岩手の端っこで納豆汁を食べた話
北上線のほっとゆだ駅で途中下車。この駅には併設温泉目当てに来たのですが、時間がちょうどお昼時でしたのでこの辺で食事にしようかと思ってました。食事処がなければ秋田駅から持ってきた駅弁がお昼代わりかなぁ、とか思いながら駅前の観光案内所兼お土産屋の一角にカフェというか食事処を発見。
「冬場限定 納豆汁定食」
納豆汁、納豆入りの汁とな……?
納豆を入れた味噌汁って自宅で作ったことがあって、そのときは納豆を味噌汁に突っ込んだ感じの味噌汁だったんですが、まあ豆の臭みばかりしかしなくてあんま美味しくない。
以来、納豆入り味噌汁は料理として成り立たない……と考えていたのですが、そこに来て「納豆汁」。それならどんなものか食って確かめてやろうと注文しました。
メインを4品から選べるなかなか嬉しい定食でしたが、頭は納豆汁がどんなものかということばかり。
納豆汁単体。根菜メインのお汁ですが、肝心の納豆は見当たらない。これを一口飲んですごく驚きました。納豆の香りはしっかりするのに嫌な臭みが無い……?!
この日は春、東北ということもあり冷えていました。ゆえに温かい納豆汁はホッとする味で、気づけば綺麗に平らげてました。
納豆汁は東北の方の郷土料理で、豆が入ってないのに納豆の香りがする理由は「納豆をペーストにして混ぜてたから」のようでした。が、調べてみると納豆の豆をそのまま突っ込む地域もあるらしく、「旨いのかそれ……?」と首を傾げていました。
帰った後、納豆汁を自宅で作ってみたのですが、
野菜(根菜:人参や里芋など)を切って出汁に入れ煮込む
→納豆を刻む
→刻み納豆を磨り潰す
→練り納豆と味噌を混ぜる
→根菜を煮てた汁でのばす
→煮込み汁に突っ込み溶かす
→味噌で濃さを調整する
とまあものすごくめんどくさい手順で作る料理だと分かりました。しかも納豆を入れる量が多いと臭みが結構強調されるんですよねぇ……
ただ「こういう料理がある」ということを知れただけでもほっとゆだ駅で降りて納豆汁を食べた意味はあったんだろうなぁとぼんやり思ってます。