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ブラジルの「〇リ〇ッド」
ここは
「Cabaceiras【カバセイラス】」
という、
ブラジル北東部の小さな町です。
「Cabaceiras【カバセイラス】」は、
ブラジル北東部パライバ州にある
人口5千人程度の小さな都市です。
日本ではあまり知られていませんが、
カバセイラス郊外のジオパーク
「Lajedo de Pai Mateus【ラジェードゥ・ジ・パイ・マテウス】」には
珍しい巨石群などもあるので、
それらを見に行くというのであれば、
中には日本人もいるようです。
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ところが、
ブラジル人のあいだで
カバセイラスが有名なのは、
巨石群以前に
トップ画像の文字看板にも記されているとおり、
ここが
「ROLIÚDE NORDESTINA」
【ホリウッジ・ノルデスチ―ナ】
として知られているからなのです。
あっ、
気付いちゃいました?w
そう、
この「カバセイラス」の異名は
「北東のハリウッド」なのです!
いや、ブラジルでだって
普通はちゃんと
「Hollywood」と綴るんですよ!
ただ、発音は
「ホリウッジ」
になってしまうんですけどね…。w
※ ちなみに、かつてブラジルで最もよく売れていたタバコの一つが
「Hollywood」といい、それは「オリウッジ」と読まれます。w
んでもって…、
ポルトガル語では本来「H」は読まないし、
語頭の「ハヒフヘホ」なら「R」で表すのが通常だし…、
語尾が「ジ」に聞こえるといえば、
ブラジルのポルトガル語では「de」で終わっているのが定番だし…、
そもそも面白がって付けた異名だし…、
ということで、
「ハリウッド」ならぬ「ホリウッジ」を
「完全ブラジル化」したら
「Roliúde」になっちゃった!
というわけです…。w
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😅 😂 🤣
で…、
何故この町が「ハリウッド」なのかというと、
勿論ここで多くの映画の撮影が行われているからです。
初めてカバセイラスで
動画が撮られたのは1929年で、
このときはブラジル北東部に関する
ドキュメンタリーの一環としてだったのですが、
ポルトガルの植民地だと一目で分かるこの町並みといい、
⇓
![](https://assets.st-note.com/img/1681356263943-Eo8qwRYejf.png?width=1200)
「セット」として使うのに好都合なサイズ感といい、
⇓
![](https://assets.st-note.com/img/1681355507779-uLV0gb4eip.png)
降雨が少なく、天気を気にせず撮影を進めることができる上、
州都ジョアン・ペソアから 200 km 弱
(直線距離は166 km、移動時間2時間程度)
という好立地 ♪
徐々に多くの作品がこの町で撮影されるようになり、
町側もすっかり慣れっこになり、
どんどん協力的になり、
撮影される気満々な「大通り公園」も出来、w
⇓
![](https://assets.st-note.com/img/1681356408797-tdn36gpshG.png?width=1200)
今やすっかり「観光地」、「映画の町」としての
地位を確立して、
国内外の観光客がやってくるようになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1681355037386-7vLV9kSBad.png?width=1200)
https://jc.ne10.uol.com.br/colunas/turismo-de-valor/2021/12/14916684-cabaceiras-a-roliude-nordestina-no-sertao-da-paraiba-que-ja-foi-palco-de-mais-de-50-filmes.html
無論、映画博物館もあります。
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![](https://assets.st-note.com/img/1681302604795-8nchMuVMfC.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1681303984780-mfZ0W7O8ns.png?width=1200)
なお、これまでに
通算50本以上の映画やドラマが
カバセイラスで撮影されたそうですが、
※ 残念ながら、今のところコンプリートリストが見つかりませんが…。😓
中でも有名なのが、こちらです。
⇓
「O Auto da Compadecida【オ・アウトゥ・ダ・コンパデスィーダ】」
☝ 英語字幕付き予告編です。
「Auto da Compadecida」は、
ブラジル人作家 Ariano Suassuna による同名の戯曲を原作とし、
1999年に公開された、
Guel Arraes 監督によるドタバタコメディー映画です。
⇓
![](https://assets.st-note.com/img/1681378697015-pqeZ6b6G95.png?width=1200)
「O Auto da Compadecida」
(無理やり直訳するなら「慈悲ある者の宣言」?)
とは、
つかみどころがなく訳すのが難しい題名である上、
話が「ある犬の死」から始まるため、
英語では『A Dog's Will』という題名になっています。
舞台は1930年代初頭のブラジル北東部、
パン屋で働く
「João Grilo 【ジョアゥン・グリーロ】と Chicó【シコ―】は
古くから馴染みの2人組。
パン屋の奥さんが飼っている愛犬が瀕死の状態になると、
愛犬を愛してやまないパン屋の奥さん、
教会へ連れていき祝福してくれと頼むも
神父は「人間じゃあるまいし」と拒否します。
神の祝福を受けないまま犬が逝ってしまったことから
せめて盛大な葬儀をと、
パン屋の奥さんは再び教会へ。
神父は無論「犬の葬儀などは行わない」
と断りますが、
ジョアゥン・グリーロ と シコ―が
「敬虔なクリスチャンだったその犬が、
ラテン語で祈りを捧げてほしいとの遺言を残したんだ、
その祈りを捧げてくれた神父には謝礼を払うとも言ったんだ~!」
と告げると、
「謝礼」になびいた神父は話に乗ってしまいます。
そこから紆余曲折を経て、
ある時カンガセイロと呼ばれる盗賊一味が町に襲来し、
主要人物の多くが亡くなってしまいます。
ジョアゥン・グリーロ と シコ―は、得意の口車で
盗賊を騙せそうになりますが、
ジョアゥン・グリーロは亡くなってしまいます。
死後の世界では、
生き残ったシコー以外が全員再会しますが、
「金で買われた」神父などは地獄に落とされてしまいます。
そして最後に慈悲溢れる聖母マリアが
ある決定を下し…
といったあらすじです。
この映画は、
ブラジルでは非常に人気があり、
ブラジル映画としては、
質の高い映像美や演技が高く評価され、
国内外で高い評価を得ています。
歴史的な建物や町並みが多く映し出され、
特に映画の冒頭で描かれる「聖母マリアの祭事」のシーンは、
カバセイラス市内の中心的な教会で撮影されたこともあり、
まさに「聖地巡り」の目玉となっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1681300470610-8I1q8NPK4y.png?width=1200)
😊😊😊
というわけで、
当初は多くの映画を紹介できるかなと思って
記事を書き始めたのですが、
コンプリートリストは見つからない、
こっちの情報があっちの情報と一致しない等々ありまして、
また、ブラジル映画の知名度の低さを考えると、
せっかくなら面白いものをチョイスして、
映画1本につき1記事というスタイルで
シリーズ化するのもありかなと考え、
今回のこの記事については、
この辺で締めさせて頂こうかと思います。
本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!
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