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新・日本の三大探偵
The great detectives in Japan.
【日本の三大探偵について】
探偵:隠された事実を調べること、またそれをする人
推理小説と言えば、名探偵の存在はなくてはならないものです。
名探偵は明晰な頭脳を持ち、クライマックスでは事件を解き明かし真犯人を指摘する。
....それが、読者のカタルシスとなるのです。
ポーが生み出したオーギュスト・デュパン、そしてドイルのシャーロック・ホームズを基本としながら、これまで多くの名探偵が登場してきました。
日本でも、多くの名探偵が誕生してきましたが、その中で、江戸川乱歩先生の明智小五郎、横溝正史先生の金田一耕助、高木彬光先生の神津恭介を日本の三大探偵とする説があります。
もちろん、統計的な調査に基づくものではありませんが、日本のミステリー小説の中で長い間愛され、多くの作品に登場した探偵であることに間違いはありません。
ただ、異論はないのですが、名前は知っていても登場作品を読んだことのないミステリー読者も増えてきてるのではないかと思うんですよね。
金田一耕助は、今でも、時々映像化されているので馴染みがあると思うのですが、明智小五郎は名前だけで、どんな事件を解決したのかわからなかったり、神津恭介については、私たち50代でも知らない人が多いんじゃないかと....
なので、今のミステリー読者のための、新しい日本の三大探偵について考えてみました。
【新・日本の三大探偵の条件について】
選考条件として次の項目を考慮しました。
①シリーズ探偵であること
②推理力だけでなく、キャラや人気で総合的に判断
③ただし、警察及び検察関係等の公権力を持った者は除く
※ ②の条件には独断と偏見が多分に反映されています。ご了承ください。
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文中の作品数は2020年6月現在、個人調べによるものです。
【一人目:御手洗潔】
なんと言っても、まず名前を挙げられるのは、島田荘司さんの御手洗潔で間違いないと思うのですが、いかがでしょうか。
これまで長編と短編集を合わせて29作に登場。(番外編や匿名・変名での登場作を含めると30作以上になります。)
横浜の馬車道に事務所を構え、「星占いが趣味の私立探偵」を職業としていましたが、現在は北欧の大学で脳科学の研究をしている「探偵が趣味の脳科学者」となっています。
変人と呼ばれたり、人付き合いの難しい性格ですが、その抜群の推理力で、各国のいろんな事件を解決するなどグローバルに活躍している名探偵です。
相棒は共同生活者の石岡くんで、御手洗が解決した事件を本にしている作家さんという設定で、「ホームズ&ワトスン」の形式です。
代表作は『占星術殺人事件』
島田さんのデビュー作でもありますが、ストーリー構成を含めて、真相やトリックのインパクトが強烈なんですよね。
自分にとって、一番、印象的なのがこのデビュー作品だったりするんです....... と、言っても、他の作品が面白くないわけではないのでご安心を!
後のシリーズ作品は大がかりな仕掛けのある大作が多いのですが、その奇想天外なトリックを繰り出す作者の剛腕ぶりと、途中の蘊蓄話が魅力なんですよね。
大作が苦手な方は短編集から入るのがお薦めです。
読んでるうちに、この御手洗&石岡コンビが愛しくなること間違いなしです。
~その他のお薦め作品
※ちなみにドラマや映画では玉木宏さんが演じてました。
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一人目は何の迷いもなかったのですが、二人目からは若干迷いながらの選考でした。
【二人目:火村英生】
二人目は有栖川有栖さんの「作家アリスシリーズ」の探偵役:火村英生としました。
何と言っても、長編と短編集合わせて26作を数える人気シリーズであることに加えて、探偵本人も秘密を抱えていたりして、時折見せる影の部分が魅力的な点が選考理由です。
京都の私大・英都大学の准教授で、研究の一環として、フィールドワークと称しては、実際の殺人現場へ赴き事件を解決している設定です。
相棒である作家の有栖川有栖(作者と同名)との関西弁のやりとりが楽しいシリーズですが、いろんな出版社から出てるので、時系列のあるシリーズ作品として読める部分が少ないのが残念な点です。
逆に、何作目から読んでも問題なしなのは利点ですね。
また、短編が多く、代表作とするならば、有栖川版「国名シリーズ」(シリーズの中のシリーズ)が適当な感じがします。
長編も短編集もありますが、国名が付いてるのはどれも面白いです。
中でも個人的にお薦めしたいのは『スイス時計の謎』
表題作のロジックこそ、このシリーズの醍醐味だと思います。
後は、長編の国名シリーズ『マレー鉄道の謎』や、短編「ロジカル・デスゲーム」が収録されている『長い廊下がある家』がお薦めです。
※ちなみにドラマでは斎藤工さんが演じてました。
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【三人目:湯川学】
三人目は、東野圭吾さんの「ガリレオシリーズ」から、探偵ガリレオこと湯川学としました。
帝都大学の准教授で物理学者という設定で、論理的な思考による冷たい雰囲気だった性格が、作品を追うごとに少しずつ人間らしくなっていくところが魅力的です。
現在まで、長編と短編集を合わせて9冊の刊行と、他の二人に比べて刊行数こそ少ないですが、短編も含めてほとんどが映像化されているという人気ぶりです。
認知度という点で、今なら間違いなく三大探偵の資格有と思います。
代表作は間違いなく『容疑者Xの献身』ですよね。
このシリーズは個人的に短編より長編の方が面白いです。
しかも、ちょっと泣ける......
※ドラマ・映画では、もちろん福山雅治さんでしたね。
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映像化が早かったので、後のシリーズ作品を読んでいるとキャストが脳内変換されてしまうほどのはまり役でした。
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【選評】
ということで、新しい日本の三大探偵を、御手洗潔、火村英生、湯川学としてみました。
愛されている探偵には間違いないと思っているのですが、3人とも大学関係の学者さんで、ちょっと扱いずらい性格というのが共通してしまったとこに、自分の独断と偏見が入ってしまった感がありますね。
(今回、対象としなかった探偵たち)
※警察・検察関係者
どうしても推理小説というよりも警察ドラマになってしまうため、公権力を持ってる方々は対象外としました。
加賀恭一郎(作:東野圭吾)、合田雄一郎(作:髙村薫)、竜崎伸也(作:今野敏)、大友鉄(作:堂場瞬一)、姫川玲子(作:誉田哲也)
※ちょっと、時代が過ぎてしまった感じの方々
浅見光彦(作:内田康夫)、十津川省三(作:西村京太郎)、三毛猫ホームズ(作:赤川次郎)
(選考過程で外した探偵たち)
※日常の謎を解く方々
春桜亭円紫(作:北村薫)、折木奉太郎(作:米澤穂信)
※設定が個性的過ぎた方々
中禅寺秋彦・榎木津礼二郎(作:京極夏彦)、刀城言耶(作:三津田信三)
※知名度の点でやや足りないと感じた方々
鹿谷門実/島田潔(作:綾辻行人)、法月綸太郎(作:法月綸太郎)、犀川創平(作:森博嗣)
※ほんとに探偵な方々
沢崎(作:原尞)、杉村三郎(作:宮部みゆき)、葉村晶(作:若竹七海)
こういう結果としてみましたが、皆さん的にはどうなんでしょう。
それぞれの読者の皆さんに三大探偵は存在してると思うので、あくまで個人的な見解と思ってください。
他にも、シリーズが成長中の探偵もいますので、いずれ変動があるのかもしれませんが、新たな名探偵に出会えるのも読書の楽しみですよね。
【secret】
..........最後に、多分、今、日本で一番人気のある探偵と言えば
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○○○○○ン・・・ 探偵さ・・
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