
宿の親父とPerfumeと その2
さて、昨日の続きである。
車に乗り込むとオーナーは色々質問してくれる
オーナー「今日は仕事の休みですか?」
私「いえ、大学(院)生で授業がないんです」
オーナー「どちらから」
私「札幌です」
こんな感じで一通りの自己紹介をしていく。
オーナー「どう旅行してるの?、6日パス?あーあれを使わないのはもったい無いよね、どう回っているの?、6日じゃ函館までは行けないし」
こんな感じで会話は進んでいく。Perfumeのライブは中盤に入ったのか、歌からちょっとしたパフォーマンスに移っていく。
オーナー「そういえば大学院では何を研究しているの?」
私「地域創生とか、そんな感じです」
ここからオーナーの口調が急に滑らかになる。その地域には「地域おこし協力隊」が6にん?ほどいるという話とか、観光があるとそれを基盤に雇用が生まれていく話とか、オーナーがこの地域に来た頃(出身はここではないらしい)と比べると若者はいなくなり年寄りが減るから人口減少が著しいとか、一通りこの地域のことを教えてくれる。マスクのせいなのか、話し方のせいなのか、よく分からないが声がごもってよく聞こえないが、よく聞くと非常に興味深い話をしてくれている。そもそもオーナー自体が地域振興のようなことも以前はやっていたらしい。ただ、まずは自分とこの経営をどうにかしないとということで今はそちらに専念しているという。
「車がないと厳しい、自動運転で送迎できないかな、人間が運転するよりよほど安全だと思うけど」
「peachの就航は大きかった女満別も釧路も、影響が全然違う、千歳からじゃ来られないからね。道東に3つも空港があるのも変な話かもしれんが、2泊3日くらいで来てくれるからありがたいね」
「いろんな宿があった方が多様なニーズに対応できる」
「今年のGWは日本人ばかりだけど久しぶりに忙しい」
非常に実感のこもった話が続く。宿についてからも動画を使って周辺の観光案内をしてくれる。毎日やっているのだろう、話し方も非常に小慣れていて動画の中身も観光客が知りたいことをよく心得ている。地形や周辺の観光地との距離の話などちょっとした小ネタを挟むのがうまい。コロナ禍前は外国人観光客も多く、でも英語ができないから動画を作ったと話す。
「外国人にGoodと言われたから英語にも問題なさそう」と話してたが、本当によくできていた。いろんな経験をされ、一つひとつ積み重ねてやってこられたのだよう。
近くの湖まで毎朝雲海を見に行っているらしい。私も連れて行っていただいた。毎日見られるわけではなく、不運にも私は見られなかった。
ただ、おじさんの解説は見事なもので冬は寒暖差で、夏は釧路からの霧が流れてくるという。ちょうどこの時期はその間。ただ、実際に見られなくても解説が楽しい。本当に地域をよく知っている。しかも、あのゆったりとしたテンションが逆に知的な好奇心を揺さぶる。話し方は多少ゆったりとはしながら、話の内容はPerfumeの軽快さも兼ね備えていた。
次回は夏にでも、今度は雲海を見るために行ってみようか。