高齢者の転倒を防げ!
今朝の北海道新聞に転倒労災が過去最悪のペースになっているという記事がありました。この背景には働く高齢者が増えていることがあると言います。
北海道では、この時期、ツルツルの凍結路面での転倒事故も増えます。転んでケガをする人の多くは高齢者です。
高齢者はなぜ転ぶのでしょうか?
それは加齢によって体力が低下するからです。
体力といっても筋力だけでは持久力やバランス力、柔軟性、俊敏性など身体の全体の機能とそれらを制御する能力、身体操作性が全体として低下するからです。
また、それらの身体能力が低下すると体幹力も低下します。体幹の強さや柔軟性は腹筋や背筋、姿勢など全ての機能を総動員して調和させて機能するものですから、体幹も加齢によって大きく低下するのは避けられないでしょう。
転倒による労災は腰痛などと同じく「行動災害」です。
行動災害とは、主に労働者の行動や動作に起因する事故を指します。作業環境や機械設備の問題ではなく、労働者個人の行動や身体の使い方に関連する要因が中心となる災害です。具体的には下記のような要因によるものを行動災害と言います。
• 労働者自身の身体的な行動に起因する災害
例: 不適切な姿勢や動作、体力の限界を超えた作業。
• 外部の直接的な危険要因(機械の故障や外力など)が存在しない場合に発生する災害
例: 自らバランスを崩して転倒、荷物を持ち上げる際の腰痛。
• 労働者の身体的・心理的な状態に影響を受ける災害
例: 疲労やストレスによる不注意で発生する事故。
実際の行動災害には下記の様な事例があります。
1. 転倒災害
• 作業中に足元の段差や滑りやすい床でバランスを崩して転ぶ。
2. 腰痛の発生
• 重い荷物を不適切な姿勢で持ち上げた際に腰を痛める。
3. 墜落・転落事故
• 高所作業中に自身の動作ミスで足を踏み外す。
4. 筋肉・関節の損傷
• 無理な体勢や繰り返し動作による負傷。
5. 接触事故
• 周囲を確認しない動作で機械や物体にぶつかる。
つまり、若い人たちと同じ作業環境で働いているにも関わらず、高齢者に多い労災というのは、だいたい行動災害です。
では、行動災害を予防するにはどうしたら良いでしょうか?
転倒しないように、床を滑らなくするとか、段差をなくす。手すりをつける、整理整頓をしっかりして動線を確保するというのは、常にやられているとおもます。
次に必要なのは、労働安全教育の徹底による労災予防意識の向上、自らの体力の衰えを知ること。そして、体力づくりをすることです。
これらのサービスは、職場で定期的な体力測定を実施し、その人に合った運動メニューをトレーナーがから提案され、実際に体力づくりを意識することで改善します。
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