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不登校と兄弟関係

「どうやって聞こうか②」がまとまっていないので、今回は不登校と兄弟関係というテーマでお話をしてみたいと思います。

 以前、下記のような相談をいただきました。

 「わが家には小学生の子が2人います。兄が小学校4年生で、妹が小学校1年生。兄が不登校になり、今は家のなかで自由にさせています。ところが、兄が妹を攻撃するので困っています。妹の物を取り上げる。嫌味なことを言い続けるなどです。兄は私といると二人でいるときはなんの問題も起きませんが、三人でいると、ちょっかいを出します。どうしたらいいのかと困っています」

 私自身2人の子を持つ親として、日々子育ての難しさを感じていますが、不登校という状況が生じたことで、そんな難しさがより色濃く見えてくることがあります。

 私たちのフリースクールから生まれた「親サロン」でも、兄弟のことが話題に上がります。例えば、兄が不登校で日中親と一緒にいることを弟が妬いたり、一方で弟の学校の話を親が嬉しそうに聞いている姿を見て兄が落ち込んだり、親としてはどちらにも平等に接しているように気をつけているつもりでも、なかなかうまくいきません

 そんな課題の解決につながりそうな三つの糸口を考えてみました。

 まずは、物理的に兄弟の距離をとってあげる、ということです。意地悪されている子の安全を確保する、ということが第一です。同時にそれは意地悪させないということでもあります。そして、“仲良く”に必要以上に力を注いで親自身が疲弊しないことも大事です。

 次に、不登校の子の想いを話せる相手を増やす、ということです。あるご家庭ではその役割をお父さんが担っているようでした。そのように、誰か一人が子どもの想いを全て受け止めることがないようにする。また、子どもがフリースクールのスタッフなどに話をすることで気持ちが楽になっているケースもありました。それは家庭の外に助けを求める相手がいるという点でも、とても重要ではないかと思います。

 そして最後に、子ども達が親にとってどちらも大事な存在であるということを、(親として)自分に合った形で伝えていくということです。どのような形であっても、自分ができる方法で伝え続けていくということが、「やっぱり意味があった」と、実感としてあるというのが親サロンでの一致した感想でした。

 きっとそうした想いは、やがて家族で話し合い、理解し合う上での大切なベースになると思いますし、家族関係がより深まることにつながるのではないでしょうか。

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