自分の保健指導で減量できますか?
ちょっと辛口なタイトルになりました。
これは保健指導のセミナーで毎回、受講者に投げかけている言葉です。
ドキッとしました。
グサっときました。
耳が痛いです。
等のお言葉をいただきます。
でも、保健指導をさせていただく者としては常に頭に置いて置かなければならないことだと思っています。
生活習慣を変えるのは簡単なことではない
特に食習慣は簡単じゃない。
幼い頃からの何十年も積み重ねてきたものを「変える」なんて、なかなかできることじゃないです。
でも身体は年齢を重ねてくると変わってくるし、何十年も積み重ねてきたからこそ、それが悪い影響を及ぼしていることもあります。
そのことを知ってもらい(気づいてもらい)、今の身体に合った食べ方、選び方に変えていくためのサポートをすることが、私たちの仕事です。
行動変容というものすごく大変なことを達成していけるような支援をしていくためには、そのものすごく大変なことを保健師自身も一度は自分ごと化しておくことが、大事だと思います。
教科書に書いてあることを伝えるだけなら、プロじゃなくてもできます。
ネットにあるような情報ならAIだってできる。
知識やスキルだけでなく「経験」も保健指導には影響すると思います。
もちろん、全て経験できることばかりではありませんが、経験できることは経験しておいた方が、自分の引き出しが増えると思います。
やせる必要がなくても「経験」として食生活の改善や減量をやってみることは保健指導する上でとても大事な「経験」だと私は思います。
スマートダイエット®︎式食べ方を保健師がやってみた
私の講座を受講してくださったある保健師さんが、
「このままではプロ失格です。私もこの食べ方で痩せたいです」
と、1ヶ月間のサポートをご依頼いただきました。
サポートと言っても、講座で学んでいただいたスマートダイエット®︎式食べ方をご自身で実践し、私は体重変化を見ながら、アドバイスをするだけです。
本当にコツコツ頑張る方で、
ダイエット開始から嗜好品(お菓子、アルコールなど)は一切食べず、不足するものがないように毎日毎日「不足しないように食べる」を意識されました。
そして毎日食事を写真に撮って送って下さいました。
冒頭のグラフの写真は、その方の体重の変化です。
縦軸が体重、横軸が日数です。
このグラフを見ると、最初の1週間でストン!と減って、次の2週間は停滞。
そして4週目でまた体重が減り始めているのがわかるかと思います。
体重が減る経過には個人差があります。
一人一人身体が違うので、同じように食べていたとしても、決して同じようには減っていきません。
この方の場合は2週目から2週間、停滞期と思われるような体重が動かない期間がありました。
「停滞期」にしては少し早すぎるかな?と思ったので、私は送られてくる写真とにらめっこし、どこに減らない原因があるのかを分析しました。
結果、この方の場合は、食べる量を増やすということをアドバイスしました。
正確に言うと
「不足している栄養素を摂るためにいくつかの食品を増やす」
ということをやっていただきました。
体重が動いてないのに
「もっと食べましょう」
と言うのは、何度経験しても勇気がいります。
アドバイスする側の私に勇気がいるのですから、ご本人はもっと勇気が必要だったと思います。
でもこの方は信じて実践して下さいました。
そして…4週目。
体重が動き始めました。
ご本人からは
「先生の言う通りに、食べる量を増やしたら体重が減りました。ビックリです!」
とのご感想。
アセスメントが合っていてホッとしました。
嗜好品を食べずに過ごせている理由
嗜好品については、ご本人の鉄の意志!もありますが、もう一つ理由があります。
それは
必要な栄養素がとれているから身体が余計なものを欲しがらない。
からと考えています。
ご本人が
「おやつを食べない」
と固く決意することももちろん大事なのですが、身体にとって不足しているものがあると、身体(脳)は「(不足してるから)食べて!」と司令を出します。
本来、間食というのは不足しているものを補うことも目的の1つ。
だから必要なものがちゃんととれていれば、それほど嗜好品は身体から要求されないのです。
とはいえ、この方の
強い意志
と
学んだ通りにコツコツ実践する力
がなくては、ここまでの成果は出ないと思います。同じ保健師として、とても尊敬します。
きっと今回のご自身の経験を活かして、相手の気持ちに寄り添いつつ、効果的な保健指導を実践されていかれると確信しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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