒラタさんとモリゴウさん。)
実際、スマイルズで受ける案件は本当に多種多様。配属から10か月、たくさんの案件が進行していますが、ひとつとして同じ仕事はありません。
わたしにとってはもってこいのようにも見えますが、反復練習ができないうえに、プロジェクトの進行状況を俯瞰する目を持っていないと、あれ、わたし今なにしてるんだっけ、と迷子になりがち。学びもチャンスも溢れているけど「ここにいれば成長できるだろう」なスタンスでは、きっとなにも得られません。
だからこそわたしはこの場を借りて、"なんでもできちゃう力"獲得宣言をします。まだまだキャリアと呼べるものもないクセに、こんなことを話したら恥ずかしい黒歴史になる可能性もありますが、これはいまのわたしが精いっぱい背伸びをした宣誓です。
改めまして、津田ひかるをこれからも見守っていただけますよう、お願いします!
//////////////////////////////////
▼クリエイティブチームのお仕事について
▼この記事を書いた人
津田ひかる(つだ・ひかる)|プロジェクトマネージャー
1996年、兵庫県生まれ、パキスタン・ベトナム育ちの一人っ子。慶應義塾大学環境情報学部で社会学・コミュニケーションデザインを学び、卒業。2019年株式会社スープストックトーキョーに新卒入社し、アトレ恵比寿店での経験を経て2020年クリエイティブ本部へ異動。現在はプロジェクトマネージャーとして、主に外部案件のプロデュースやコンサル、企画を担当。