【SREインタビュー】1人目SREがスマートラウンドに入った理由とこれから
こんにちは!スマートラウンドの杉山です。
今回は、5月に入社したスマートラウンドの1人目SREの山原崇史さん(Twitter @shonansurvivors)へのインタビューです!
山原さん個人のブログでも、具体的な転職活動の背景や方法など参考になる記事が公開されています。こちらも併せてご覧ください。
▼山原さんの転職活動に関するブログ(トレンド入りしました🎉)
CTO小山からのコメント
SIer、メガバンクへの出向からSREまで
ーー山原さん、入社おめでとうございます!最初に、今までの経歴を教えてください。
大学卒業後は生命保険会社の子会社SIerに入社して基幹系システムのプログラマーとして実装から要件定義まで様々な工程を経験しました。
その後、システム開発に関わる仕事の中でもプロジェクトマネジメントに興味が移っていき、より大規模なプロジェクトに関われそうと考え、銀行系シンクタンクのITソリューション部門に転職しました。そこではメガバンクが法人顧客向けに提供しているWebサービスの担当となり、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクト管理や要件定義に携わりました。
その他にも、在籍中の数年間はメガバンク本体の複数部門に出向する機会があり、開発以外にもシステムに関連する様々な業務を経験をすることができました。具体的には、システム部門ではCIO(最高情報責任者)のスタッフとして様々なタスクをこなしたり、発注側(銀行)と受注側(SIer)双方の課題解決や利害調整を支援するPMO(Project Management Office)を担当しました。
また、リテール部門に出向した時には個人顧客向けスマホアプリの企画業務などにも取り組みました。ユーザー調査のために慣れないながらも銀行員として銀行の支店に立って接客(スマホアプリの利用ご案内やヒアリング)をしたこともあり、苦労はしましたが今では良い思い出となっています。その調査結果をもとに練った企画で特許を取るようなこともしました。
そんな中、当時(2018年ごろ)海外の銀行の事例などを耳にすると、システムを外注するのではなく銀行本体でエンジニアを直接雇用して内製かつアジャイルで開発を行い、インフラにもオンプレミスではなくAWSのようなパブリッククラウドを利用しており、日本との違いを強く感じました。また、国内であっても新興のフィンテック企業などはやはりそのような開発スタイルをとっていました。
一方で自分のこれまでのキャリアを振り返ると、一貫してシステムに関わってきたものの、こうした開発スタイルに適応できるようなスキルや経験を持ち合わせていないことに気付きました。日本も今後ますます内製開発やクラウド利用が広まっていくと思い、いったんキャリアをリセットすることにして、ある程度自分でプログラミングを学び直した上で内製開発を行っている事業会社を探して転職することにしました。
転職先のベンチャー企業では最初は自社で使用するWebアプリケーションのコードを書く仕事を担当していましたが半年後に異動があり、思いがけずSRE(Site Reliability Engineer)のチームに配属になりました。SREチームではAWSを触る機会が多く、AWSは元々やりたかった領域だったので非常に嬉しかったですね。そこからはSREとしてのキャリアを継続しています。
スマートラウンドのSREの役割
ーースマートラウンドを知ったきっかけを教えてください。
最初はCTO小山さんからTwitterのDMでカジュアル面談のお誘いをいただきました。スカウトの文面がとても丁寧で、私がSREになってからの各種アウトプット(技術ブログ、イベント登壇、コミュニティ活動、書籍等)にも触れ、パーソナリティを見た上でなぜ自分をスカウトしようとしたかの理由が詳細に書かれていたのがとても印象的でした。
カジュアル面談ではsmartroundのデモを見せてもらい、とてもユニークなプロダクトだと感じたことと、キャリアのどこかでアーリーステージのスタートアップで1人目のSREとしての経験を積みたいという思いがあり、選考に進むことを決めました。その後、オファーをもらい、入社を決めました。
ーーそもそもSREってどのような役割なんでしょうか?
