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ビジネスとしての「塾」を考える(1)【いろいろ常識外れ。その最たるものは?】
ビジネスとしての塾を考えてみたいと思います。今回はその1回目です。
先日、全く畑違いの若い人(スタートアップに興味があるという、意識高い系の方?)と話す機会があり、いろいろ刺激を受けたことが書いてみたいと思った理由です。
初回の今回は、この方のこのような発言でした。
「・・・それって、結局のところ、属人化になっちゃうんじゃないんですかね?」
えっ?属人化って駄目なの?
そのあと、いろいろ調べてみると、どうもそうらしいですね。そもそも属人化っていう言葉そのものがネガティブイメージになっているようで・・・。
この記事って、属人化はダメだめっだってことが、
大大・大前提になっていますね(^^;)
これには、ちょっとびっくりでした。
なぜなら、塾業界って、属人化じゃないと生き残れないと思っていたからです。
属人化が悪いものだという指摘は、興味深い視点で見ているのだなと感じます。
上記サイトで指摘しているデメリットで考えると
(1)業務効率が改善されない
(2)生産性向上が阻害される
(3)蓄積してきた顧客情報や営業情報の損失
(4)人材育成が困難
(5)休暇や退職に伴うリスク
これって、企業側のご都合感じゃないのかなと思います。少なくとも、労働者の視点じゃないですよね。
私たちの大半は労働者です。よほどの幸運がない限り資本家の側に立つことはありません。
トマ・ピケティのr>gの不等式もそのことを示しています。
「裕福な人 (資産を持っている人) はより裕福になり、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない」
にもかかわらず、労働者である側がピケティのいうr側の心配をしてもしょうがないのではと感じます。
なので、私は、属人化って問題?そんなん、知らんがな
という立場ですし、それが問題だとは思いません。
搾取とまではいかないにしても、たっぷりと使用者が、そのメリットを享受されていた上に、属人化のリスクを心配するというのは、どういう心理なのだろうと思ってしまいました。
そこで、なるほと思ったのが京都精華大学の白井聡准教授のこのツイート。
戦争において、一般庶民は通常徹底的に「客体」なんだよ。「主体」じゃないんだ。モノとして扱われる側なんだ。戦争が起こるとき、その理由となる利害関係があり、それで飯を食う人たちがおり、庶民はそこに動員されて殺し殺される。これが基本構図。あたかも自分の意思を持てるかのような幻想は害悪だ
— 白井 聡/Shirai Satoshi(新刊、『マルクス 生を呑み込む資本主義』出ました) (@shirai_satoshi) August 15, 2023
白井さんは、戦争を例に引いていますが、ビジネスでも同じでしょう。労働者であることは、客体であることです。
その視点で塾業界を見ると、ここは超絶な属人化の世界です。
これこそが、塾業界が最も世間様と乖離している点なんだろうと思っています。
ただ、属人化こそがこの業界のビジネスでもっと大きな推進力とも思います。
その意味で、塾業界は、属人化であるからこそよいともいえます。
周囲に合わせるなんてうんざり。自分の努力が良くも悪くも正当に返ってくる世界で仕事をしたいと思われる方は、ぜひ塾業界へ。
言い訳は全く通用しません。だからこそ、面白い世界ともいえますよ。