CEOが交代し1年が過ぎました〜指名委員会設置のお知らせ〜
こんにちは、CFOの玉木(@tamaki-ryo)です。
本日発表された通り、2023年3月30日付で指名委員会という機関が設置されました。
何をする委員会なのか?ざっくりいうと「会社の代表者(代表取締役、社長、CEOなど)をはじめとした経営陣の選解任やサクセッションを議論し案を策定する機関」のことです。
それは突然やってきた
既にご存知かもしれませんが、SmartHRでは2022年に創業者の宮田さんから前CTOの芹澤さんへCEOが交代しています。
私が最初に宮田さんからCEOを退く意向があることを知らされたのは、2021年5月の1on1でのことでした。
サクセッションプランニングの重要性
想像してみてください。もし皆さんが自分の会社のCEOに1on1で「辞めようと思っている」と言われたら。何を考えるでしょうか?
「そんな事あるわけない」と思うかもしれませんが、実際SmartHRではありました。
そんなときに必要とされるのが サクセッションプランニング(後継者育成計画)です。
もちろん当時のSmartHRにはサクセッションプランニングなど存在するわけはなく、かなりの時間をかけ、社外取締役やステークホルダーとの議論を重ね意思決定することで、当時のCTOだった芹澤さんが新CEOに就任しました。新経営体制へ移行後も会社は変わらぬ成長を遂げ、現在に至っています。
結果として宮田さんから芹澤さんへのサクセッションがうまくいったものの、再現性があるかと問われると自信を持ってYesとは言い切れないというのが正直なところです。
どんな経営者でもいつかはその役割から離れる時が来ます。「そのときに備えてサクセッションプランニングを策定し実行する」というのは企業の長期的な成長のためには欠かせない活動だということをこの出来事を通して身にしみて痛感しました。
コーポレート・ガバナンスの観点
宮田さんのように「会社の成長にあわせて起きる環境の変化に、適応し続けることが難しくなった」と客観的に自分を捉え、交代の必要性を自ら口にするCEOは非常に珍しいかもしれません。
むしろ、交代のタイミングを適切にキャッチできなかったり、「スタートアップ創業者 = CEO」が当然のことと思い「他に適任者がいるのでは?」とは誰も疑問を持たなかったり、ということのほうが多いのではないかと思います。
コーポレート・ガバナンスの観点からは、このかなり難易度の高い潜在的な課題をいかにタイミングを捉えて適切に意思決定していく体制を作れるか、ということが重要になってきます。
また、この対象がCEOだけでなく、他のCxOなどの執行責任者や最重要ポジションにまで範囲を広げるとなると気が遠くなるような思いです。
指名委員会の役割
サクセッションプランニングは一朝一夕に作れるものではありませんし、適切な後継者候補が都合よくいるわけでもありません。誰かの一存で決めるべきものでもないですし、選任プロセスの妥当性やステークホルダーへの説明責任も伴います。
そういったことを総合して「会社の代表者(代表取締役、社長、CEOなど)をはじめとした経営陣の選解任やサクセッションを議論し案を策定する」のが指名委員会です。めちゃくちゃ重要な機関だという気がしてきましたね。
実際のところ、企業が長期(数年スパンではなくもっと長い視点で)に渡り成長しコーポレートミッションを実現していくためにはとても重要な役割を果たす機関ですし、その人選も超重要です。
指名委員会のメンバー
この1年間、準備委員会を組成し立ち上げの案を協議してきた結果、この方々に指名委員をお願いすることになりました。それぞれの任命の背景は次のとおりです。
松﨑 正年さん(社外取締役, 取締役会議長)
社長を務められたコニカミノルタのみならず、数多くの指名委員会が設置されている企業での取締役としての豊富な経験や知見、マインドをSmartHRに注入してもらうべく、指名委員会の委員長をお願いすることになりました。
尾西 祥平さん(社外取締役, 監査等委員会委員)
初期の頃から監査役、社外取締役としてSmartHRという組織を長く見守って頂いています。弁護士としてのバックグラウンドだけでなく、スタートアップ特有のカルチャーや企業フェーズを踏まえた上でバランスのとれた議論をリードしていただける方として、指名委員をお願いすることになりました。
内藤 研介さん(共同創業者, 取締役, 監査等委員会委員長)
言わずと知れたSmartHRの生みの親。社外取締役が過半を占める委員会の中で、会社のこれまでの成り立ちや現状、未来などを解像度高くサクセッションプランニングに反映させていくための結節点となる役割として、常勤取締役の中から唯一入っていただくことになりました。
おわりに
先程「指名委員会はめちゃ大事、人選も超重要」と書きましたが、こういった会議体は、その裏方で運営を支える事務局がとても重要だったりします。
指名委員会に限らず取締役会や各種委員会などを支えてくれている各会議体の事務局メンバーの皆さんには、この場を借りて感謝を申し上げます。本当にいつもありがとうございます。
今回の指名委員会設置で、監査・報酬・指名のいわゆる三委員会の設置が完了し、コーポレート・ガバナンスの基礎が整備されたことになります。これからは更に一段ギアを上げて、「いかに実効性を発揮することでコーポレート・ガバナンスを機能させていくか」という段階へと移っていきます。頑張るぞ!
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