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リモートで温度測定するIoT機器で失敗した話

あるホテルの貸切露天風呂は完全掛け流しなので、温度調節が難しい。

リモートで温度を確認できないか。なるべく安くできないか。

ということで、IoT機器導入のプロフェッショナル、スマナビにお声がかかった。
スマナビは、自社製品を持ってはおらず、一般的に流通している機器を使って、お客様のニーズになるべく安く応えるIoT機器の導入をサポートしている。

こういう依頼は、まさにスマナビが取り組む楽しい課題。

露天風呂の水温は季節や、気温、天気にも左右されるので、日によって調節が変わるのが難しい。

今までは熟練の職人技で調節してきたわけだけど、それだと専門の風呂温度調節師が必要になってしまう。

スタッフ誰でも管理できるようにするにはどうすればよいか。

定期的にチェックしに行くのには限界があるので、リモートで温度管理するのが良い。
本来は、さらに自動で温度を上げ下げできる装置を導入すれば良いのだけど、それだと高いので、温度だけを見れるようにして、後はスタッフが調整するというのが格安な解決策。
スタッフは現場に行かなきゃいけなくなるが、貸切風呂は、定期的に中の状態をチェックすることが求められるので、大きな負荷にはならないのだ。

この温度測定の問題を解決するために、ワイヤレス温度計を導入した。

シンワ測定

必要な条件

・貸切風呂の外からワイヤレスで温度がチェックできること

・お風呂に針が入るようにケーブルが長いこと(3m)

・防水

・リーズナブルなこと

で、よく売られているシンワ測定のワイヤレス温度計を買った。

シンワ測定 イヤレス温度計A 最高・最低隔測式ツインプローブ 防水型

価格は12000円くらい。

もともと農業で土の温度を測定することを想定して作られている。

買ってみた結果、全然使い物にならず、即ゴミになりました。。。

まず、電波が弱い。

障害物があると、10mでも届かない。

で、接続が度々切れる。

更には接続するのが超難しい。これが致命的。

すぐに接続し直すことができれば問題ないのだけど、

そういう仕様になっていない。

まず、ネジ回しが必要。

子機のパネルにくっついた4つの極小ネジを取り外し、電池を出し入れしないと再接続ができない仕様になっている。そこ、ボタンひとつで出来るようになんでしなかったの?これ屋外での使用を想定してるでしょ?なんでこんなんにしたの?

この極小ネジがすぐにどっかに行ってしまう。

石と石の隙間に入り込んじゃったりしたら二度と見つけられない。

しかも接続する際には、親機と子機それぞれで接続のための動作が必要なので、

再設定には少なくとも2人必要になる。

1人でやろうとすると、親機と子機を手元に持ってこなければいけない。

うまく接続できて、もとの設置場所に戻そうとすると、運んでいる間に接続が切れてしまう。

このイライラを何回繰り返したことか。

で、結果的に使うのを諦めた。

防水と言っても、それほど強い防水じゃないので、しばらくしたら機器の内側が曇っていた。

なぜか温度表示もすぐエラーになる。

そしたら、またパネルを外して、電池を出し入れして初期化しなければならない。

もちろんその際には要再接続。。。

更には電池切れも早くて、早々に取り替えが必要。

もちろんその際には要再接続。。。

ようするにガラクタです。

エラーの頻発はIoT機器を扱う業者にとっては本当に辛い。
温度をモニターするのが目的なのに、モニター機器を直すことにより多くの時間がかかってしまう。
なら、自分で温度見に行った方が早いわ。

あんまりこういう機器は手頃な価格で売っていないので、

同じようなニーズを持っている人はみんなこれを買って、失敗していると思われる。

スマナビはこうやって市販の機器を試用し、試行錯誤してベストな解決策を見つけていきます。
同じような失敗をお客様はする必要がなくなるため、結果的に費用が安く済むことになります。

hitoki

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