【architecture】頭大仏|安藤忠雄
数年前、安藤忠雄氏の講演会で北海道でちょっと変わった相談を受けているとおっしゃっていた
そこには大きな大仏様がいらしているのだか、どうにもこうにもあまり人が訪れてくれないらしい
困った地元の人からなんとかして欲しいと相談を受けた
現地を訪れた安藤氏は一喝
『隠してしまえっ!』
安藤忠雄を真骨頂はやはり、関西人特有のユーモアだ
ゴリゴリの関西弁とダミ声と重なり、重みのある言葉の中に優しさを感じる
そこに人々は惹きつけられるのだろう
安藤氏のイメージ通り、大仏様の頭がちょこっとだけ残して、周囲をラベンダーの小山が覆う建築が出来上がった
大仏様へは小山の下のトンネルからアプローチすることができる
徐々に近づいていくとワクワク感とともに大仏様の大きさに気付く
そして見上げると大仏様と青い空を眺めることが出来るのだ
時期によってはラベンダーを纏った大仏様を拝むこともできる
頭大仏という何ともユーモラスなアイデアはやはり安藤氏ならではの発想だ
常識に囚われない素人のような子どものようなアイデアはなかなか柔軟な発想がなくては思いつかない
しかもこのアイデアには広大な北海道の環境とラベンダーという地域の特産を生かした計画になっている
しっかり観光地としての役割やメディアウケまで意識している経営感覚も兼ね備えているのだ
常に面白いことを考えていたいと思う
ただ面白いことは、普段の暮らしを楽しんでいないと発想できない
建築家には人生を楽しみことが一番の栄養なのかもしれない