システムにおいて、求められる機能を一定の条件の下で障害を起こすことなく使える確率のことを「信頼性」といいます。その信頼性をどの程度とすべきか目標を定め、これを維持することに自身で取り組んだり、あるいは周囲のエンジニアができるように支援するのがSRE(Site Reliability Engineer)です。
プロダクトの何かの機能を作ることを「開発」とすると、SREはその機能がリリースされた以降の話、つまり「運用」に着目します。そのために、プロダクトの土台となるインフラに関して異常が起きたとしてもサービスを継続できる構成にしたり、運用中のシステムの状態を適切に把握するためのモニタリングの仕組みを整備したりといったことを行います。他にも、障害が起きてそれが収束した後に個人を責めること無く根本原因を分析して今後に活かす、といった文化を組織に醸成するようなことも担います。長くなってしまうのでこれぐらいにしますが、本当に色々なことをやります。
ーースマートラウンドのSREとしての具体的な業務内容としてはどんなものがあるのでしょうか。
セキュリティの向上のためにAWSの管理画面のSSO(シングルサインオン)化を行いました。smartroundの環境は本番環境やステージング環境などに分かれていますが、エンジニアが使うAWSの管理画面の入口もそうした環境ごとに分かれており、そこへログインするためのID(IAMユーザー)とパスワードもこれまでは環境ごとに独立していて管理が煩雑になっていました。これを会社で使用しているGoogleアカウント1つでログインできるようにしました。
また、セールスとエンジニア双方にメリットのある施策となるのですが、新しい環境をもうひとつ構築することを現在考えています。当社ではsmartroundの導入をご検討いただいているお客様向けの商談の場で、ステージング環境を使ってデモをお見せすることが多いと思いますが、ステージング環境はエンジニアが開発途中の新しい機能を頻繁にリリースしているので、本番環境などと比べて不安定です。最悪、商談の途中でバグが発生してしまうということも考えられなくありません。そこで、デモ専用の環境を新規に構築することで、セールスは安心して商談を行え、またエンジニアは商談を気にすることなくステージング環境へのリリースやテストを行えるようにしたいと思っています。
結果として、エンジニアは開発の効率が上がり、ユーザーの求める機能がより高速に本番リリースされることに繋がります。こうしたリリースサイクルの高速化というのもSREの仕事のひとつになります。
▼そんな山原さんが入社4日目までに考えたAWSのセキュリティ向上に関する資料はこちら
SREの枠を越えてチームへ貢献
ーー働いてみてのギャップはありますか?また、働き方はどうでしょう?
とても働きやすいと感じています。特に気に入っている点が、お客様の機密情報などを除き、社内の情報がほぼフルオープンになっていることです。社員それぞれの役割を越えて当社がいまどんな動きをしているのか、知ろうと思えば知ることができるところがスタートアップならではの一体感があって好きですね。
また、ワークライフバランス的なところで言うと、小学生の子どもがいるのでフルリモートであることはとてもありがたいですね。ちょっとした学校関連の行事などに対しても時間の融通が利くので、とても助かっています。
ーー最後に、今後やっていきたいことを教えてください。
特にインフラエンジニアやSREの方に興味を持ってもらえそうなキーワードを散りばめていきますが、モニタリングの改善によるオブザーバビリティの向上、AWSマルチアカウント戦略の推進、アプリケーションやTerraformのCI/CD整備、SLI/SLOの導入など様々な取り組みをやっていきたいと思っています。また、今はSREは私一人ですが、多様性がとても大事だと思っているので採用にも力を入れてチームを組成していけたらと思っています。
SREとは違う観点では、自分の職種に囚われることなく、ビジネスサイドともコラボレーションしていきたいと思っています。スマートラウンドでは銀行出身者が多く、銀行勤務経験者である私としては何か巡り合わせのようなものを感じています。彼らの活動にちょっとしたリアクションを取ることで応援したり、役に立ちそうなニュースをシェアしたりするなど、小さなことから貢献していけたらと思っています。そうして、一緒に良いプロダクトをユーザーに届けられたらと思っています。
ーー山原さん、ありがとうございました!
Webエンジニア(Generalistタイプの方向け)
Webエンジニア(Specialistタイプの方向け)
Webエンジニア(副業)
フロントエンドエンジニア
SREエンジニア
QAエンジニア