今年はウエルネス経営元年にしよう
昨年度の出生数は70万人を切ることが確実になりました。60年前には毎年、200万人ぐらいだったので、1/3ほどに減少したことになります。出産適齢期の人口が減少する上に婚姻率も出生率も下がり続けています。基本的に日本人の人口が今後増加する見込みはありません。
一方で平均寿命は延伸しており、高齢者は増え続けいています。昔よりも高齢者が元気で、働く意欲も高まっています。高齢者の社会保障費の増大もあって定年は延長され、年金支給年齢も引き上げられており、今後も高年齢労働者の労働参加は増えていくものと思われます。
現役世代では、新規学卒就職者の3年以内離職率が3割を超え、転職率も7%を超える高い水準で推移しています。
つまり、労働市場の流動化は着実に進んでいます。
日本型雇用と言われている終身雇用、年功序列と言うメンバーシップ型から、専門的な知識や技能を持つ人を職域をかぎって採用するジョブ型に移行しつつあります。
日本型雇用では、手厚い社員教育や研修制度などがありましたが、すぐに転職してしまうと教育コストが無駄になります。これからは組織の教育に依存せず、自己研鑽できる人が労働市場で強みを発揮することになります。
「ゆるブラック」と言われるように、企業が過剰なホワイト化を求める結果、仕事を通じた成長を感じられず、焦りを感じて離職する人もいます。仕事ができる人は、組織の内外で常に成長できる機会を探すようになります。
一方で、企業、組織側は優秀な人材をつなぎ止めるために、さまざまな努力が求められるようになります。多様性の時代ですから、従業員ごとに組織に求めるものが変わってきていますから対応が難しくなっています。
全年代で、常に自己研鑽に励み、能力を高めようと努力する人と、それができない人の間での格差が広がっていくと予想されます。
自己研鑽は仕事に関する知識やスキルだけではありません。幅広い教養やコミュニケーション能力なども求められるようになるでしょう。そして、最も重要なのは健康です。体力、気力が充実していて、精神的にも安定した状態、すなわちウエルビーイングであることが求められます。
「軽労化ナビ」を導入している企業では、経営者や従業員のウエルビーイングが高い傾向があります。そのような企業は、働きがいと働きやすさのバランスが取れていて、仕事を通じた成長や達成感を得ることができるようです。結果として離職率は低く、業績も高くなっています。
健康経営を実践している企業の離職率は、全国平均の半分以下とのデータもありますので、社員のウエルビーイングは企業の業績を高めることは統計的にも認めらています。
今年こそ、「ウエルネス経営」に取り組んでみませんか?