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#25「何をするか?」よりも「何を抱くか?」- ポジティブ心理学 -
この記事では、「仕事を ”天職“ だと捉えている人がどのように ”天職” を見つけたのか」について、数回に分けて一緒に学んでいきたいと思います。前回の記事では「普段会う人を変えることで自分の仕事を ”天職” にしていく」ということを一緒にみてきました。
今回の記事では、自分の仕事をもっと高次元から見ることで「天職」にしていくという方法について、一緒に学んでいきたいと思います。
「何をすること」が自分の仕事?
さて、いきなりですが、こちらの写真をご覧ください。この人たちは何をしていると思いますか?この人たちの仕事は何をすることでしょうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1717636490289-UtkXrHI0P5.jpg?width=1200)
「いきなり、何の写真を見させられているんだ!?」と思われるかもしれませんが、少しお付き合いください。この人たちは何をしていると思いますか?この人たちの仕事は何をすることでしょうか?
おそらく、多くの方は「プロレスをすること」と答えられるかと思います。そうですよね、彼らはプロレスラーで、仕事は「プロレスをすること」です。一方、彼らは、よくインタビューでこんなことを口にします。
こんな時代だからこそ、俺らは身体を張って、ファンに夢や元気を与えないといけないんだよ!それがプロレスなんだよ!
小4の時から大のプロレスファンである僕にとって、こういうセリフにめっちゃしびれちゃうんですが、それはさておき、このセリフの中に、自分の仕事を「天職」に作り変えるためのヒントがあります。
もちろん、彼らが仕事としてやっているのは「プロレス」です。しかし、このセリフを発したプロレスラーは、プロレスを通して「ファンに夢や元気を与えること」が自分の役目だと信じています。勝ち負け以上に「ファンに夢や元気を与えられたか」の方が大事なんです。これが3つ目の天職の作り方のポイント、「自分の仕事をもっと高次元から見る」です。自分の仕事が周りの人やお客さん、社会、国、ひいては、この世界にどう役立っているかを考えることで、その仕事の意味や意義を深く感じ、「自分がその役目を担っているんだ」と、自分の仕事が「天職」に思えてくるというイメージです。自分の仕事を「天職」だと捉えている人たちは、このような認知の変化によって、自分の仕事を「天職」に作り変えていました。
「何をするか?」ではなく「何を抱くか?」
そういった意味で、同じことをしていても、その人が「何を心に抱いているか」でその仕事の意味合いが変わってきます。前々回の記事で見たある病院の清掃員の方も「衛生は医療の要であり、私はそれを担っているんだ」と自分の仕事を「天職」だと捉えていました。(前々回の記事はこちら)
自分の仕事を「天職」だと捉えている人たちは、ちょっと視座を高くして、「今、自分がやっている仕事は、この社会の中でどう役立っているんだろうか?」を考えることで、自分の仕事を「天職」にしていたんです。
自分が行っている仕事の抽象度を上げる
もちろん、自分が今やっている仕事内容そのものが嫌いな場合、なかなか視座を高くして、その意味合いを考えても「天職」と捉えることは難しいかもしれません。一方、自分がやっている仕事内容の抽象度を上げていくと、少し見え方が変わってき、「ああ、結構、大事なことしているんだなあ」と思われる方もいらっしゃるんじゃないかと思うんです。学校で子どもたちに英語を教えているのではなく、相互理解を促し、世界平和に貢献している。カフェでコーヒーを売っているのではなく、人々に安らぎの場を提供している・・・などなど、ちょっと一歩、立ち止まって、自分自身の仕事の意味合いを少し高い視点から見てみると、仕事に対して、また違った意味合いが生まれてくるかもしれません。
ぜひ、試しに一度、やってみていただきたいんですが、この抽象度を上げていくプロセスにおいて、映画制作者であるAdam Leipzigさんの「5分間で人生の目的を見つける」というTEDトークが少し役立つかもしれませんので、ぜひ、こちらをご参考にしていただけたらと思います!(日本語字幕付き)
さて、ここまで、自分の仕事が社会にどう役立っているかを高い視座で見てみることで、自分の仕事を「天職」に作り変えていくことを一緒に学んできました。皆さんの置かれた状況ではいかがでしょうか?皆さんの仕事は誰にどんな変化をもたらしているでしょうか?ぜひ、考えてみてください!
次回は、自分の仕事を天職に作り変える方法として、「自分の強みを活かす」ということについて、ポジティブ心理学の研究を基に一緒にみていきたいと思います。(つづく)
【参考文献】
Wrzesniewski, A., and Dutton, J. E. (2001). Crafting a job: Revisioning employees as active crafters of their work. Academy of Management Review, 25, 179-201.